SCOM 監視機能 “サービスレベルの追跡” のご紹介


日本マイクロソフト System Center Support Team の三島です。

今回は、SCOM 2007 R2の監視機能の一つ、"サービスレベルの追跡" をご紹介します。

"サービスレベルの追跡"は、運用中の分散アプリケーションや、それを構成するシステム等のリソースが常に利用可能であるか、また一定のレベルで運用されているかを監視するために用意された機能です。
また、この機能による監視結果をレポートを作成するための機能も付属しています。

以下では "サービスレベルの追跡" のシナリオ、設定方法、そしてレポート作成方法を紹介します。
よろしければこの機会に一度ご一読頂き、今後の運用にお役立て頂ければと思います。


サービスレベル追跡のシナリオ
==============================
管理者は、アプリケーションの運用レベルを規定するサービスレベルの目標 (SLO - Service Level Objectives) と、サービスレベルの監視を構成するモニタ、およびルールを設定する事ができます。
サービスレベル目標とは、具体的には、アプリケーションの稼働率目標(99% 以上)等を意味します。
"サービスレベルの追跡" には以下の 2 種類のシナリオがあります。

A.)アプリケーションへのサービスレベル追跡:

サービス レベル目標 (SLO) を定義して、アプリケーションの可用性とパフォーマンスの監視を行う事ができます。
- 例: 3 台のサーバーによってホストされている Webアプリケーション の可用性が 95 % 以上であり、パフォーマンス値の平均が 80 % 以上であるかどうかの監視。

B.)グループへのサービスレベル追跡:

サービス レベルの目標 (SLO) を定義して、コンピューターグループの可用性の監視を行う事ができます。
- 例:Exchange をホストする 4 台のサーバーの可用性が、99 % 以上であるかどうかの監視。


サービスレベル追跡の設定方法
==============================
先の項目でご案内しました 2 種類のシナリオごとに設定方法をご案内いたします。

A.) アプリケーションへのサービスレベル追跡の設定方法
-------------------
次の手順では、分散アプリケーションにおける可用性のサービス レベル目標を 99.9% アップタイム、またパフォーマンスのサービス レベル目標 80% 平均プロセッサタイムと定義し、
定義したサービス レベル目標をしきい値とするモニタ、およびパフォーマンス収集ルールを設定します。

1. SCOM 管理コンソールを開きます。
2. [作成] ペインを表示して、[管理パックオブジェクト] - [サービス レベルの追跡] と選択します。
3. [サービス レベルの追跡] 上で右クリックし、[作成] を選択します。
4. [サービス レベルの追跡] ダイアログ ボックスで、定義しようとしているサービス レベルの名前、また必要であれば説明を入力し、[次へ] を選択します。
※このシナリオでは、サービスレベルの名前に、"アプリケーション1.サービスレベル" と入力します。

5.[追跡するオブジェクト] ページの [対象クラス] の下で、[選択] ボタンをクリックします。
6. [対象クラスの選択] ダイアログ ボックスで、テキスト ボックス内の一覧から、[分散アプリケーション] など、監視ターゲットとなるサービスのクラスを選択します。

7. [スコープ (オプション)] で手順 6 で指定したクラス内のオブジェクトを指定します。
8. [管理パック] の下で、このサービス レベルを保存する管理パックを選択、または新規作成し、 [次へ] を選択します。

9. [サービス レベル目標] ページで、[追加] - [モニタ状態 SLO] と選択し、新しいモニタを作成します。※このモニタがアプリケーションの可用性を追跡、監視します。

10.[サービスレベルの目標 (モニタ状態)] ダイアログボックスで、アプリケーションの可用性を定義する、しきい値や追跡する状態を設定します。
10-1. [サービス レベル目標名] テキスト ボックスに、サービス レベル目標の名前を入力します。※今回の場合、"可用性" と入力します。
10-2. [対象クラス] を変更する場合には、[選択] をクリックし、[対象クラスの選択] ページよりモニタ状態 SLO の対象クラスを選択します。
10-3. [モニタ] ドロップダウンリストから、モニタの種類を選択します。
※このシナリオでは、"可用性" を選択します。
10-4. [サービス レベル目標 (%)] スピン ボックスを使用して、目標の測定値を出します。
※この手順では、"99.900"を選択します。
10-5. [この目標でダウンタイムとして数える状態を指定する:] のリストから、可用性を判断するためにダウンタイムとして換算するモニタの状態を設定します。

11. [サービスレベルの目標 (モニタ状態)] ダイアログボックス内の設定事項を確認し、[OK] を選択します。
12. [サービス レベル目標] ページで、[追加] - [収集ルール SLO] と選択し、新しい収集ルールを作成します。
※このルールがアプリケーションのパフォーマンスを追跡、監視します。

13. [サービスレベル目標 (収集ルール)] ダイアログボックスで、アプリケーションのパフォーマンスを定義する、収集ルール、およびしきい値を設定します。
13-1. [サービス レベル目標名] テキスト ボックスに、サービス レベル目標の名前を入力します。※今回の場合、"パフォーマンス" と入力します。
13-2. [対象クラス] を変更する場合には、[選択] をクリックし、[対象クラスの選択] ページよりルールの対象クラスを選択します。
※このシナリオでは、[Windows Server 2008 R2 Operating System] を選択します。

