Hybrid 構成下でのオフボード移行の留意事項


今回は、Hybrid 構成下における、Exchange Online からオンプレミスへのメールボックス移行 (オフボード移行) 時の留意事項をご案内します。
オフボードを実施する際には、以下項目を一通りご確認いただいてから実施いただければ幸いです。

 

1.オンプレミスのデータベースが正常であることを確認


Exchange Online からのオフボードに限ったことではないですが、オフボード先となるオンプレミスのメールボックス データベースで DAG を構成している場合は、データベース コピー含めインデックスの状態が正常 (Healthy) である必要があります。
特に、コピー データベースのインデックスの状態が Healthy ではないことに起因して、メールボックスの移行処理が進まないというお問合せをいただく場合がありますので、Get-MailboxDatabaseCopyStatus コマンドにて、オフボード先となるデータベースのアクティブ データベースだけでなく、コピー データベースの状態もご確認ください。

 

2. アーカイブ メールボックスを Exchange Online に残す場合


Exchange Online でアーカイブ メールボックスを有効にしており、プライマリ メールボックスのみをオンプレミスにオフボードし、アーカイブ メールボックスは Exchange Online に残す場合は、Exchange 管理センターを利用した移行ができません。
PowerShell から New-MoveRequest コマンドによる移動要求を作成する必要があります。
以下に実行例を記載しますが、ArchiveDomain パラメーターに onmicrosoft.com のドメインを指定することでプライマリ メールボックスのみをオフボード移行することができます。
に成功します。


<コマンド実行例>
Get-Mailbox user01 | New-MoveRequest -OutBound -RemoteTargetDatabase 'MDB01' -RemoteHostName 'mail.contoso.com' -RemoteCredential $opcred -TargetDeliveryDomain 'contoso.com' -PrimaryOnly -ArchiveDomain 'contoso.onmicrosoft.com'

 

3. メールボックス クォータの設定


Exchange Online では、メールボックス クォータのサイズ (格納域の制限) が既定で以下の様に設定されています。(ライセンスの種類によりサイズが小さい場合もあります)
 
//Exchange Online の格納域の制限値

一方、オンプレミスの Exchange Server の格納域の既定値は以下となっています。
 
//オンプレミスの格納域の制限値 (既定ではメールボックス毎ではなくデータベースの設定を継承します)

このように、既定サイズだけで見ると、Exchange Online での格納域のサイズはオンプレミスに比べ大きく設定されています。
Exchange Online でしばらくメールボックスを利用していた場合は、オンプレミスで設定されている格納域の制限値を超えてしまっている場合もあるかと思います。
特に、訴訟ホールドやインプレース保持を有効にしている場合は、過去メールがたまり続けていますのでメールボックスサイズも大きくなりがちです。
オフボード移行する前にメールボックスの整理や、オンプレミス側の制限値を大きくするなどの対処を実施してからオフボード移行を実施ください。

 

4. 送受信サイズの設定


オンプレミスでは各メールボックス毎の送受信サイズは制限されていません (コネクターの設定除く) が、Exchange Online では送信サイズの制限として 35MB、受信サイズの制限として 36MB が既定値として設定されています。

このため、オンプレミスから Exchange Online へ オンボード移行した後に、運用条件によってはこのサイズを変更することもあるかと思いますが、ここで注意が必要です。

オンプレミスと Exchange Online でこの送受信サイズの制限値が異なる状態でオフボード移行すると、移行したメールボックスの送受信サイズの設定はオンプレミスの既定値である Unlimited となりますが、Exchange Online 作成されているこのメールボックスのメール ユーザーの設定は 35MB/36MB のままとなります。

上記では、UserAA が、オンプレミスにオフボード移行したメール ユーザーになります。

オフボードしたメールボックスの送受信サイズは適宜変更することが可能ですが、Exchange Online 上に作成されているメール ユーザーの送受信サイズは変更することができません。

これにより、Exchange Online 上のユーザーからオンプレミスにオフボード移行したユーザー宛てにメールを送信する際には、Exchange Online 上にあるメールユーザーに設定されている送受信サイズが適用されるためメールが受信できなくなります。

対処策としては、対象アカウントを Azure AD Connect の同期対処から除外し、Exchange Online から削除された後に再度同期して再作成するしか有効な回避策がありません。
このため、オフボードする際には、事前にメールボックスの送受信サイズをご確認いただき、オンプレミスとの制限値に差異がある場合は、事前に変更してから移行を実施ください。

 

5. オフボード移行したメールボックスへのアクセス


無事オンプレミスにメールボックスのオフボード移行が完了し、Outlook からそのメールボックスに接続を試みると、アクセスできない場合もありますが、その際は Outlook プロファイルの修正や再作成を実施いただくことで無事接続できるようになりますので以下のサポート技術情報をご参照の上お試しください。

TITLE : プロファイルを修復することで、Outlook のメール接続の問題を解決する
 URL : https://support.office.com/ja-jp/article/outlook--4d5febf6-7623-486b-9a9f-d5cfc4264af3

 TITLE : Outlook のプロファイルの作成
 URL : https://support.office.com/ja-jp/article/outlook--f544c1ba-3352-4b3b-be0b-8d42a540459d
 
また、Outlook をオンラインモードで利用している場合に以下のサポート技術情報の問題が発生する場合がございます。

 TITLE : Outlook search folders are not populated in Online mode after migration from Exchange 2013 to Exchange 2010
 URL : https://support.microsoft.com/en-ie/help/3056652

Outlook からの接続確認と併せて、上記 KB 3056652 の問題が発生していないかもご確認ください。
 
以上となります。
これまでのお問合せを基に留意事項をまとめさせていただきました。
Exchange Online では日々機能強化や仕様変更が行われてますので、今後も定期的にこのようなナレッジを共有させていただきます。


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