DPM 2010 による Hyper-V 2.0 CSV 環境での仮想マシンのリストア


こんにちは、System Center サポート部の濱中です。

これまで、数回にわたりHyper-V CSV 環境を DPM 2010 でバックアップする際の手順をご紹介しておりましたが、今回はバックアップされた仮想マシン(VM) をリストアする手順をご紹介いたします。

前のポストはこちらです ↓
http://blogs.technet.com/b/systemcenterjp/archive/tags/hyper_2d00_v/

また、こちらの記事もご参照ください。

Q&A. Hyper-V バックアップ (オンライン バックアップ、オフライン バックアップ、DPM へのデータの転送) の方法を教えてください。
http://technet.microsoft.com/ja-jp/systemcenter/dm/gg675302

Q&A. Live Migration 環境バックアップの考慮事項と事前設定手順を教えてください。
http://technet.microsoft.com/ja-jp/systemcenter/dm/gg675329


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前提としている保護環境について

ご説明を始めるにあたって、今回の前提条件として想定している保護環境についてご説明いたします。

弊社では、CSV のバックアップに加え、Hyper-V ホストに対しての BMR によるバックアップをご実施頂くことを、ベストプラクティスとしてお勧めいたしております。

BMR によるリストアを実施することにより、Hyper-V ホスト OS 側の障害発生時にホスト サーバーをスムーズに復旧することが可能です。これにより、ホストサーバーは回復ポイントの作成時点でシャットダウンした場合と同様の状態に復旧し、その後のCSV のリストアが容易になります。Hyper-V ホストまでを含めた Live Migration 環境全体の障害対策として、是非ともご検討下さいますようお願いいたします。

1. Hyper-V ホストのBMR (各Node 分)
2. CSV 上の仮想マシン (VM)

 

ここで、CSV 上のデータはVMのみが保護の対象となることにご注意ください。これは、そもそも CSV 上に Hyper-V 以外のアプリケーション用のファイルを保存することがサポートされていないための制限となっております。つまり、CSV のマウントポイント "C:\ClusterStorage\Volume1” にチェックボックスが現れますが、実際には、当該ファイル配下のファイルやディレクトリは何もバックアップされません。CSV の VM のデータは、CSV 側の VM (Backup Using Child Partition Snapshot や Backup Using Saved State\VM名) を選択し、行って下さい。

技術情報 : Hyper-V でのクラスターの共有ボリュームのサポート
http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/dd630633(WS.10).aspx


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リストア方法について

以下の内容は、Hyper-V ホスト復旧後の、CSV上の VM をリストアする手順に関するご説明となります。

[DPM 2010 管理者コンソール] の [回復] タブの画面から、任意の回復ポイントを選択することでリストアを行うことができます。また、VM 単位でのリストアが可能である他、DPM サーバーに Hyper-V サーバーとしての役割がインストールされている場合は、さらに、VM 内のアイテムレベルでのリストアも可能となります。

DPM は次の 4 つのリストア方法をサポートしています。

方法 1. 元のインスタンスに回復する
方法 2. 仮想マシンとして任意のホストに回復します
方法 3. ネットワークフォルダーにコピーする
方法 4. テープにコピーする

今回のブログでは、上記の内、”4. テープにコピーする” を除いた 3 通りのリストア方法についてお話しいたします。方法 1. 2. では、VM としてのリストアが行われますが、方法 3 は VM を構成するファイルだけがリストアされ 、VM 自体は再構成を行う必要があります。また、方法 2. では、リストア後に、高可用性の再設定を行う必要があります。VM の再構成や高可用性の設定の方法については、補足1. VMの再構成について をご参照ください。

CSV 環境におきましては、Hyper-V 内部状況によっては、VM としてのリストアが失敗してトラブルシュートが必要となった事例が報告されております。このような状況を避けるため、リカバリープランとして方法 3. へのご用意をお願いいたします。

