SQL Server 2008 および Windows Server 2008 のサポートを延長するオプションについて


執筆者:
Keita Miyazaki (Customer Service & Support Cloud + AI SBU Windows Commercial)
Yusuke Yoneda (Customer Service & Support Cloud + AI SBU Azure IaaS Platforms)

 

サポート延長オプションの概要


2018 7 13 日に SQL ServerWindows Serverのサポート ポリシーに対して新しいオプションを発表しました。

SQL Server 2008 および Windows Server 2008 のサポート終了に関する新たなオプションを発表

上記のブログのサマリーは以下の通りです。

  • SQL Server 2008 および 2008 R2 の延長サポートは、2019 7 9 日に終了。また、Windows Server 2008 および 2008 R2 の延長サポートは、2020 1 14 日に終了となります。
  • 上記製品を Azure 上で利用する、もしくはオンプレミス環境でもライセンス コスト全額の 75% の料金で年間ごとに払うことで、3 年間の延長セキュリティ更新プログラムを利用いただけます。

上記のオプションの狙いやよくお問合せいただく懸念、ご不明点についてお知らせします。

オプションの狙い


ブログに記載の「来たるサポート終了は、アプリケーションやインフラストラクチャの刷新を通じて、クラウド コンピューティングや SQL Server および Windows Server の最新バージョンを導入する絶好の機会となります。」の通り、延長サポートの終了において、弊社が推奨するプランは利用環境自体を最新バージョンへ刷新いただくこととなります。また、Azure 環境を利用できるお客様は PaaS にその機能を移管することで、サーバーの運用コストの低減を図れるだけでなく、Azure から提供される高度な機能を手頃な価格で簡単に利用することが出来ます。

弊社で最も推奨することはお客様の IT 環境のモダナイゼーションを促進いただき、最新のテクノロジーをお客様のビジネスに生かしていただくことでございます。しかし、バージョンの刷新や PaaS への移行は必ずしも容易でなくお客様の業務・スケジュール上、難しい場合がございます。今回のサポート延長は、このような変更が現時点で行えない場合の緩和策を目的として、弊社より案内しているオプションとなります。

クラウド環境についての懸念


クラウド環境をお使いいただくお客様に向けて、2018 9 6 日に発売の書籍Azure 定番システム設計・実装・運用ガイド」では、弊社の現役のAzure テクニカル サポート エンジニアから、日々お客様からいただく相談に基づいたノウハウをお伝えしております。はじめてクラウド環境をお使いいただくお客様も、Azure 環境を今までご利用いただいておりますお客様にもぜひ理解を深めるために役立てていただけるかと思います。また、書籍だけでなくAzure エンジニアが解説する落ちないサービス入門」スライドにてクラウド環境そのものの考え方から、ダウンタイムを避けるサービスを網羅的に紹介しております。

クラウドを初めてお使いいただく方のためにも弊社では積極的に情報提供をしております。ぜひ理解を深めるのにお役立てください。

費用面についての懸念


弊社にご相談いただく質問の一つとして、“オンプレミス環境から Azure 環境に移行することでどの程度の費用の差が発生するのかという点でございます。残念ながらこれはお使いのマシンがどの程度のスペックの仮想マシンが適切でお客様がどのようにご契約いただくかに依存するため、お客様よりお見積りいただく必要があります。Azure IaaS 環境の仮想マシンについては価格表をご確認ください。

一般的にはハードウェアの保守費用が節約できるため、オンプレミス環境に比べてクラウド環境の方が節約できます。また、オンプレミス環境でのライセンス費用はそのまま Azure 環境に持ち越しができますので、Azure 環境への移行自体に追加のライセンス費用は発生しません。

ワークロードの一部を PaaS に移行することができる場合、運用コスト自体の削減だけでなく新しい機能の利活用による業務の効率化も期待できます。なお、このような移行にはコード改修を伴うこともあり、お客様の利用シナリオにあわせて検討が必要な課題となります。(「Azure 定番システム設計・実装・運用ガイド」でも言及しております。)

オンプレミスマシンの移行の方法


オンプレミスで稼働するHyper-V VMware、物理サーバーなどのワークロードをAzure IaaS 環境に移行する場合、大きく以下の 2つの方法がございます。

Azure Site Recovery サービスを利用した移行

Azure で利用可能な仮想ハードディスク(VHD)に変換しアップロードする移行

Azure Site Recovery サービスを利用した移行

Azure Site Recoveryは、オンプレミスやAzure 環境の仮想マシンのレプリケーションやバックアップを管理できるAzure 上の機能です。このAzure Site Recovery を用いて、オンプレミスの仮想マシンや物理サーバーを、Azureに移行することができます。テスト フェールオーバー機能を使用することで、オンプレミスからの移行テストも実行いただけます。 Azure Site Recovery を用いた移行の条件や手順については「オンプレミスのマシンを Azure に移行する」をご確認ください。

Azure で利用可能な仮想ハードディスク(VHD)に変換しアップロードする移行

オンプレミスで稼働するHyper-V VMware 上の仮想マシンや物理サーバーをAzure の仮想マシンとして稼働可能な仮想ハードディスク(VHD )の形式に変換し、Azure上にVHDデータをアップロードすることで移行を行います。この移行手段は、次の2つの段階が必要です。

  1. オンプレスミス環境を Azure 環境で利用可能な VHD ファイル形式に変換する
  2. VHD ファイルを Azure 上にアップロードし Azure 仮想マシンを作成する

それぞれの段階について説明します。

1.    オンプレスミス環境を Azure 環境で利用可能な VHD ファイル形式に変換する

Azure 上で利用可能なVHD ファイルには、容量固定ディスクであることや Hyper-V における第一世代形式であることなどの制約が存在します。また、RDP などのリモート接続を前提とした設定などクラウド観点での設定も必要です。このようなAzure環境への移行を前提とした VHD ファイルを用意するためにAzure にアップロードする Windows VHD または VHDX を準備する」に記載の準備を行う必要があります。

