[SCCM 2007] クライアントが正常動作しない場合の対処方法


今回は、SCCM 2007 にて SCCM クライアントが正常に動作しない、あるいはインストール出来ない場合のトラブルシュート方法をご案内します。

エラーや発生事象別に原因を知り、対応していくといった細かな話ではなく、より実運用に即した、とりあえずクライアントがうまく動かない環境に直面したら、まずこれをやってみよう、というところがスタート地点です。

というのも、SCCM クライアントのインストール先は、ユーザーが実務に使うコンピュータです。プロフェッショナルな管理者による対応が可能な SCCM サーバー側の問題とは違い、クライアント側の対処が難しい様々な理由があるのではないでしょうか。

例えば、

1. 管理者がログを取りに行けるサイト サーバー側のコンピュータと違い、業務中にログを取るというのは難しい。
2. ユーザーがプロフェッショナルではないため、技術的な切り分け作業は勿論、詳細な事象の把握が難しい。
3. クライアント マシンは所有者が任意にアプリケーションをインストールしたり、ファイル・レジストリを変更してしまう。これにより、どこがどうおかしくなっているのかが千差万別。
4. クライアント マシン固有の壊れ方、問題点が生じている可能性がある。特にコストをかけて調査しても、別のマシンで起きた問題に対しても再利用可能な回避策でなければ、コストをかけて調査をするメリットが低い。

このような観点から、SCCM の運用において、クライアント側で問題が起きたとしたら、まず回避優先の対処が求められるのが現状です。

さて、今回の一連の手順では、インストール対象マシンにおいて、SCCM クライアントのアンインストールだけではクリアしきれない情報もクリアしつつ、SCCM クライアントを再セットアップする方法をご案内します。

<※注意事項> 
本手順は、SCCM 2007 クライアントがインストールされた、サイト システム サーバー (SCCM の管理ポイント・配布ポイントなどの役割を持つサーバー) では行わないでください。手順中で削除が必要なレジストリ キーは、SCCM のサーバー側各機能でも使用していることが多く、サイト システムとしての役割に支障をきたします。本手順は、あくまでも、クライアント OS の SCCM クライアントへのトラブルシュートや、マスター イメージ準備のためにご利用ください。

事前準備:
========================
"SMS 2003 Toolkit 2" を、テスト マシンにインストールします。
当ツールキットに含まれる ccmdelcert.exe ツールを問題の起きるクライアント マシンにコピーし、後述の手順にて利用します。
※ SMS 2003 のツールですが、SCCM 2007 用にも使用いただけます。

Systems Management Server 2003 Toolkit 2
http://www.microsoft.com/download/en/details.aspx?id=18153

-> インストール後、"Program Files\SMS 2003 Toolkit 2" フォルダに上記プログラムが配置されます。
プログラムを含むフォルダごと目的のマシンにコピーして使用しても問題ありません。

手順:
========================
以下を、問題の発生するクライアントで実施下さい。


1. SCCM クライアントのアンインストールを行います。

コマンド プロンプトを "管理者として起動" にて実行して、下記のフォルダーに移動し、"ccmsetup.exe /uninstall" コマンドを実行します。

- 32 bit 版 OS の場合
%windir%\system32\ccmsetup フォルダ

- 64 bit 版 OS の場合
%windir%\ccmsetup フォルダ

 ※ アンインストールはしばらく時間がかかります。コントロール パネルを開き、"Configuration Manager" という項目が消えたらアンインストール完了と判断出来ます。

2. コマンド プロンプトを "管理者として起動" にて実行して、SMS 2003 Toolkit 2 ツールを含むフォルダーに移動し、"ccmdelcert.exe" を実行します。

※ ccmdelcert によって、クライアント上に残存する管理ポイントの証明書を削除します。
管理ポイントの証明書の残存により、管理ポイントに接続出来ないという問題の切り分けとして有効です。一度削除してしまえば、次回管理ポイントと通信時に新しいものを取得出来ます。

また、ccmdelcert による証明書の削除を手動で確認する場合、以下の手順をご参考下さい。スキップいただいても結構ですが、万全を期すのでしたら、手動確認し、残存している場合、削除します。

