Exchange 2010 においてアドレス帳が参照できない


Exchange Server 2010 環境において Outlook をオンライン モード (キャッシュ モードを無効) にして使用している場合、アドレス帳の参照に時間が掛かったり、データが取得できない問題が発生する場合があります。このような問題についてトラブルシュートする際、まずはクライアント調整ポリシー (Throttling Policy / スロットリング ポリシー) による影響がないかどうかご確認いただくことをお勧めいたします。

クライアントが Throttling Policy の影響を受けている場合は、Outlook から接続があった CAS サーバーの Address Book ログにおいて、以下のように Throttled の動作が記録されます。このログでは、例として user01 からの接続について制御がされたことがわかります。

2014-05-20T00:00:00.000Z,5,10,/o=Contoso/ou=Exchange Administrative Group
(FYDIBOHF23SPDLT)/cn=Recipients/cn=user01,,192.168.1.1,cas01,ncacn_ip_tcp,
GetMatches,80004005,0,,Throttled,,15000

※ Address Book ログは既定で以下の場所に保存されています。
C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V14\Logging\AddressBook Service

Throttling Policy 機能の目的は、ユーザーの一般的な操作が Throttling Policy に抵触しないような数値設定を行い、これを大幅に超えるような操作を制御することです。例えば、特定のユーザーやクライアント アプリケーションにおいて想定されないような膨大なリソースの消費が行われる動作が意図せず発生したときに、Throttling Policy により、そのクライアントからの接続のみ一時的に制御を行い、他のユーザーへの影響を抑えるといった機能を果たします。

しかし、Exchange Server 2010 のインストールするバージョンによっては既定で設定される制御値に以下のような値が含まれております。

RCAPercentTimeInAD : 5
(RCAPercentTimeInAD : Outlook ユーザー RCA 接続において、ディレクトリ要求の実行に費やすことができる時間が 1 分間に占める割合)

上記は 5 % を示しており、 [60 秒 x 0.05 = 3 秒] とやや小さめの値となっております。そのため、上記のようなアドレス帳が参照できない問題が確認され、同時に RCAPercentTimeInAD が小さめに設定されている場合には、一旦この値を大きく設定して動作をご確認ください。($null を設定し、制限を無くすことも可能です。) また、Throttling Policy 機能の目的の説明にあったように、各 Throttling Policy にある程度大きく余裕を持たせたとしても、一般のユーザー操作に影響がでることはございませんのでご安心ください。

なお、アドレス帳の参照のみでなく、Exchange Server との通信において、大量のクライアント操作が制御されるにように見受けられる現象が発生は、Throttling Policy 機能が影響している可能性がありますので、トラブルシュートの際には是非チェック項目の 1 つとしてご確認ください。

Throttling Policy の設定の確認方法や、変更方法は以下のコマンドレッドの技術情報をご確認ください。

Title: クライアント調整ポリシーについて
URL: http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/dd297964(v=exchg.141).aspx

Title: Get-ThrottlingPolicy (Exchange Server 2010)
URL: http://technet.microsoft.com/ja-JP/library/dd351264(v=exchg.141).aspx
※ Throttling Policy の設定を確認することができます。

Title: Set-ThrottlingPolicy (Exchange Server 2010)
URL: http://technet.microsoft.com/ja-JP/library/dd298094(v=exchg.141).aspx
※ Throttling Policy の設定を変更することができます。

補足情報

Exchange Server 2013 においても同様の Set-ThrottlingPolicy コマンドなどはご利用いただけますが、RCAPercentTimeInAD といったリソースの消費時間の割合による制御の設定項目は無くなりました。

関連情報について以下の技術情報をご確認ください。

Title: Exchange ワークロード管理
URL: http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/jj150503(v=exchg.150).aspx

Title: 組織内のすべてのユーザーのユーザー調整設定を変更する
URL: http://technet.microsoft.com/ja-JP/library/jj863578(v=exchg.150).aspx

Title: Set-ThrottlingPolicy (Exchange Server 2013)
URL: http://technet.microsoft.com/ja-JP/library/dd298094(v=exchg.150).aspx

Skip to main content