SCCM 2007 の FAQ その1

こんにちは、System Center サポート部の石井です。

 

 

 

今回は、SCCM 2007 をご利用・ご購入いただく上で、弊社営業部門に多く寄せられるご質問について、サポート部門にておまとめした回答をご紹介します。

 

数が多いため、二回に分けてのポストとなります。

 

 

1. SCCM 2007 で管理できるオペレーティングシステムは?

 

2. インベントリとはどのようなものが収集されますか?

 

3. 更新プログラムの管理機能の Windows Server Update Service (WSUS) との違いは?

 

4. OS 配信機能の Windows 展開サービスとの違いは?

 

5. ソフトウェアの配信機能の優位性は?

 

6. SCCM 2007 によるリモート管理とは?

 

7. SMS 2003 との混在やアップグレードは可能か?

 

8. 必要な構成管理 とはどのような機能ですか?

 

9. サイト破損時の復旧方法は?

 

10. SCCM 2007 管理可能なクライアント台数と複数サイトの構成について教えてください

 

 

 

 

 

1. SCCM 2007 で管理できるオペレーティングシステムは?

 

 

 

SCCM 2007 最新バージョン SCCM 2007 SP2 のクライアント要件は主に以下の通りです。

 

Windows クライアント  Windows 2000 SP4
 Windows XP SP2 以降  Windows Vista
 Windows 7
 Windows Server 2003 SP1 以降  Windows Server 2003 R2
 Windows Server 2008 SP1 以降  Windows Server 2008 R2
( SP 表記がないものは SP による制限はありません)
  モバイルデバイスクライアント  Windows Mobile for Pocket PC 2003 および Second Edition
 Windows Mobile for Pocket PC Phone Edition 2003 および Second Edition
 Windows Mobile for Pocket PC 5.0 および Phone Edition 5.0
 Windows Mobile Smartphone 2003
 Windows Mobile 5.0 Smartphone
 Windows Mobile 6 Standard および Professional、Classic
 Windows Mobile 6.1 および 6.5
  上記は SCCM 2007 クライアントとして動作するオペレーティングシステムのバージョンです。 それぞれのオペレーティングシステムのサポート期間につきましては個別にサポートライフサイクルをご確認ください。

Embedded Edition を含めたその他 OS バージョンや、最新の情報は以下のURLをご確認ください。 https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ee344146.aspx

 

https://technet.microsoft.com/en-us/library/ee344146.aspx (英語)

 

 

 

2. インベントリとはどのようなものが収集されますか?

 

 

 

インベントリ機能には大きく分けてハードウェアインベントリとソフトウェアインベントリの2種類があり、それぞれ個別に有効・無効とすることができます。 ハードウェアインベントリは OS やインストールされているアプリケーションの情報、BIOS、ストレージ、ネットワーク構成、本体、そして周辺機器などのハードウェア構成情報を収集します。 情報は Windows システム標準機能の WMI から取得しているため、 WMI に標準で定義されている情報については比較的簡単にインベントリに含めることができます。 ソフトウェアインベントリは指定したファイル(ワイルドカードによる指定も可能)についてファイルのプロパティ情報を収集します。

 

 

 

3. 更新プログラムの管理機能の Windows Server Update Service (WSUS) との違いは?

 

 

 

SCCM 2007 は更新プログラムのカタログサーバー(ソフトウェアの更新ポイント)として WSUS のフレームワークを利用します。 また、System Center Update Publisher (SCUP) を経由して 3rdParty (Adobe,DELL,HP) のカタログを利用することが出来ます。
SCCM はWSUSで検出・配信できる更新プログラムの種類に加え、3rdParty  (Adobe,DELL,HP) の更新プログラムの検出・配信が可能です。

SCCM と WSUS との違いについては以下のURLにてご確認ください。
https://technet.microsoft.com/ja-jp/windowsserver/cc980793.aspx

System Center Update Publisher については以下のURLにてご確認ください。
https://technet.microsoft.com/ja-jp/systemcenter/bb741049.aspx

3rdParty カタログは以下のURLにてご入手頂けます。
https://technet.microsoft.com/ja-jp/systemcenter/cm/bb892875.aspx (英語)

尚、SCCM は Forefront Endpoint Protection 2010 と連携することも可能です。 ウィルスやスパイウェア対策機能の集中管理基盤としても利用可能です。。
 

 

 

4. OS 配信機能の Windows 展開サービスとの違いは?

 

 

 

SCCM 2007 のオペレーティングシステム展開機能は Windows Server の Windows 展開サービスを利用することができます。
Windows 展開サービスサーバーを PXE サービスポイントとすることで、 SCCM 2007 と連動して動作させることができます。

SCCMはオペレーティングシステムの配信先クライアントを明示的に指定することもできます。
SCCMはタスクシーケンス機能を有しており、これにより配信先クライアントに対するオペレーティングシステムの配信のみならず、オペレーティングシステムのインストール時に必要となるディスク構成やドライバーの適用、ドメイン参加、SCCM 2007 クライアントのインストール、アプリケーションのインストール、更新プログラムの適用 等のタスクを自動で実行することが可能です。 また、Windows 展開サービスではオペレーティングシステムのイメージの配信元は Windows 展開サービス サーバー自身のみですが、SCCM 2007 では複数設置可能な配布ポイントからダウンロードさせることが可能です。

SCCM と Windows 展開サービスやその他の展開ソリューション との違いについては以下のURLをご確認ください。
https://technet.microsoft.com/en-us/systemcenter/cm/bb684467.aspx  (英語)

 

 

 

5. ソフトウェアの配信機能の優位性は?

