MSFC のノード上に SCVMM をインストールしてホストクラスターとして追加する場合の注意

こんにちは、日本マイクロソフト システムセンターサポートの染谷です。

今回は、フェールオーバー クラスターを構成するノードに System Center Virtual Machine Manager (SCVMM) をインストールし、ホストクラスターとして追加する場合の注意についてご紹介します。

SCVMM そのものはクラスター アプリケーションとして動作させることはできませんが、フェールオーバー クラスターのノード上にインストールして動作させることができます。
ところが、SCVMM をインストールし、自ノードが含まれるフェールオーバー クラスターを選択して、ホスト クラスターとして追加しようとすると、エラー 406 (*) が発生して追加できないことがあります。

 

このエラー 406 の発生原因の一つとしては、SCVMM がインストールされたノードが所有者となる「クラスター リソース」を持っている場合に発生します。
ノード上にインストールされた SCVMM から、自身が参加するホスト クラスターを追加しようとして エラー 406 に遭遇した場合、クラスター リソースの状況を確認してください。

管理者として実行したコマンド プロンプトから、CLUSTER RES コマンドを実行します。

上記のように、SCVMM がインストールされたノード a-nasome-hv1 が所有者となるクラスター リソースがあることがわかります。
MOVE オプションを使用して、SCVMM がインストールされたノード以外にクラスター リソースを移動します。

CLUSTER GROUP "<グループ名>" /MOVE:<移動先のノード名>

今回のケースでは、クラスター グループのリソースおよび高可用性マシン vm01 のリソースを所有していますので、それぞれを別のノードに移動します。

クラスター リソースの移動が完了しました。
改めて CLUSTER RES を実行してリソースの所有状況を確認してみます。

すべてのクラスター リソースが SCVMM がインストールされていないノード (a-nasome-hv2) にあることが確認できます。
この状態で、改めて SCVMM 管理コンソールからホスト クラスターを追加してみます。

今度はエラーが発生することなく、正常にフェールオーバー クラスターを追加することができました。
フェールオーバー クラスターのノード上に SCVMM をインストールしたものの、ホスト クラスターとして追加しようとするとエラー 406 が発生する場合には、SCVMM をインストールしたノードが対象となるホスト クラスターのクラスター リソースを所有していないかどうかを確認してみてください。

なお、エラー 406 そのものは、実際に権限がない場合や、WinRM の構成が正しくない場合、ファイアウォールにより通信がブロックされている場合などでも発生します。
フェールオーバー クラスターではないにも関わらず、ホストの追加に失敗する場合には、他に原因がないかどうかもご確認ください。

 

* エラーメッセージの内容

サーバー <MSFC の FQDN 名> への接続中にアクセスが拒否されました。

1. 指定されたユーザー アカウントに<MSFC の FQDN 名> での管理者特権があることを確認してください。
2. Administrators グループについて、DCOM のアクセス、起動、およびアクティブ化のアクセス許可が <MSFC の FQDN 名> で有効であることを確認してください。dcomcnfg.exe を使用してアクセス許可を変更し、操作を再試行してください。

ID: 406

 

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