具体的には、ネットワーク情報などの VM としての設定情報を、別に記録して保存しておくことなどが挙げられます。また、Hyper-V の スナップショット機能を用いて作成された差分情報 (AVHD ファイル) は、方法 3 にて VM として再構成した際には使用できなくなるため、DPM にて保護されているVM に対しては、スナップショットの利用を行わないことをお勧めいたします。


方法
1. 元のインスタンスに回復する

上書きリストアによる復旧が行われます。
ただし、元の VM が同じロケーションに存在している必要があります。また、その時点で存在している VM は上書きされてしまいますので注意が必要です。既に元の VM が消去されている場合、ID: 32579 のエラーが発生してリストアは失敗します。これは、下記技術情報に記載の制限によるものとなっております。

技術情報: Hyper-V 仮想マシンの回復
http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ff399251.aspx

--------    抜粋      --------

回復を行うには、リソース グループが存在している必要があります。

--------  抜粋終了  --------

このような場合の対応として、リストア対象の VM と全く同じ構成でダミーの VM を作成し、フェールオーバークラスターマネージャーから高可用性の設定を行うことで、リストアが実行可能であることを確認しておりますが、ダミーに加えて二重に VM が作成されてしまうようです。この場合、リストア後に、ダミーの VM の高可用性を解除した後で削除を行い、リストアされた VM に対して、改めて高可用性の設定を実施するなど、実質的に方法 2. 以上の作業量となる可能性があります。また、存在するマシン名が同じであるため、非常にミスが発生し易い作業内容となります。

従いまして、元の VM が完全な形で存在する場合に、以前の VM の回復ポイントの状態にリストアしたい場合には、当該オプションにてリストアを行っていただき、元の VM がリソースごと消失するなどの障害の場合には、方法 2 のオプションにて、バックアップ取得元のホストを選択してリストアいただく方法が安定します。


方法 2. 仮想マシンとして任意のホストに回復します

任意のサーバー上に VM としてリストアが行われます。

リストア直後は高可用性マシンとしての設定はされておりませんので、再度、フェールオーバークラスターマネージャーから高可用性マシンとしての設定が必要です。また、リストア先のHyper-V ホストにはDPM エージェントがインストールされている必要があります。リストア後、VM を構成するファイルを他のパスへ移動することはサポートされておりませんので、最終的にご使用予定の CSV 上のロケーションにリストアして下さい。

リストア後、最初の起動がうまくいかない場合、VM のフォルダー内に存在するVSV ファイルや BIN ファイルを消去することにより改善するケースが報告されています。これらのファイルは起動時に再作成されます。

この原因としては、VSV ファイルやBIN ファイルがバックアップ時の VM の保存状況を記録するファイルであるため、リストア先のノードがバックアップ時と異なるなどの要因により正常に起動しない可能性などが考えられます。これらのファイルを削除した場合、VM をダーティシャットダウンした後の再起動と同じ状態となる場合もございますが、VM をオンラインバックアップしている場合には VHD ファイルのデータの整合性は保障されます。AVHD、VSV、BIN といったファイルの詳細につきましては、後述の補足をご参照ください。

また、この方法による、別のホストマシンに対しての VM のリストアの場合も、Hyper-V のスナップショットがあると起動出来ないパターンがあります。
これは、スナップショットごとに、ホストマシンのアーキテクチャ依存の情報が含まれるためです。同じ型番のサーバー以外の Hyper-V ホストへの VM のリストアを検討している場合、事前に十分にテストを行っていただきますようお願いいたします。

もし、Hyper-V のスナップショットを作成した VM の起動に失敗する場合、スナップショットは使用しない運用として下さい。つまり、Hyper-V スナップショットは作成せずに運用し、以前の VM の状態に戻す際には DPM からの回復ポイントから、方法 1 もしくは、方法2.でリストアするという運用です。これにより、もし、何らかの理由で、方法 3 にてリストアせざるをえない場合にも、VM の VHD の全データが保証されます。

