SCOM 2007 R2 Cumulative Update 1 のリリースについて

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2010/02/04 ACS 用のアップデートの適用に失敗する問題について追記いたしました。
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マイクロソフト株式会社マネージャビリティサポートチームの 盛 です。

System Center Operations Manager 2007 R2 Cumulative Update 1 の日本語版がリリースされました。

以下のサイトからダウンロードすることができます。

"Cumulative Update 1 for System Center Operations Manager 2007 R2 (KB974144) - 日本語"

https://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyID=05d30779-2ddc-48dc-aa91-a23167ee2cad&displaylang=ja

リリースノートは以下のサポート技術情報で確認できます。

"System Center Operations Manager 2007 R2 の累積的な更新 1 のリリース ノート"

https://support.microsoft.com/kb/974144

本ブログ記事では、この累積的なアップデートのについて説明します。

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- 累積的なアップデートに含まれる更新

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この累積的なアップデートには、以下の更新が含まれています。

n 言語パックをインストールすると、[製品ナレッジ]タブが[組織ナレッジ]として表示されてしまう。

n Windows クラスタ ノードから、エージェントが削除できない。

n Windows クラスタのパッシブ ノード上で動作する "Heathservice.exe" により、CPU の使用率が高くなる。

n OLE DB モジュールを使用すると "Heathservice.exe" プロセスがクラッシュする場合がある。

n OLE DB データソースを使用するワークフローにて、下層のプロバイダが NULL もしくは空文字を返すとワークフローがアンロードされる。

n MonitoringHost.exe のインスタンスが、ノンページ領域におけるメモリ リークを引き起こす場合がある。

n "CustomeField" と "AlertOwner" フィールドを使用する通知のサブスクリプションが動作しない。

n 管理コンソールにて検索フィルタを設定すると、選択していたオブジェクトの位置が失われ、選択位置が先頭に戻る。

n SQL Reporting Services 2005 を SQL Reporting Services 2008 にアップグレードした場合、SRSUpgradeTool.exe プロセスにて "Failed while updating registry entry for reporting code MSI component" というエラーが発生する。

n 管理コンソールのアラート表示にて、"コネクタ" と "転送状態" カラムを表示させると、管理コンソールがクラッシュすることがある。

n エージェントが旧いWindows イベント ログ エントリを処理し、誤った内容のアラートを発生させることがある。

n その他、ヘルス ステートの安定性に関する修正と機能強化

n ACS コレクタのオペレーティング システムを Windows 2008 R2 にアップグレードすると、Operations Manager Audit Collection Service (ADTServer.exe) サービスが起動しない。

n エクスポートしたパフォーマンス レポートに、オブジェクト インスタンスの一覧が表示されない。

この他、サポート技術情報 KB974722 "Support for Windows Server 2008 R2 and Windows 7 in System Center Operations Manager 2007" にて説明されている不具合の修正が含まれています。

n ルート管理サーバーを Windows Server 2008 R2 にアップグレードすると、Operations Manager のサービスが意図せず停止する。(KB974144)

n ルート管理サーバーを Windows Server 2008 R2 にアップグレードすると、Operations Manager 監査コレクションサービス(ADTServer.exe) が起動しない。(KB974144)

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- 累積的なアップデートを適用する必要のある SCOM の役割

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この累積的なアップデートは、以下の役割をインストールしているサーバーに適用する必要があります。

a. ルート管理サーバー、管理サーバー、ゲートウェイサーバー

b. 管理コンソール

c. Web コンソール サーバー

d. SCOM エージェント(手動インストール)

e. 監査コレクションサーバー

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- 累積的なアップデートに含まれているツール

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このアップデート パッチには、以下のツールも含まれています。

a. SRSUpgradeTool.exe

SCOM レポーティング サービスの稼働している SQL Server 2005 を SQL Server 2008 にアップグレードする際に利用するツールです。

b. 更新版データウェアハウス管理パック

データウェアハウス管理パックの最新版です。

手動でインポートする必要があります。

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- [重要] 累積的なアップデートのインストール後に行う作業

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累積的なアップデートのインストール後に、手動で行う作業があります。

以下、手順を紹介します。

1. ルート管理サーバーにて、データウェアハウス管理パックの最新版をインポートします。

Operations Manager 管理コンソールを使用してインポートします。

データウェアハウス管理パックの最新版は、既定では、"C:\Program Files\System Center 2007 R2 Hotfix Utility\KB974144\ManagementPacks" にあります。

x64 マシンの場合は、"C:\Program Files (x86)\System Center 2007 R2 Hotfix Utility\KB974144\ManagementPacks" にあります。

