Windows Azure Pack からの仮想マシンの展開と過剰コミットについて


日本マイクロソフト System Center Support Team の宮崎です。今回は、Windows Azure Pack (以下、WAP) と System Center 2012 R2 Virtual Machine Manager (以下、SCVMM) を組み合わせた環境における仮想マシンの展開を行う際の制限に関して紹介します。

 

WAP は、Windows Server 2012 R2 から導入された新機能です。SCVMM や SQL Server 、Hyper-V 、と組み合わせることで、プライベート クラウド環境を構築することができます。また、Microsoft Azure と同じインターフェースを提供します。

 

“Windows Azure Pack”

http://www.microsoft.com/ja-jp/server-cloud/products-Windows-Azure-Pack.aspx

 

“Windows Server 用 Windows Azure Pack”

https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/dn296435.aspx

 

さて、WAP と SCVMM を組み合わせて仮想マシンを展開する際、”過剰コミットのため仮想マシンが作成できません” というエラーが表示される場合があります。この状態では、WAP からこれ以上仮想マシンを展開することはできません。このような状態になる理由は、メッセージにある通り、仮想マシンを展開する先の Hyper-V クラスターの状態を SCVMM が “過剰コミット” と判定していることによります。過剰コミットについては、以下の公開情報にて詳しく紹介しています。

 

“Details of the cluster overcommit algorithm in System Center 2012 R2 Virtual Machine Manager” (英語)

https://support.microsoft.com/en-us/kb/3023928

 

この状態になった場合でも、SCVMM からであれば、ウィザード内で警告が表示されるものの、それを無視して進めることで仮想マシンの展開を行うことができます。しかし WAP では、連携先の SCVMM が警告状態であると判定した時点で処理を継続できなくなるため、展開ができない結果となります。これは、Hyper-V ホストの障害発生時に仮想マシンの可用性を可能な限り高めるられるように WAP の機能を実装していることによります。WAP と SCVMM を組み合わせてプライベート クラウド環境を構築する場合には、上記の技術情報を参考に十分な容量設計を実施してください。

 

なお、技術情報に記載している計算の内容は非常に複雑であり、厳密に評価を行うのはかなり大変です。この点について以下の条件が満たされる場合、計算式は後述の様に単純化することができます。

– 条件
a. すべての仮想化ホストが同一の構成である。
b. ホストに設定されたホスト予約がすべて同一である。
c. すべての仮想マシンが高可用性となっている。

– 単純化された計算式
以下の条件が満たされる場合に、クラスターは過剰コミットととなります。

H = ホストに割り当てられたメモリの容量からホスト予約を減算した値
N = ホストの数
R = クラスター予約の数
VL = 最もメモリのサイズが大きい仮想マシンのメモリ サイズ
Total = 全仮想マシンの総メモリサイズ + 64 * 仮想マシンの総数

(N – R) * (H – VL) + VL < Total

上記は 3 種類の制約条件を付けて計算を単純化していますが、比較的均一な構成であれば適用することができます。よろしければ利用してください。

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