InfoPath 2013 と SharePoint Designer 2013 の Office 2016 や他製品との互換性について

こんにちは SharePoint サポートの森 健吾 (kenmori) です。

導入

InfoPath 2013 や SharePoint Designer 2013 は、Office 2016 に含まれることなく、デスクトップ クライアント アプリケーションとしては最後のバージョンとなりました。サポート ライフサイクルの観点では 2026 年までサポートされます。

また、InfoPath Forms Services も SharePoint Server 2016 のサポート ライフサイクルによって 2026 年までサポートされます。SharePoint Online における InfoPath Forms Services も本日 2016 年 12 月 16 日のところは削除の予定はなく、告知があるまでは使用できることになっています。

しかし、Office 2016 がリリースされ、InfoPath 2013 や SharePoint Designer 2013 とのバージョン不一致からいくつかの問題があることがお問い合わせとして上がっています。

そのうち、よくあるお問い合わせを本ブログでまとめさせていただきます。

 

InfoPath 2013 について

1. データ接続 - メール送信について

InfoPath のデータ接続、データ送信機能には電子メールを送信する機能があります。この際に Outlook がインストールされている環境では、下記のダイアログを表示して Outlook からメールを送信する動作となります。

compat201601

この機能に関する注意点として、InfoPath 2013 が Outlook 2016 に正式に対応したバージョンは InfoPath 2013 の 2014 年 12 月の更新プログラム以降となります。InfoPath 2013 Service Pack 1 (2014 年 2 月時点) では対応していませんので必ずそれ以降のパッチを適用ください。最新版にアップデートすることをお勧めします。

パッチを適用していない状況ですと Outlook の送信ウィンドウが起動したり、エラーになる動作になります。

タイトル : Hotfix KB2883034 for InfoPath 2013 December 9, 2014 (Ipeditor-x-none.msp)
アドレス : https://support.microsoft.com/en-us/kb/2883034
機械翻訳 : https://support.microsoft.com/ja-jp/kb/2883034

 Users can submit data to email messages when they install InfoPath 2013 side by side with future versions of Microsoft Office.

なお、上記データ接続の動作は、データ接続および VSTA 経由のいずれで呼び出したとしても同じ動作で、正常動作のためにはパッチ適用が前提です。

 

2. Outlook からのワークフロー タスクを開く動作について

Outlook が InfoPath (IPEDITOR.DLL) をロードして、モーダル ダイアログ上にクライアント フォームをロードし、承認操作を行わせる機能がありました。

compat201602

Outlook 2016 からは、ブラウザー (InfoPath Forms Services) でフォームが開く動作に変わります。

 

3. Visual Studio Tools for Application について

InfoPath 2013 が対応している Visual Studio Tools for Application (VSTA) のバージョンは 2012 のみとなります。

タイトル : Microsoft Visual Studio Tools for Applications 2012
アドレス : https://www.microsoft.com/ja-JP/download/details.aspx?id=38807

VSTA には 2012, 2013, 2015 などと上位のバージョンが存在しますが、InfoPath 2013 が対応しているのは 2012 のみです。

 

SharePoint Designer 2013 について

SharePoint ワークフローのビジュアライゼーションの生成 (*1) と、SharePoint 2013 形式ワークフローのインポート・エクスポート (*.vsdx) (*2) を実施する場合は、現時点 (2016 年 12 月 16 日) のところ Visio 2013 Pro が必要になります。

当初は Visio Pro のバージョンを限定しておりませんでしたが、SharePoint Designer 2013 の 2015 年 8 月の修正プログラムから、将来のバージョン (Visio 2016 Pro を含む) に対応しないよう制限が加わっております。

タイトル : August 11, 2015, update for SharePoint Designer 2013 (KB3039732)
アドレス : https://support.microsoft.com/en-us/kb/3039732 機械翻訳 : https://support.microsoft.com/ja-jp/kb/3039732

 SharePoint Designer 2013 still tries to run the Visual Designer function on a computer that does not have Visio 2013 installed.

(*1) ワークフロー ビジュアライゼーションの生成

SharePoint Designer 2013 は Visio Pro 2013 を操作して、ワークフロー発行時にワークフローを可視化するビジュアル デザイナーを生成します。
下記のイメージは、ワークフローの状態画面に表示されます。

compat201606

Visio 2013 Pro がインストールされていない環境では、上記のイメージが生成されません。このことは、SharePoint Designer 2013 のワークフロー発行時に下記のように通知されます。

compat201605

エラー メッセージ

 必要な Visio コンポーネントがインストールされていないため、このワークフローには資格エフェクトが作成されません。発行するには、[OK] をクリックしてください。

 

(*2) SharePoint 2013 形式ワークフローのインポート・エクスポート

SharePoint Designer 2013 は、Visio Pro 2013 を操作して、SharePoint 2013 形式ワークフローのインポート・エクスポートを行います。

compat201604

InfoPath 2013 と同様に、SharePoint Designer 2013 の Service Pack 1 (2014 年 2 月リリース) だけでは Office 2016 の動作を考慮できておりません。

上記のパッチを当てない状況では一部動作することもありますが、弊社としては最新版にアップデートすることをお勧めします。

 

2019.1.8 追記 : SharePoint Designer と InfoPath は、現在の SharePoint Online ならびに SharePoint Server 2019 において非推奨とされました。

タイトル : SharePoint Server 2019 で非推奨になった機能と削除された機能
アドレス : /ja-jp/sharepoint/what-s-new/what-s-deprecated-or-removed-from-sharepoint-server-2019

 

以上です。