2012年は激動の年であって欲しい、そんな想いで新年を迎える!

皆さん、明けましておめでとうございます!
昨年は本当に皆様にお世話になり、無事過ごすことができました。

図1

例年であれば年賀状サービスを使って近しい人には送っていたのですが、今年からそれを止めることにしました。代わりと言ってはなんですが、ブログで今年に向けての想いをお伝えしたいと思います。また、例年は一年の締めくくりでブログ投稿していたのですが、それも止めてみました。なんか違うことをしたかったんです。

*

2011 年は本当に多くの悲しみ、苦しみ、徒労を経験した人が多かったことでしょう。私もブログで何回そういうコメントを書いたかかわからないくらいです。でも Life Goes On あるいは The Show Must Go On なんです。特に IT を仕事にしている人間のすべきことは IT で人が幸せになる、より具体的には仕事や生活を便利にし、次のステージに進むための最高のパートナーとしての IT を広めることに他なりません。この初心に返り、今年は活動していけたらと思います。

☆昨年の自分を振り返ってみる

昨年まで私はマイクロソフトの Web 技術、特にインフラ部分としての Web サーバーを語ることが多かったです。それまでの経験値も進化著しいサーバー技術を支援する活動が多かったわけで、これは必然だったと言えます。まぁ 高添や安納がインフラ方面はなんでも語るので彼らが絶対に手を出さない(出そうよたまにはと言い続けてきましたが)領域としてのWeb サーバー、アプリケーションサーバーを主戦場として色々やってきました。

まぁ この領域は中途半端になりがちなんですよね、しかし。というのは、開発者向けの Deep な話の中で路傍の石のように語られることもあったり、インフラとしては花形は OS そのもの、特に Active Directory や Hyper-V の影で本来日本では非常に多い業務アプリケーションの稼働プラットフォームなのにもかかわらず、しっかり語られない本当に縁の下の力持ち、そこを気にする人も AD、仮想化、開発手法に比べれば圧倒的に少ないわけです。そこを担当されて興味を持っている方は逆に熱い方が多いというのもありますね。

少し脱線すると、、、

語られないことには理由があって、アプリケーション プラットフォームのチューニングというのはインフラで完結する製品とは大きく性格が異なります。それはほとんどがマイクロソフトが書いたコードである後者とは違い、大きく、多大に皆さんが開発するアプリケーションの内容によってパフォーマンス一つとっても影響を受けるからです。プラットフォームの設計指針として自由度が高いことを開発者は望むことが多いのですが、それを実現すると今度はサンドボックスのようにがちがちじゃないと提供しにくい情報を欲する、そんなエリアなんだと思っています。それが今のマイクロソフトの開発プラットフォーム、特にサーバー側の状況だと思います。だからこそ現場の皆さんの経験値が価値あるものになり、プロフェッショナルな皆さんの付加価値になっているともいえます。

*

実はエバンジェリストのチームの中で Web プラットフォームを扱う専門チームがあるのは日本だけの特殊事情なんですが、ようやくクライアント側も一緒に着手できるようになり、Silverlight や IE をがっつりやろうかという矢先に地震。日本語版の IE9 のリリースもズレたのは皆さんもご承知の通りです。でも MIX というイベントに合わせてこれまでに全く無かったオンラインでの情報提供を visitmix.jp で行ったりと春日井との連携プレイなんかも生まれました。で、7月から本格的に IE と HTML5 を担当することになり、そこから私のクライアント技術のリハビリが始まりました。と同時にインフラ系ではなく、開発系の話をする意図で開発者向けの情報提供、デベロッパー エバンジェリストになりました。

以前 MVP の方の集まりがあった時に 「ASP.NET を学ぶために必要なことは?」という話が出たことがあります。ここでの一致した見解は、「ASP.NET というのはプラットフォームの名前であって、言語ではない」「つまりは、初めての人にとってはバックエンドを書く C# や VB と言った言語の勉強をする必要がある」「むしろ重要なのは HTML や CSS などの Web を構成する要素技術の方では?」という話になりました。ある意味、この重要な要素を担当することになったわけです。

*

マイクロソフトが HTML を語る、それが多く行われたのは Windows 95 ~ Windows 98 のころだったのではないか、そんなことを想いながら、どうやってマイクロソフトの立ち位置を皆さんに伝えていくか、悶々とする数か月がそこから始まりました。さらに、Build において “Windows 8” で HTML、CSS も開発言語に加わる発表がされた時、「見えた!」と思いました。しかし、マイクロソフトのマーケティング戦略が変わり、エバンジェリストが広く、早く 伝えていく翼をもがれてしまいました。これは情報開示の大戦略転換なので、「言えない」ことが「言う」ことが仕事の人間にとっては苦痛でしたが、しかし、確かに情報が氾濫している現在においては有効な戦略であり、"Windows 8” について語るのは控えたのは皆さんもご存じのとおりです。