なお、物理サーバーから、ディスクデータをVHDファイル形式に変換するためのユーティリティ Disk2vhd も公開されています。このようなツールも活用し、オンプレミス環境をAzureで利用可能なVHDファイルを用意することが最初のステップとなります。ツールはそのままダウンロードして実行することも可能ですが、オフライン起動などの細かなシナリオについては、Disk2VHD ツールを利用した P2V 化についてもぜひご参考にしてください。

2. VHD ファイルを Azure 上にアップロードし Azure 仮想マシンを作成する

1で用意したVHD ファイルを、Azure 上のストレージ領域にアップロードをします。アップロードの手段は、複数提供されていますが、多くの場合、VHD ファイルは数百GBから数TBといった大容量のデータアップロードとなりますので、効率性の観点からAzcopyPowerShellといったコマンドラインツールが推奨されます。このVHDのアップロードから仮想マシンの作成に関する一般的なガイダンスは下記のように多く公開されています。

このような手順をベースに、ご自身の移行要件に沿ってAzureの仮想マシンの構成を検討し確立いただきます。

なお「Azure 定番システム設計・実装・運用ガイド」の “第 2 章 リフト&シフトによる既存環境の移行“ にて、”2.6.1 オンプレミス環境から Azure 環境に移行する手順についても情報を紹介しております。

ライセンスの移行方法


Windows Sever Azure への持ち込みにあたって、ソフトウェア アシュアランス付きライセンスをお持ちの場合は、Azure ハイブリッド特典を利用することで、仮想マシンのWindow Server OS ライセンス費用を削減することが可能です。また、Windows Server 向け Azure Hybrid Benefitの記事では、新しい VM のデプロイ方法や、稼働中の VM を更新する方法を説明しております。

サポートの取り扱い


Q. Azure に移行するための導入段階の技術支援を受けたい

プレミア サポート サービスやユニファイド サポート サービスをご契約いただいているお客様は、担当の営業やテクニカルアカウントマネージャーまでご相談ください。上記の契約をお持ちでないお客様よりAzure のパートナーに関する情報を得るためには Azure パートナーのページを参照してください。

なお、Cloud Direct2018 7 26 日にサービスを終了しており、現在はサーバー移行支援センターとしてのお電話でのご相談窓口がございます。サーバー移行支援センターは今後も継続的にアップデートし、サポート終了に関する情報提供をしてまいります。

Q. Azure, SQL Server, Windows Server 製品に関して、どのように技術サポート サービスを使い分けたらよいか

オンプレミス環境で延長セキュリティ更新プログラムの料金をお支払いいただいているお客様は、有償プロフェッショナル サポート サービス、プレミア サポート サービス、ユニファイド サポート サービスを別途ご利用いただくことでテクニカル サポート サービスを通じて支援いたします。テクニカル サポート サービスの提供範囲は以下となります。

シナリオ 対応
サポート エンジニアがサポート チケットを開く
サポート チームが問題のトラブル シューティングを行う
サポート チームが根本原因の分析を行う ×
サポート チームが問題の修正や仕様の変更リクエストを行う ×

Azure の技術サポート サービスでは Azure というインフラストラクチャへの支援を致します。Azure 環境で動作している SQL Server Windows Server については前述の有償プロフェッショナル サポート サービス、プレミア サポート サービス、ユニファイド サポート サービスにて支援いたします。
お客様より問題の切り分けが行えており、適切なサポート サービスにお問合せいただくと問題の迅速な解決が望めます。お問合せ前に改めてご確認ください。

お客様がパートナーと契約いただいている場合、パートナーにご相談ください。お客様から直接弊社までお問合せいただく場合、直接、アカウントの取得やサポート サービスを購入してから、弊社までお問合せください。

Q. Windows Server 2008/2008 R2 から Windows Server 2016/2019 への移行を検討したい。移行のために差分などを網羅した資料はないか。

OS のバージョンが異なりますと、UI (見た目) 上、類似した製品の場合でも内部の情報は異なる場合がございます。設定値、UI の差分などを網羅した公開情報は残念ながらございません。弊社の公開情報で提供している情報の範囲としましては、製品の新機能の紹介を目的としたリストまでとなります。このような観点で差分をまとめた情報の例として Windows Server バージョンの機能の比較」 がございます。

Q. オンプレミス環境で使っている業務アプリケーションが Azure 環境に移行することでそのまま動作するか。

一般的に仮想化テクノロジーの違いにより業務アプリケーションへの影響はございませんが、インフラストラクチャに特別に依存するアプリケーションはこの限りではございません。環境に応じたアプリケーションのサポートの有無についてはアプリケーションの提供元までご相談くださいますようお願い申し上げます。

Q. Windows 7 でもセキュリティ更新プログラムの取り組みはありますか

モダン デスクトップへの移行を支援にて紹介しております。

Q. 延長セキュリティ更新プログラムの具体的な入手方法、ライセンス認証の方法、情報公開のアップデート時期を知りたい

SQL Server および Windows Server 2008/2008 R2 のサポート終了が近づいた時点で情報提供される予定です。技術サポートではお問合せいただいたお客様のみへのご案内はしておらず、公開情報に基づいた情報の紹介までをいたしております。オプションについての今後のアナウンスは引き続き弊社の公開情報のアップデートをお待ちくださいますようお願い申し上げます。

Q. その他について

詳細については、延長セキュリティ更新プログラムに関するよく寄せられる質問 (英語) をご覧ください。
https://aka.ms/eos-offer-faq

 

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