ファイル名は "Microsoft.SystemCenter.DataWarehouse.Report.Library.mp"、

レポート名は "Microsoft Generic Report Library"、

バージョンは "6.1.7221.13" となります。

2. "DiscoveryEntitySProcs.sql" を、SQL サーバーにコピーします。

既定では、"C:\Program Files\System Center 2007 R2 Hotfix Utility\KB974144\SQLUpdate" にあります。

x64 マシンの場合は、"C:\Program Files (x86)\System Center 2007 R2 Hotfix Utility\KB974144\SQLUpdate" にあります。

3. ルート管理サーバーにて以下のサービスを停止します。

"System Center Management "

"System Center Management Configuration "

"System Center Data Access "

4. SQL サーバーに、データベース所有者 (dbo) 権限を持つユーザーでログオンします。

5. "SQL Server Management Studio" を起動し、データベースインスタンスに接続します。

6. ツールバーの "新しいクエリ" をクリックします。

7. ツールバーの、"master" と表示されているドロップダウンリストにて、Operations Manager のデータベースを指定します。

既定では "OperasionsManager" という名前です。

スクリプトはここで指定したデータベースに対して実行されます。

8. メニューバーにて "ファイル" -> "開く" -> "ファイル..." の順にクリックし、コピーした "DiscoveryEntitySProcs.sql" を開きます。

9. 7. にて指定した Operations Manager データベースが正しいことを確認してから、 "実行(X)" をクリックします。

このスクリプトを、Operations Manager 以外のデータベースに対して実行すると、予期しない結果を招きますので、注意してください。

特に、データベースに複数の Operations Manager データベースが存在する場合は、選択したデータベースが正しいことを再度御確認下さい。

10. 実行後、"メッセージ" 欄にエラーが表示されていないことを確認します。

11. "SQL Server Management Studio" を終了します。

12. ルート管理サーバーにて以下のサービスを開始します。

"System Center Management service"

"System Center Management Configuration service"

"System Center Data Access service"

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- [重要] クラスタ化されたルート管理サーバーに関する注意事項

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ルート管理サーバーがクラスタ化されている場合、インストールには特殊な手順が必要です。

注意しなければならない点は以下の通りです。

n 適用を行うノードはパッシブ状態である必要があります。

n インストール後に変更された設定を修正する必要があります。

n サービスを停止するには、"クラスタ アドミニストレーター" にて、リソースをオフラインにします。

具体的な適用手順は以下の通りです。

1. パッシブ ノードにインストールします (以後 Node2 と記述します)。

2. "HealthService" サービスの起動に失敗した旨が表示されたら、"OK" をクリックします。

3. インストールされたファイルのバージョンが、サポート技術情報 KB974144 (リリースノート) に記載された DLL のバージョンと一致することを確認します。

4. "System Center Data Access" "System Center Management Configuration" サービスが起動しているので、これらを停止します。

5. 管理ツールの "サービス" を開き、以下のサービスのスタートアップの種類が "自動" となっている場合、"手動" に変更します。

"System Center Data Access"

"System Center Management Configuration"

"System Center Management"

6. 稼働中のルート管理サーバー のクラスタ リソースを Node2 に移動します(稼働していたノードを以後 Node1 とします)。

7. Node1(パッシブノードとなります) に、アップデート パッチを適用します。

上記手順にてすべてのノードに対して累積的なアップデートを適用します。

適用後、SQL サーバー上で "DiscoveryEntitySProcs.sql" を実行し、ストアド プロシージャを更新します。

前述「[重要] 累積的なアップデートのインストール後に行う作業」の手順を実施する際、サービスを停止する時には、"クラスタ アドミニストレーター" ですべての Operations Manager リソースをオフラインにします。

サービスを再開するときには、すべての Operations Manager リソースをオンラインにします。

以上となります。

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追記:
Audit Collection Manager に対して 本パッチを適用する際、インストールに失敗する場合があります。
パッチの適用前に、「Operations Manager Audit Collection Service」 を停止することで、正常に適用することが可能です。

この問題が発生した場合、"管理ツール"->"サービス" 管理コンソールを起動し、「Operations Manager Audit Collection Service」 サービスを停止した後に、再度インストールを実施してください。
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