13-3. [パフォーマンス収集ルール] の下で、[選択] ボタンをクリックして [ルールの選択] ダイアログ ボックスを開き、使用するパフォーマンス収集ルールを指定します。
※このシナリオでは、[Processor % Processor Time Total 2008] を選択します。
※OS 管理パックを導入していない場合にはこのパフォーマンス収集ルールは表示されません。

13-4. [集計方法] から、手順 c で定めた値の集計方法を選択します。
※このシナリオでは、[平均] を選択します。

13-5. [サービス レベル目標 (%)] ドロップダウン リストを使用して、目標の測定値を設定します。
※このシナリオでは、[次の値よりも小さい]、および [80] を選択します。
※手順 13-4 と 13-5 の設定は、パフォーマンス目標が 平均 のプロセッサ時間が 80 % を超えないことを意味します。

14. [サービス レベル目標] ページで [次へ] をクリックします。
15.[概要] ページで設定を確認して、[完了] をクリックします。
16. [完了] ページが表示されたら、[閉じる] をクリックします。


B.) グループへのサービスレベル追跡の設定方法
-------------------
一例として、次の手順では、Active Directory を構成するサーバーグループに対して、可用性のサービスレベルの目標を 99.99% と定義し、定義したサービスレベルの目標をしきい値とするモニタを設定します。
※以下の手順をお試し頂く際には、事前に [作成] - [グループ] から、Active Directory をホストするサーバーのグル―プを作成して下さい。
このシナリオでは、グループ名を仮に "AD Group" とします。

1. SCOM 管理コンソールを起動します。
2. [作成] ペインを表示して、[管理パックオブジェクト] - [サービス レベルの追跡] と選択します。

3. [サービス レベルの追跡] 上で右クリックし、[作成] を選択します。
4. [サービスレベルの追跡] ダイアログ ボックスで、定義しようとしているサービス レベルの名前、および必要であれば説明を入力し、[次へ] を選択します。
※このシナリオでは、"Active Directory Servers のサービス レベル" と入力します。

5.[追跡するオブジェクト] ページの [対象クラス] の下で、[選択] ボタンをクリックします。
6. [対象クラスの選択] ダイアログ ボックスで、テキスト ボックス内の一覧から、サービス レベルのクラスを選択します。
※このシナリオでは、[Operations Manager 管理グループ] を選択します。

7. [スコープ (オプション)] の下で手順 6 で指定したクラス内のオブジェクトを指定します。
※ 既定では、[対象クラスのすべてのオブジェクト] が選択されています。

8. [管理パック]で、このサービス レベルを保存する管理パックを選択、または新規作成し [次へ] を選択します。

9. [サービス レベル目標] ページで、[追加] - [モニタ状態 SLO] と選択し、新しいモニタを作成します。※このモニタがコンピューターグループの可用性を追跡します。

10.[サービスレベルの目標 (モニタ状態)] ダイアログボックスで、コンピューターグループの可用性を定義する、しきい値や追跡する状態を設定します。
10-1. [サービス レベル目標名] テキスト ボックスに、サービス レベル目標の名前を入力します。
※今回の場合、"可用性" と入力します。

10-2. [対象クラス] を変更する場合には、[選択] をクリックし、[対象クラスの選択] ページよりモニタ状態 SLO の対象クラスを選択します。
※このシナリオでは、"AD Group" を選択します。

10-3. [モニタ] ドロップダウンリストから、目標を測るために使用する特定のモニタを選択します。
※このシナリオでは、"可用性" を選択します。

10-4. [サービス レベル目標 (%)] スピン ボックスを使用して、目標の測定値を出します。
※このシナリオでは、"99.990"を選択します。

10-5. [この目標でダウンタイムとして数える状態を指定する:] のリストから、可用性を判断するためにダウンタイムとして換算するモニタの状態を設定します。

11. [サービスレベルの目標 (モニタ状態)] ダイアログボックス内の設定事項を確認し、[OK] 選択します。
12. [サービス レベル目標] ページで [次へ] をクリックします。
13.[概要] ページで設定を確認して、[完了] をクリックします。
14. [完了] ページが表示されたら、[閉じる] をクリックします。


サービスレベル追跡のレポート作成
==============================
上記のシナリオ A.)で作成した "アプリケーション1.サービスレベル" のレポートを作成する手順は以下の通りです。

1. SCOM 管理コンソールを起動します。
2. 左下のペインから [レポート] を選択し、[Microsoft サービス レベル レポート ライブラリ] - [サービス レベル追跡の概要レポート] と選択します。
3. [サービス レベル追跡の概要レポート] 上で右クリックし、[開く] を選択します。
4. [サービス レベル] の [追加] をクリックし、開いた [サービス レベルの追加] 画面 から  "アプリケーション1.サービスレベル" を選択します。
5. [データ集計] および、[追加間隔] に設定を入力します。
6. [実行] をクリックします。
7. レポートが表示されることを確認します。


"サービスレベルの追跡" のご紹介は以上です。
この機会にぜひ一度 "サービスレベルの追跡" 監視機能をお試し頂ければと思います。

 

 

 

Comments (0)

Skip to main content