 
方法 3. ネットワークフォルダーにコピーする

VHD ファイルとしてリストアが行われます。リストア後 VM として再構成します。

DPM エージェントがインストールされている任意のサーバーの任意のフォルダーにリストアして下さい。リストア後、フェールオーバークラスターマネージャーから、リストアされたフォルダー内の VHD を使用して高可用性のVMとして再構成を行ってください。その際にはVM の設定情報などを手動で再設定する必要があります。このため、あらかじめネットワーク情報などの VM としての設定情報を別に記録して保存しておくことをお勧めいたします。
また、Hyper-V の スナップショット機能を用いて作成された差分情報 (AVHD ファイル) は、VM として再構成した際には使用できなくなるため、DPM にて保護されているVM に対しては、スナップショットの利用を行わないことをお勧めいたします。

方法 1. 2. に比べ確実に復旧できるため、これらの方法によるリストアが失敗した場合のリカバリープランとしてのご活用をお勧めいたします。

 

- 補足

補足1. VMの再構成について

リストアしたVHDを元にフェイルオーバー クラスター マネージャから、高可用性のVM として再構成することが可能です(補足1-1.VM の再構成)。また、既に Hyper-V ホスト上に VM が存在しているとき、フェイルオーバー クラスター マネージャから高可用性の設定を実施することが可能です(補足1-2. 高可用性の再設定)。

補足1-1.VM の再構成

リストアしたVHDを元にフェイルオーバー クラスター マネージャから、VM を再構成することが可能です。

1. [フェイルオーバー クラスター マネージャ] を開き、[サービスとアプリケーション] を選択します。
2. 右側ペイン上の [操作]-[仮想マシン] から、[仮想マシンの新規作成] にて、任意のノードを選択します。
3. [仮想マシンの新規作成ウィザード] において順次設定を行い、[ハードディスクの接続] 画面から、[既存の仮想ハードディスクを使用する] にチェックを入れ、リストアしたVHD を選択します。

補足1-2. 高可用性の再設定

既に Hyper-V 上に VM が存在しているとき、フェイルオーバークラスター マネージャから高可用性の設定を実施することが可能です。

1. [フェイルオーバー クラスター マネージャ] を開き、[サービスまたはアプリケーションの構成] をクリックします。
2. [高可用性ウィザード] において、[サービスまたはアプリケーションの選択] 画面から [仮想マシン] を選択してください。
3. [仮想マシンの選択] 画面にて、高可用性の設定を行いたいVM にチェックを付けてください。

 
補足2. VMのフォルダー内に存在するファイルについて

VM のフォルダー内に存在する以下の各ファイルの概要をご説明いたします。

VHD ファイル:
VM のハードディスクとして使用されるファイルです。 

AVHD ファイル:
Hyper-V の スナップショット機能を用いて作成された差分情報を管理するファイルです。リストア後、VM として再構成した際に親VHD と統合できなかった場合、VMはHyper-V のスナップショット機能を使用する直前の状態に戻ってしまいます。DPM にて保護されているVM に対しては、スナップショットの利用を行わないことをお勧めいたします。

構成 XML ファイル:
VM の構成を管理するファイルです。このファイルにはサイズに関連する制限や定義はなく、サイズは不定となります。しかしながら、通常では 20Kbyte 程度の小さなファイルです。CSV 消失時など、VM が消滅した場合、DPM からの VHD のバックアップを元にVM を再構成することで当該 XML は再作成されます。

VSV ファイル:
VM の保存状態を管理するファイルです。VM が起動された状態において20 Mbyte のサイズを持ちます。VM を保存状態 (saved state) に変更すると、保存すべき情報量に応じてサイズが変化します。こちらは、VM をオンライン・バックアップする際にはバックアップする必要が無いファイルであり、VHD を元にVM を再作成する際に応じて、VSV ファイルも自動的に再作成されます。 

BIN ファイル:
VM の物理メモリ イメージを保存するファイルです。 VM が起動された状態において、その VM に割り当てられた物理メモリ容量のサイズを持ちます。VM を保存状態 (saved state) に変更すると、保存すべき情報量に応じてサイズが変化します。こちらも、VM をオンライン・バックアップする際にはバックアップする必要が無いファイルであり、VHD を元に VM を再作成する際に応じて、BIN ファイルも自動的に再作成されます。

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