System Center 2016 Operations Manager のヘルスサービスのキャッシュクリアについて

こんにちは、日本マイクロソフト System Center Support Team の三輪です。

 

本日は、System Center 2016 Operations Manager にてよく利用する、ヘルスサービスのキャッシュクリア方法についてご紹介します。

 

ご紹介するヘルスサービスのキャッシュクリアは、特定の問題やエラーについて対応するものではなく、監視が正常に行えてない状況に対して、切り分けとしてまず実施いただくことが多い手順です。

例えば、以下の様な問題や事象に対して、有効である場合が多いです。

 

- 監視対象が [監視しない] ステータスから変化しない。

- 監視対象がグレーアウトしている。

- 管理パックを新たにインポートした、またはオブジェクト検出ルールを有効にしているにもかかわらず、監視対象オブジェクトが検出されない。

- 監視対象上で検知条件に合致するイベントが発生したにもかかわらず、アラートが検知されない。

- 監視対象のパフォーマンス情報が表示されない、レポート画面でも値がなく、空となっている。

 

、「とにかく監視が上手くいかない」  といった事象に対して、切り分けのために実施を推奨しています。

 

監視が正常に行えない場合、エージェント側でヘルスサービスが利用するキャッシュが破損している可能性があります。

キャッシュクリアを行うことで、キャッシュが再構築され、破損している場合に対して有効な手順となります。

また、検出が上手くいかない、といった場合も、クリア後に再度検出が実施されるため有効です。

逆に、この手順で改善しなかった場合は、SCOM 管理サーバー側やエージェントの設定を確認する、アクションアカウントが適切な権限を持っているか確認する等、原因の切り分けとして利用できます。

本手順自体はサポート部門に寄せられた多くのお問い合わせでご案内した実績のある手順です。

 

注意事項としては、一時的にサービスの停止を行うため、その瞬間のみ監視が停止します。

上記についてご理解いただいた上で本手順の実施をお願い致します。

 

 

手順は SCOM 管理サーバーと、監視対象サーバーそれぞれで異なります。

それぞれの手順は以下となります。

 

[手順: SCOM 管理サーバー側]

1. SCOM 管理サーバーに、管理者権限を持っているユーザーでログオンします。

2. 次のサービスを以下の順番で停止します。

Microsoft Monitoring Agent

System Center Management Configuration

System Center Data Access Service

 

3. 以下のフォルダを開きます。

C:\Program Files\Microsoft System Center 2016\Operations Manager\Server\Health Service State

(※) SCOM のインストール先を変更している場合には、適切なフォルダを開いてください。

 

4. フォルダ内のすべてのファイルとフォルダを削除します。

5. 停止した次のサービスを以下の順番で開始します。

System Center Data Access Service

System Center Management Configuration

Microsoft Monitoring Agent

 

 

[手順: 監視対象サーバー側]

1. 監視対象サーバーに管理者権限を持つユーザーでログオンします。

2. 次のサービスを停止します。

Microsoft Monitoring Agent

 

3. 以下のフォルダを開きます。

C:\Program Files\Microsoft Monitoring Agent\Agent\Health Service State

(※) SCOM のインストール先を変更している場合には、適切なフォルダを開いてください。

 

4. フォルダ内のすべてのファイルとフォルダを削除します。

5. 停止した次のサービスを開始します。

Microsoft Monitoring Agent

 

それぞれ実行後、監視対象のステータスに変化があるか、オブジェクトが検出されるか、といった改善がみられるかご確認下さい。