SharePoint Server の更新プログラムの適用方法について


こんにちは、SharePoint サポートの川添です。

SharePoint には、Service Pack や Cumulative Update、Public Update 等の各種の更新プログラムの種類があります。いずれの更新プログラムにおいても、基本的な適用方法は同じですので、今回の投稿の中で、SharePoint Server の更新プログラムの適用方法について説明します。

更新プログラムの詳細については、以下のブログ記事にて詳細に解説してありますので、併せてご参照ください。
SharePoint 修正プログラム詳解 (SharePoint patching demystified)

 

更新プログラム適用の概要
SharePoint の更新プログラムの適用手順は、1). 更新モジュールの適用、2). データベース スキーマの更新、ファイルシステム上のセキュリティ設定、必要なバイナリ― ファイルの再配置、フィーチャーの更新等の 2 ステップから更新されます。TechNet の記事にも更新プログラムの適用はバイナリファイルのインストールと、サーバー側でのアップグレードの 2 つを実施する必要がある点について記載されています。この 2 つ目のステップを実施するのが、構成ウィザードになります。そのため、更新プログラムの適用を完全に完了するには、上記 2 つのステップを完了する必要があります。

 

ポイント

CU適用の基本的な流れは以下になります。 ①CUインストールによるバイナリの更新 => ②構成ウィザードの実施によるデータベーススキーマ更新 このうち②には時間がかかる場合があるため取り急ぎ①まで先に実施した後②の実施を先延ばしにすることもできます。

 

補足 : この構成ウィザードを実施するサーバー側の更新ステップでは、環境により時間がかかる場合があります。そのため、SharePoint 2010 以降では、ステップ 1 となる、更新モジュールの適用を完了した後、システムの運用上の要件、制約により、構成ウィザードを実施するまでの間の期間を置くことができようになりました。これは、下位互換性 (Compatibility Range) がサポートされるようになったためです。この期間は、設定があるわけではありませんが、合理的な期間 (数日 - 数週間程度) を想定しており、そのまま運用を続けることを想定しているものではありません。また、この下位互換性は高いレベルでの互換性をサポートしていますが、データベーススキーマのアップデートを必要とする更新プログラムもあるため、上記の運用を行う場合には、テスト環境を利用しての事前の確認が必要です。例でいうと、SharePoint 2013 の 2015 年 7 月リリースの CU はデータベーススキーマの変更を伴っているため、構成ウィザードを完了しない場合、クロールが正常に動作しなくなる可能性があります。

 

ポイント
CU
インストール後、構成ウィザードを実施しないまま長期間運用することは避けましょう。
また、CUによってはCUインストール後構成ウィザードを実施せず運用した場合に問題が発生するケースがありますのでCUのダウンロードサイトやサポート技術情報、本ブログ等を注意深く確認いただくことをお勧めします。

更新プログラムの適用手順

それでは、以下に更新プログラムの一般的な適用手順を記載します。ここでは、例として SharePoint 2016 の 2016 年 4 月の更新プログラムを使用します。ダウンロードする修正プログラムや URL については、実際に適用する更新プログラムと置き換えてください。

1. 更新プログラムの一覧
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適用いただく更新プログラムの一覧は、適用順に以下となります。

・ April 12, 2016, update for SharePoint Server 2016 (KB2920721)

2. 更新プログラムの入手方法
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以下のダウンロード サイトより入手いただけます。

タイトル:Microsoft SharePoint Enterprise Server 2016 (KB2920721) の更新プログラ
URL :https://www.microsoft.com/ja-JP/download/details.aspx?id=51701

ダウンロードするファイルの一覧

・sts2016-kb2920721-fullfile-x64-glb.exe

3. 更新プログラムの適用手順
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以下に、更新プログラムの一般的な適用手順をご案内いたします。
なお、入手いただいた更新プログラムのファイル (例 : .exe、.cab ファイル) は、更新プログラムの種類ごとに全て同じディレクトリに展開及び配置したうえで、適用をご実施ください。

1) サービス 管理コンソール (services.msc) から、すべての Web サーバー上の World Wide Web 発行サービス (W3SVC) を停止して、サーバー ファームからユーザーを切断します。

2) サーバー ファーム内のすべての SharePoint サーバーに、更新プログラムをインストールします。
各更新プログラムのインストール後に SharePoint 製品構成ウィザードが起動した場合には [キャンセル] をクリックし、すべてのサーバーに更新プログラムの適用が完了するまで構成ウィザードを開始しないでください。
インストールを実施するサーバーの順番には特に指定はありません。

