Exchange 2013 環境におけるログの出力について


Exchange 2013 は以前のバージョンに比べ、出力されるログの種類も増えていることは Exchange 2013 を運用されている方にとってはよくご存じの内容かと思います。

これらのログが存在することで、問題が発生した際のトラブルシューティングをより円滑に進めることができるようになっていますが、これらのログ ファイルについては Exchange 2013 の CU6 でさらに種類が増え強化されています。

しかしその反面 CU6 以降のバージョンを適用してしばらく経過した後に、Exchange のインストール ディレクトリが存在するディスク容量が逼迫してしまっていたといったお問合せをいただくことがありました。

※ 運用状況にもよりますが、CU6 以降では以前の CU に比べ、Exchange 関連のログ量が数 GB 程度増えたといった報告があります。

Exchange 2013 ではシステム要件として OS や Exchange の DB が使用する領域以外に 30GB のディスク領域を用意する必要があり、多くの環境では各ドライブの使用量を監視いただいていることやディスク容量に余裕を持って運用されていることかと思いますが、もし Exchange 2013 がインストールされたディスクの空き領域が残り少なくなってきた場合は以下の内容をご確認の上、早めの対処をご検討いただければと思います。

まずはどんなファイルにより多くの領域が使用されているか確認しましょう
ドライブの使用領域が残り少なくなってきた場合、基本的には出力されるログ量を保存可能なディスク容量をご用意いただく必要がありますが、不要なファイルやディレクトリなどが存在するようでしたら、まずはそれらの退避や削除などをご検討いただければと思います。

徐々にドライブの使用量が増え続けているような状況であるものの 「何が増えた (増えている) のかわからない」 という場合は以下のようなツール (Get-DirSizeFunction.ps1) を使って簡単に特定のドライブ配下の使用量等を確認することができますので、お試しいただければと思います。
増加傾向を確認する場合はこのツールを使用して、定期的に使用量を確認・比較し、増加傾向にある情報を特定していきます。

Title : コンピューターで多くの領域を占有しているフォルダーを確認する方法はありますか
URL : https://gallery.technet.microsoft.com/scriptcenter/4e83afe2-ebdf-414a-bfc9-36e76b7e9750

簡単にではありますが Get-DirSizeFunction.ps1 の使い方についてご説明します。

1. 上記の公開情報内に記載されている Get-DirSizeFunction.ps1 のコードをコピーして、 “Get-DirSizeFunction.ps1” という名前で保存し、サーバー上に配置します。

2. Get-DirSizeFunction.ps1 を配置したサーバーで PowerShell を起動し、以下のように実行してスクリプトを読み込みます。

. "< Get-DirSizeFunction.ps1 のパス>

例 :
. " C:\Script\Get-DirSizeFunction.ps1"
※ 最初の <ドット> を忘れないようにご注意ください。

3. 続けて以下のコマンドを実行すると、指定したドライブ配下の各ディレクトリのサイズを確認することができます。
出力量が多いので、CSV ファイル等へエクスポートしていただくと、確認し易くなります。
※ 情報が取得できないフォルダがある場合エラーが表示されますが、処理は中断されません。

Get-DirSize -Path <対象のドライブ>

例 : C ドライブ配下の情報を CSV ファイルに出力する
Get-DirSize -Path C:\ | Export-Csv –Path C:\temp\DirSize.csv

空き容量が逼迫しているため、確認できるほどの余裕がない場合
とはいっても、場合によっては早急に対応しないとドライブの空き領域が枯渇してしまう状況もあるかと思います。

そのような場合は残念ながらファイル等を削除するか、別の領域に移動するかの選択肢しかありません。

Exchange 2013 サーバー上でこのような状態になった場合は、ひとまず Exchange のインストール パスの配下に存在する Logging フォルダー配下のログ ファイル等に対してこれらの対応をすることで、ある程度の余裕を確保することが可能かと思います。

※ ログファイルを削除しても、特に Exchange サーバーの動作に影響はありません。

しかし、ログを削除しても再びログが生成され根本的な解決には至りませんので、あくまでも一時的な対応とお考えいただければと思います。
いくつかのログ ファイルやフォルダーについては保持期間や保存される最大容量を制御する、あるいは出力先を変更することが可能なものもあります。
今回は公開情報より出力先の変更が可能であるログ ファイルとその変更手順について以下にお纏めしました。

もしディスク容量を増やすことが難しいような状況になった場合はログ ファイルの出力先の変更をご検討いただければと思います。

A. %ExchangeInstallPath%\TransportRoles\Logs\FrontEnd の出力先変更 (CAS のみ出力)
================
フロントエンド トランスポート 関連のログファイルは複数存在します。
以下のコマンドにて各ログファイルの現在の出力先を確認することが可能です。

Get-FrontendTransportService | fl Name,*LogPath

既定では以下の設定となっています。
ConnectivityLogPath    : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\FrontEnd\Connectivity
ReceiveProtocolLogPath : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\FrontEnd\ProtocolLog\SmtpReceive
SendProtocolLogPath    : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\FrontEnd\ProtocolLog\SmtpSend
AgentLogPath           : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\FrontEnd\AgentLog

これらのログ ファイルの出力先は Set-FrontendTransportService コマンドを使用して個別に設定を変更することが可能です。
例えば ConnectivityLog の出力先を変更するには以下のように実行します。

Set-FrontendTransportService –Identity <変更対象の CAS サーバー名> -ConnectivityLogPath “<ログの出力先>”

例 :
Set-FrontendTransportService –Identity CAS01 -ConnectivityLogPath “D:\TransportRoles\Logs\FrontEnd\Connectivity”