------------------------------

1. スタート メニューにある [ファイル名を指定して実行] にて、"mmc" を入力して実行します。

2. [ファイル] - [スナップインの追加と削除] をクリックします。

3. 左ペインから [証明書] をクリックして [追加] ボタンをクリックします。

4. "コンピュータ アカウント" にチェックを入れて、[次へ] をクリックします。

5. "ローカル コンピュータ" にチェックし、[完了] をクリックします。

6. 右ペインに "証明書(ローカル コンピュータ)" が追加されていることを確認し [OK] をクリックします。

7. 左ペインにて、[証明書] - [SMS] - [証明書] を選択して、中央ペインに 2 つの "SMS" 証明書が存在しないことを確認します。

※ 2 つの "SMS" 証明書を手動で削除する場合は、右クリックして [削除] を選択し、「選択された証明書を永久的に削除しますか?」というメッセージが表示されますので、[はい] を選択します。

------------------------------


続いて、手作業によるファイル・レジストリ削除を行います。

3. 以下フォルダに移動し、"19c5cf..." ではじまるファイルが存在する場合には削除、またはリネームして別フォルダにコピーします。(該当のファイルが存在しない場合も問題ありません。)


- Windows XP, Wndows Server 2003 の場合
C:\Documents and Settings\All Users\Application Data\Microsoft\Crypto\RSA\MachineKeys
※ ApplicationData フォルダーは隠しフォルダーです。

- Windows Vista 以降
C:\ProgramData\Microsoft\Crypto\RSA\MachineKeys
※ ProgramData フォルダーは隠しフォルダーです。


4. %windir%\smscfg.ini ファイルを削除します。

smscfg.ini には、以前クライアントが管理されていた場合に作成された、一意のクライアント管理用 ID が保持されています。クライアントの再インストールのみでは、こちらの管理用 ID は再作成されませんので、管理用 ID に問題が生じている場合の対処として、こちらの削除が有効です。
こちらも、一度削除してしまっても、SCCM クライアント再インストール後に新規作成されます。

5. 以下のレジストリが存在していた場合、削除します。

- 32 bit 版 OS の場合
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\SMS
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\CCM
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\CCMSetup

- 64 bit 版 OS の場合
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Wow6432Node\Microsoft\SMS
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Wow6432Node\Microsoft\CCM
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Wow6432Node\Microsoft\CCMSetup

レジストリは、通常、アンインストール後消去されますが、もし残存していたら削除して下さい。

6. OS を再起動します。

以下、手順 7 は WMI のリポジトリ (データベース) の再構築です。多くの事例にて改善した実績のある、強力な方法ですが、考慮点もございますため注意事項をご一読下さい。

7. WMI リポジトリの再構築を行います。

WMI リポジトリとは、OS や SCCM の様々な情報を格納するデータベースであり、システム情報を取得する際に使用するデータベースです。
WMI リポジトリの破損や不整合が発生していると、SCCM のインストールや、インベントリ等、様々な動作に支障をきたすため、再構築が有効です。

WMI リポジトリにも、SCCM がかつて使用していた様々な情報が残存しています。
このようなデータが一部でも破損、あるいは異常なものが残存してしまっていると、SCCM クライアントの再インストールだけでは改善しない場合がございます。
問題のクライアント側で以下の手順にて、WMI リポジトリの再作成を実施してください。
再作成による悪影響が懸念される場合には、本手順 7 をスキップして SCCM クライアントの再インストールを完了し、それでも問題が改善しない場合に限定して本 WMI リポジトリ再構築の手順も含む、一連の手順実施をご検討下さい。

----- 注意事項 ------
リポジトリを再作成することによって、SCCM以外のサードパーティ製アプリケーションで WMI を使用するものがある場合、障害が出る可能性があります。
その場合は、一度WMIのサービスを停止した後、後続の手順にて作成する Repository.old ファイルを元の名前に戻す事で前の状態に復元が可能です。
それ以外の場合、つまり WMI を使用するようなサードパーティ製ソフトウェアが存在しない環境であれば、WMI 再構築にて原則全ての情報が再構築されるため、問題は発生いたしません。
WMI を仕様するサードパーティ製ソフトが存在する場合、再構築後に、そのソフトウェアも再インストールすることで、専用のリポジトリが再作成されることが一般的ですが、詳細については、作成元にご確認下さい。

