SharePoint 2013 個人用サイトのマスター ページ編集について

こんにちは、SharePoint サポートの佐伯です。
今回の投稿では、個人用サイトのマスター ページの編集についてとりあげます。

個人用サイトの既定のマスター ページによって描画されている箇所は、簡単にまとめると以下になります。

個人用サイトのマスター ページを編集することで、例えば以下のようにサイトの表示を変更することができます。

マスター ページを編集してユーザーの個人用サイトの表示を変更したいとのお問い合わせをよくいただきますので、カスタマイズを行う上で参考にしていただきたい情報を以下に記載します。

まずは、こちらの投稿で個人用サイトのアーキテクチャについてご確認ください。そちらに記載されているように、個人用サイトは 2 つのサイト コレクション (ホスト サイト コレクション、個別のサイト コレクション) で構成されています。
この内容をふまえてお伝えしておきたいことは、SharePoint 既定の機能では、すべてのユーザーの個人用サイトのマスター ページに、同じ編集を一括で実施することはできないという点です。

この内容について説明のため、ホスト サイト コレクションのマスター ページを編集してみましょう。編集後、ホスト サイト コレクション内のページに編集内容が反映されますが、ユーザー個別のサイト コレクションのマスター ページは変わりませんので、表示も既定の状態のままとなります。

すべての個別のサイト コレクションのマスター ページにも同様の変更を反映させるには、それぞれのサイトで編集を実施する必要があります。Saeki の個別のサイト コレクションのマスター ページを同様に編集すると、以下のようになります。

さらに、Mori の個別のサイト コレクションのマスター ページにも同様の編集を行います。

このように、個別のサイト コレクションはユーザーごとに存在するので、マスター ページの編集によって、すべてのユーザーで同じ表示を実現するには、ユーザーの数だけ作業が必要となります。(SharePoint Designer で編集する場合は、以下のようにサイトを指定して開き、該当のマスター ページを編集します)

そうなりますと、各サイトのマスター ページに編集を実施するのは大変です。さらに、今後運用を行っていくにあたり、変更が行われる度に大量のサイトに対して作業が必要となるのは負担が大きいと予想されます。
なお、Visual Studio を使用してソリューションを開発するという方法も考えられますが、難易度は高いものになります。

個別のサイト コレクションは各ユーザーが管理者となっており、サイトやライブラリを作成することができます。また、ページの編集やマスター ページの編集も可能で、ユーザー自身で表示を変更することができます。
個別のサイト コレクションの管理は各ユーザーに任せて個人用サイトを有効に使ってもらい、共通して表示させたい内容については、すべてのユーザーがアクセスするホスト サイト コレクションの方に反映させるという運用がシンプルです。

以上の点をふまえて、実施するカスタマイズ内容をご検討いただけますと幸いです。
今回の投稿は以上です。