設定する際のパラメーターについては以下の Technet をご確認ください。

Title : Set-FrontendTransportService
URL : https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/jj215695(v=exchg.150).aspx

B. %ExchangeInstallPath%\TransportRoles\Logs\Mailbox の出力先変更 (MBX サーバーのみ出力)
================
メールボックス トランスポート関連のログファイルは複数存在します。
以下のコマンドにて各ログファイルの現在の出力先を確認することが可能です。

Get-MailboxTransportService | fl Name,*LogPath

既定では以下の設定となっています。

ConnectivityLogPath       : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\Mailbox\Connectivity
ReceiveProtocolLogPath   : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\Mailbox\ProtocolLog\SmtpReceive
SendProtocolLogPath      : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\Mailbox\ProtocolLog\SmtpSend
MailboxSubmissionAgentLogPath  : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\Mailbox\AgentLog\Submission
MailboxDeliveryAgentLogPath      : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\Mailbox\AgentLog\Delivery
MailboxDeliveryThrottlingLogPath  : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\Throttling\Delivery

これらのログ ファイルの出力先は Set-MailboxTransportService コマンドを使用して個別に設定を変更することが可能です。
例えば ConnectivityLog の出力先を変更するには以下のように実行します。

Set-MailboxTransportService –Identity <変更対象の MBX サーバー名> -ConnectivityLogPath “<ログの出力先>”

例 :
Set-MailboxTransportService –Identity MBX01 -ConnectivityLogPath “D:\TransportRoles\Logs\Mailbox\Connectivity”

設定する際のパラメーターについては以下の Technet をご確認ください。

Title : Set-MailboxTransportService
URL : https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/jj215711(v=exchg.150).aspx

C. %ExchangeInstallPath%TransportRoles\Logs\MessageTracking  (MBX , Edge サーバーで出力)
%ExchangeInstallPath%TransportRoles\Logging\IRMLogs  (MBX , Edge サーバーで出力)
%ExchangeInstallPath%TransportRoles\Logs\JournalLog  (MBX サーバーのみ出力)
%ExchangeInstallPath%TransportRoles\Logs\Hub (MBX サーバーのみ出力)
%ExchangeInstallPath%TransportRoles\Logs\Edge (Edge サーバーのみ出力)
================
トランスポート関連のログファイルは複数存在します。
以下のコマンドにて各ログファイルの現在の出力先を確認することが可能です。

Get-TransportService | fl Name,*LogPath

既定では以下の設定となっています。

-- MBX サーバー
ConnectivityLogPath         : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\Hub\Connectivity
MessageTrackingLogPath      : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\MessageTracking
IrmLogPath                  : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\Logging\IRMLogs
ActiveUserStatisticsLogPath : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\Hub\ActiveUsersStats
ServerStatisticsLogPath     : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\Hub\ServerStats
ReceiveProtocolLogPath      : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\Hub\ProtocolLog\SmtpReceive
RoutingTableLogPath         : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\Hub\Routing
SendProtocolLogPath         : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\Hub\ProtocolLog\SmtpSend
QueueLogPath                : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\Hub\QueueViewer
WlmLogPath                  : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\Hub\WLM
AgentLogPath                : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\Hub\AgentLog
JournalLogPath              : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\JournalLog
-- Edge サーバー
ConnectivityLogPath         : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\Edge\Connectivity
MessageTrackingLogPath      : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\MessageTracking
IrmLogPath                  : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\Logging\IRMLogs
ActiveUserStatisticsLogPath : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\Edge\ActiveUsersStats
ServerStatisticsLogPath     : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\Edge\ServerStats
ReceiveProtocolLogPath      : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\Edge\ProtocolLog\SmtpReceive
RoutingTableLogPath         : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\Edge\Routing
SendProtocolLogPath         : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\Edge\ProtocolLog\SmtpSend
WlmLogPath                  : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\Edge\WLM
AgentLogPath                : C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\TransportRoles\Logs\Edge\AgentLog

これらのログ ファイルの出力先は Set-TransportService コマンドを使用して個別に設定を変更することが可能です。
例えば ConnectivityLog の出力先を変更するには以下のように実行します。

Set-TransportService –Identity <変更対象の MBX,Edge サーバー名> -ConnectivityLogPath “<ログの出力先>”

例 :
Set-TransportService –Identity MBX01 -ConnectivityLogPath “D:\TransportRoles\Logs\Mailbox\Connectivity”

設定する際のパラメーターについては以下の Technet をご確認ください。

Title : Set-TransportService
URL : https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/jj215682(v=exchg.150).aspx

参考情報
=============
Title : メッセージ追跡を構成する
URL : http://technet.microsoft.com/ja-JP/library/aa997984(v=exchg.150).aspx

Title : プロトコル ログ出力を構成する
URL : https://technet.microsoft.com/ja-JP/library/bb124531(v=exchg.150).aspx

Title : Information Rights Management のログ出力を有効または無効にする
URL : http://technet.microsoft.com/ja-JP/library/ff686962(v=exchg.150).aspx

Title : スパム対策エージェントのログの構成
URL : https://technet.microsoft.com/ja-JP/library/bb691337(v=exchg.150).aspx

Title : 接続ログを構成する
URL : https://technet.microsoft.com/ja-JP/library/aa996827(v=exchg.150).aspx

Title : ルーティング テーブル ログ出力を構成する
URL : http://technet.microsoft.com/ja-JP/library/bb201696(v=exchg.150).aspx

Title : パイプライン トレースを構成する
URL : http://technet.microsoft.com/ja-JP/library/jj916678(v=exchg.150).aspx

以上となります。
今後とも当ブログをよろしくお願いいたします。

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