        ご参考:
        WMI の FAQ: トラブルシューティングとヒント
        http://technet.microsoft.com/ja-jp/scriptcenter/ff576025.aspx
        -> Q 8. WMI が動作していません。どのようにトラブルシューティングすればよいですか。
-------------------------

7-1. [管理ツール] から [サービス] を起動します。

7-2. [サービス] にて、以下のサービスを停止します。

Windows Management Instrumentation

※ WMI サービスに依存する関連サービスも同時に停止されてしまいます。
※ サードパーティ製のアプリケーションなど、WMI に依存するサービスによっては、停止が難しいものがありますが、その場合、アプリケーション個別に停止方法をご確認下さい。(※ アンチウイルス ソフトウェアなど、システムに深く関わるサービスの場合、いったんのアンインストールが必要な場合もあります。こういったサービスは、前述の通り独自の WMI リポジトリを保持する可能性も高く、本 WMI リポジトリ再構築後にアプリケーションの再インストールを行っていただくことが確実です。)
※ 上記 7-1,7-2 をコマンドで実行するなら、"net stop winmgmt" コマンドで行えます。

7-3. エクスプローラを起動し、%SystemRoot%\system32\wbemに移動します。

7-4. RepositoryフォルダをRepository.old等、任意の名前に変更します。なお、リポジトリの再作成によって問題が発生した場合は、このフォルダを元の Repository という名前に変更する事で以前の状況に復元可能です。

7-5. 項番 2 で停止したサービスを再び開始します

※ どのサービスが依存していたか不明な場合、手順 7-6 の後にシステム再起動をしたほうが簡潔です。

7-6. 自動的にRepositoryというフォルダが作成されます。 15 分程度お待ち下さい。

8. 上記完了後、SCCM クライアントの再インストールをお試し下さい。

プッシュ インストールを行うか、あるいは ccmsetup.exe ツールによる手動インストールを行います。
ccmsetup.exe のコマンドライン オプション等は、その他、正常動作するクライアントを導入した際のものと同じものをご利用下さい。

もちろん、多数のクライアントで似たような問題が起きていたり、前述の対処を行っても改善しない場合には、詳細な調査を行う必要がありますので、お気軽に弊社サポート窓口までご連絡をいただければと存じます。

 

- 補足 WMI の最新版の修正プログラムを適用する
===========================================
前述の WMI リポジトリ関連ですが、ご利用いただいている各 OS ごとに、最新版にしておくことも、今後の安定化の為に有効となってまいります。

- Windows 7 の最新版 (2012 年 7 月現在)

突然スタートアップまたはログオン プロセスで Windows Server 2008 R2 または Windows 7 が遅くなります。
http://support.microsoft.com/kb/2617858/

- Windows 7 以外の Windows の修正について

ご参考: Windows のバージョン別 WMI の修正プログラムの一覧
Suggested hotfixes for WMI related issue on Windows platforms
http://support.microsoft.com/kb/2591403/EN-US

ご参考: Windows XP のバージョンの WMI の修正プログラム
修正プログラムは、Windows XP で Wmi リポジトリの安定性が向上
http://support.microsoft.com/kb/933062/ja

SCCM は、WMI に大きく依存しておりますので、可能であれば、WMI の安定化の修正プログラムをクライアントにインストールいただくことを推奨いたします。
このような修正プログラムは、セキュリティ修正プログラムとは別の扱いですので、SCCM の "ソフトウェアの更新" 機能での検出・適用は出来ません。
修正プログラムをダウンロードいただいた上で、"ソフトウェアの配布" の機能を用いて、各 OS に展開していただく事が効率的です。

 

コミュニティにおけるマイクロソフト社員による発言やコメントは、マイクロソフトの正式な見解またはコメントではありません。

 

Comments (0)

Skip to main content