 

 

 

SCCM 2007 のソフトウェアの配信機能は Active Directory サービスやその他の Windows 標準のソフトウェア配信機能に比べ大規模な環境に対応できます。 また、 SCCM 2007 クライアントから収集されたハードウェアやソフトウェアの情報(インベントリ)を基に配信対象を詳細に設定することもできます。 その他、クライアントに配信する日時を指定できるスケジュール機能や、クライアント毎のソフトウェア配信の結果を確認できるレポートステータス機能があります。 ソフトウェアのダウンロードには BITS (Background Intelligent Transfer Service) を利用することも可能です。 これにより、万が一ダウンロード中にネットワークのセッションが切れてしまった場合でも、途中からダウンロードを再開することが可能です。 尚、ソフトウェアは配布ポイントの役割を持つサーバーよりダウンロードされます。 配布ポイントはシステム構成や用途に応じ、拠点などに柔軟に配置することができます。 この配布ポイントの役割は、ブランチ配布ポイントとしてクライアント OS に割り当てることも可能です。

SCCMではログオンユーザーが管理者権限を有していなくても、バックグラウンドでソフトウェアを管理者権限で実行しインストールを実施することができます。 この他にも、Microsoft Application Virtualization (App-V) と連携することで、仮想アプリケーションの配信にも対応しています。 仮想アプリケーションの利用により、例えば、1つのオペレーティングシステム上で新旧アプリケーションを競合させることなく、同時に利用することが出来るようになります。 また、System Center Service Manager 2010 と連携することで、アプリケーションの利用申請を行うためのポータルをユーザーに提供することが可能となります。

 

 

 

6. SCCM 2007 によるリモート管理とは?

 

 

 

SCCM 2007 では管理対象のコンピューターへのリモート接続、および操作が可能です。 リモートコンピューターへの接続形式は複数提供されており、エンドユーザーと画面を共有しながら対話型のリモート操作の実施や、リモートデスクトップによる接続など、管理コンソールから容易に行うことができます。 管理者はリモート接続を行うと同時に、収集した構成情報やイベントログの参照などを、単一のコンソールから並行して行う事が可能となります。 管理コンソールのリモートツールの利用履歴はSCCMが提供するレポートから確認することもできます。 また、 SCCM 2007 では Intel vPro テクノロジに対応したことにより、電源の入っていないコンピューターでもリモートから電源管理や BIOS の操作が行えます。

 

 

 

7. SMS 2003 との混在やアップグレードは可能か?

 

 

 

SCCM 2007 は SMS 2003 SP2 以降の環境との混在とアップグレードを完全にサポートします。 これにより段階的に SCCM 2003 サイト階層を SCCM 2007 へ移行させることが可能となります。
SMS 2003 サイトは SCCM 2007 サイトの下位サイトとしてサイト階層に加わることができ、SMS 2003 クライアントは直接 SCCM 2007 サイトのクライアントとなることができます。 但し、 SMS 2003 サイトを SCCM 2007 サイトの上位サイトとすることや、SCCM 2007 クライアントが SMS 2003 サイトのクライアントとなることはできません。

 

8. 必要な構成管理 とはどのような機能ですか?

 

 

 

クライアントのソフトウェア構成についてのルールを作成し、クライアントがそのルールを満たしているかを継続的に検査し、レポートにより確認することができます。 たとえば、正しいバージョンの Windowsが適切にインストールおよび構成されているか、必要なすべてのアプリケーションが正しくインストールおよび構成されているか、オプションのアプリケーションが適切に構成されているか、禁止されているアプリケーションがインストールされていないかなど、あらかじめ指定したルールに準拠しているかといったコンプライアンスを評価することができます。 さらに、ソフトウェアの更新およびセキュリティ設定に対するコンプライアンスも確認できます。

 

 

 

9. サイト破損時の復旧方法は?

 

 

 

SCCM 2007 では標準でバックアップ機能があり、スケジュール設定を行う事で定期的に自動バックアップが可能です。またバックアップしたデータは製品同梱の ConfigMgr サイトの復旧ウィザード を使用して簡単に復旧することができます。
ConfigMgr サイトの復旧ウィザード は復旧サイトに上位または下位のサイトが存在する場合、サイト間の不整合も自動的に復旧することができます。 但し、SCCM 2007 のバックアップ機能は SCCM 2007 サイトに含まれるデータのみのバックアップとなるため、SCCM 2007 以外( OS や SQL Server )の破損には対応できません。 従って、 SCCM 2007 のバックアッププランは SCCM 2007 の機能によるバックアップを比較的頻繁に取得するのに併せ、システムのフルバックアップを取得する 2 重バックアップを推奨します。

SCCM サイトの保守の概要については以下のURLにてご確認ください。
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/bb693882.aspx

 

 

 

10. SCCM 2007 管理可能なクライアント台数と複数サイトの構成について教えてください

 

多くの場合、ネットワークの回線やActive Directory の構成から、クライアントや SCCM 2007 サイトのアクセス先と通信量からサイト構成を決定します。 クライアントは SCCM 2007 のサイト内単一の管理ポイントと常に通信を行ない、複数設置可能な配布ポイントからソフトウェアを受け取ります。 また、階層化された SCCM 2007 サイト環境ではサーバー間の通信も発生します。 このように 1:1 や 1:複数 の通信が発生するため、使用目的や運用方法に応じてサイト構成を設計する必要があります。
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SCCMのサイト構成に関するキャパシティ値については以下のURLにてご確認ください。
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/bb680869.aspx