最新の Windows Server Operating System 管理パック (6.0.6958.0) に含まれる特定のルールおよびモニタによって CPU の使用率が高騰する問題について

日本マイクロソフト System Center Support Team の宮崎です。今回は最新の Windows Server Operating System 管理パックに含まれている特定のルールによって、監視対象の CPU 使用率が高騰する問題についてお知らせしたいと思います。最新の Windows Server Operating System 管理パックは、前バージョンから大幅に設計が変更されたことでいくつか問題が報告されていますが、その分色々な機能の改善も実施されています。既知の問題については本ブログにて早めに情報を発信していきたいと思いますので、是非とも適切に活用して頂ければと思います。

最新の Windows Server Operating System 管理パックには、ネットワーク アダプタの監視およびパフォーマンス収集のために、以下のルールとモニタが追加されました。対象の OS およびルール、モニタに関わらず名称は同一になっていますが、全部で 12 種類あります。また、最後が Total となっている名称のものだけが既定で有効化されており、それ以外は既定で無効化されています。

- Windows Server 2003 用のルール
Percent Bandwidth Used Total
Percent Bandwidth Used Read
Percent Bandwidth Used Write

- Windows Server 2008 用のルール
Percent Bandwidth Used Total
Percent Bandwidth Used Read
Percent Bandwidth Used Write

- Windows Server 2003 用のモニタ
Percent Bandwidth Used Total
Percent Bandwidth Used Read
Percent Bandwidth Used Write

- Windows Server 2008 用のモニタ
Percent Bandwidth Used Total
Percent Bandwidth Used Read
Percent Bandwidth Used Write

これらのルールおよびモニタは、すべて Microsoft.Windows.Server.NetwokAdapter.BandwidthUsed.ModuleType.vbs という名称のスクリプトを用いて必要となるパフォーマンスの値を取得します。このスクリプトが実行される際に WMIPrvse.exe プロセスの CPU 使用率が大幅に上昇することが報告されています。しかも、通常の場合には cookdown という仕組みによって共通のデータソースを利用する処理は一本化されるのですが、こちらの処理については共通化が動作しません。このため、監視が実行されるたびに監視対象の CPU 使用率が大きく上昇する結果となります。監視対象コンピューターの CPU 使用率が定期的に上昇するような場合には、この問題の発生を疑ってみてください。

こちらの問題については、上記のルールおよびモニタを無効化することで回避することができます。次期バージョン以降の管理パックにて修正を予定していますので、申し訳ありませんがもうしばらくお待ち頂ければと思います。

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