注1:インストール時に実行中のアプリケーションを閉じる必要があることを示すダイアログが表示された場合には、「セットアップの完了後、自動的にアプリケーションを閉じて再起動する」を選択して [OK] をクリックします。
注2:更新されるモジュールの実行状況によってはサーバーの再起動を求められる場合がありますので、その場合はサーバーを再起動してください。

3) すべての更新プログラムの適用が完了したら、各 SharePoint サーバーにおいて以下の手順で SharePoint 製品構成ウィザードを実行します。
SharePoint 製品構成ウィザードにつきましては、サーバーの全体管理 Web サイトをホストするアプリケーション サーバー、他のアプリケーション サーバー、フロントエンド Web サーバーの順に実施することをお勧めします。

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SharePoint 2016 に対する補足 : SharePoint 2016 では、各サーバーの役割がより細分化されており、Front End, Application, Distributed Cache, Search, Custom, Single Server Farm が存在します。SharePoint 2016 での SharePoint 製品構成ウィザードを実施する際は、サーバーの全体管理 Web サイトをホストするアプリケーション サーバー、他のアプリケーション サーバー (アプリケーション、分散キャッシュ、検索、カスタム)、フロントエンド サーバーの順に実施することをお勧めします。
補足 : サーバーの全体管理サイトにアクセスし、システム設定 - サーバーのサービス画面より、各サーバーの役割を確認することができます。
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3-1) [スタート] 画面から [SharePoint 2016 製品構成ウィザード] をクリックします。
3-2) 構成ウィザードの [SharePoint 製品へようこそ] ページで [次へ] をクリックします。
3-3) 構成中に一部のサービスの再起動が必要になる可能性があることを通知するダイアログ ボックスで [はい] をクリックします。
3-4) [SharePoint 製品構成ウィザードの終了] ページで [次へ] をクリックします。

4) サーバー ファーム内のすべてのサーバーで SharePoint 製品構成ウィザードが完了したら、サービス 管理コンソール (services.msc) から、World Wide Web 公開サービスを手動で開始して、ユーザーが Web サーバーを使用できるようにします。
補足:構成ウィザード実行後、既に World Wide Web 公開サービスが自動的に開始されている場合は、本手順は不要です。

5) 更新プログラムが正常に適用された環境では、サーバーの全体管理サイトの [このファームのサーバーの管理] で構成データベースのバージョンが 16.0.4327.1000 になります。

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SharePoint 2016 に対する補足 : SharePoint 2016 では、更新プログラムを適用しても、構成データベースのバージョンが更新されないことがあります。コントロールパネルのインストールされた更新プログラムより、KB2920721 がインストールされていることを確認してください。
また、MVP の方で、モジュールに対するバージョンをリストするスクリプトを公開されていますので、それを利用して情報を出力することもできます。(作者の Trevor Seward さんより掲載の許可をいただいています)
SharePoint Server 2016 Patch Build Numbers Module
GitHub はこちらです。
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4. 更新プログラムの注意事項
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更新プログラムの適用にあたり、以下の注意事項をご確認ください。

1) 更新プログラムは個別にアンインストールできません。
2) 更新プログラム適用する前に、システムおよび SharePoint の完全なバックアップを実施することを強く推奨いたします。カスタマイズや設定変更に関して、\Program Files\Common Files\Microsoft Shared\web server extensions\ フォルダ下のファイルを直接変更されている場合や、SharePoint に関連するレジストリ、データベースの権限を変更されている場合など、更新プログラムの適用によりこれらが既定のファイルや設定に置き換わる場合があります。このため、変更を行ったファイルやレジストリ、データベースの権限など、カスタマイズや設定変更に関するバックアップも取得ください。
3) カスタム Web パーツやワークフローなどのソリューションを独自に開発して SharePoint 製品とテクノロジに組み込まれている場合には、カスタマイズの内容が更新プログラムの適用に伴う動作変更および更新の影響を受ける可能性がありますので、事前に検証環境において動作検証を行っていただくことをお奨めします。

 

SharePoint 2016 特有の構成やアップグレードプロセス等についての話は、別の記事にて紹介したいと思います。

 

参考情報
SharePoint Server 2016 のソフトウェア更新の概要
ソフトウェア更新プログラムをインストールする (SharePoint Server 2016)
SharePoint Updates

その他のバージョン :
ソフトウェア更新プログラムのインストール (SharePoint Server 2010)
ソフトウェア更新プログラムをインストールする (SharePoint 2013)

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