そういう観点では MVP Open Day でセッションを持った時にはそういうことになるとは夢にも思ってなかったので、MVP 各位は内容に不満だったでしょう。今だから明かす真実です。質問に答えれるのに答えれない、こんな経験をするとは思いませんでした。(笑) ただそれだけ MS が ”Windows 8" にかける想いが強いという捉え方をしていただけるとうれしいなと思います。

*

HTML5 に関しての活動が表だって大きくできなかった反面、昨年のラスト 3 か月は一生懸命に動きまわっていたものがあります。それは IE のピン留めです。今までも鈴木(章)あたりが色々な場所で話をしてきていたのですが、本格的に IE のマーケティング チームとがっつり組んで色々と仕掛けていく、そんなステージが来ました。

IE のピン留めは単なる Meta/Link タグおよびJavaScript 実装なので別に第 5 世代の HTML を活かしているわけではありませんが、Windows 7 の伸びが引き続き予想される中、IE9 が増加するのは間違いない状況で、それらのお客様と Web サイト運営者の架け橋となる面白いプラットフォームです。これは各所のブログで書いていたりするのと同じです。

私はこれをじっくり眺めた時、「PointCast だ!」と思いました。発信者が Push で情報を届ける、それができるなというのが第一印象。何故なら Web のイベントモデルを活用しつつ、リンクを動的に切り替える、しかも Web 製作者側が制御できるからです。これを使わない手は無いし、その効果を伝えなければいけないとマジで思いました。

ということで多くの場面でピン留めを宣伝もしてきたし、引き続き皆さんの方でも採用をご検討いただければと思います。タダですし。実はこれまでユーザーの操作性を上げるために社内の業務アプリケーションでデスクトップにショートカットを設ける設計を何度となく見てきましたが、もっとスマートにこの機能を使うと実装できると思うし、アプリケーション オーナーが伝えたい情報をジャンプリストで届けるというのも悪くないんじゃないかなと思うんです。

ということでインターネットでサービスをされている Web サイト様には引き続き提案を続けます。

☆今年の自分を占う

さぁ 2012 年の話を書きましょう。

どう考えても「言えない」が終わるので、明らかに次期 Windows の活動が増えるのは間違いないでしょう。サーバーも同時リリースなので IIS8 の情報提供もありますし、ASP.NET だってバージョンは上がるわ、IE/HTMLに至っては相当カバー領域があります。無論 IE10 そのものの情報提供ももっとしっかり始めると思うので目にする機会も増えることでしょう。

重心ということで言うと Windows 8/ IE10 、特に HTML 領域かな、やっぱり。まぁ よく人に器用だと言われるのですが、(悪く言うと中途半端ということ?といつも思うのですが)担当すべきところをしっかりやる、そんな一年になりそうな気がします。

“Windows 8” は情報発信の仕方もさることながら、その秘めたパワーは

・ネットワークというものをユーザーに意識させた「Windows 95」
・安定感、安心感を届けた「Windows 2000」
・セキュリティを意識することとなった「Windows XP」
・新しい挑戦をした「Windows Vista」
・挑戦が現実となった「Windows 7」

と並べてみた時に、Windows 95 が登場した時のインパクトに近いかもしれません。タッチが本流に入ってくるとともに、今までよりもさらに色々な形状のデバイスが登場する土壌になることでしょう。しかも Build の配布された PC では AT&T さんのチップで通信もできるものだったので通信インフラとの融合という意味でもこれまでとだいぶ異なる様相になることは間違いないでしょう。

Build でも Steve Ballmer がサプライズで登場して発言したように、今もってなお世界で一番多いデバイス数を持つ Windows の規模感、これをうまく活かして新しいビジネスも登場してくるでしょうね。

私の今年のお薦めは間違いなく、次期 Windows。サーバーも Hyper-V が進化して高添もやるき満々ですし、私もクライアント、サーバーを含めて今後の Windows の行方を皆さんと見守りたいと思います。

ということで、皆様 2012 年もよろしくお願いいたします!
そろそろ写真も違うものを使おうかと思いますが、とりあえずはこれで。(笑)

無題 

奥主 洋
Hiroshi Okunushi