SharePoint Server 2010 でイベント ID 6127 の警告が出力される

こんにちは。
SharePoint サポート チームの成田です。

今回は SharePoint Server 2010 において出力される以下のようなイベント ID 6127 の警告ログについて記事を書きたいと思います。

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ログの名前:         Application
ソース:           FIMSynchronizationService
イベント ID:       6127
タスクのカテゴリ:      管理エージェントの実行プロファイル
レベル:           警告
キーワード:         クラシック
説明:
管理エージェント "MOSS-7307708d-f88a-4455-9bbf-945c7c545f83" がステップの種類に差分インポート (Delta Import) または差分 同期 (Delta Synchronization) を使用して実行プロファイル "MOSS_DELTASYNC_2f86800e-b9a0-48aa-8368-d70d6de51fa4" を完了しました。最後の完全な同期 (Full Synchronization) が 行われてから、同期規則の構成が変更されています。

 ユーザー操作 更新された規則が確実にすべてのオブジェクトに適用されるようにするには、ステップ の種類に完全な同期 (Full Synchronization) を使用して、実行を完了する必要があります。
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上記のイベント ログは、プロファイル同期処理に関連する何らかの情報が変更されたため、同期の整合性を確保するために完全同期が必要であることを示しています。
例として、以下の操作が実施された場合には、1 回以上完全同期を行うまで増分同期を行うたびに前述のイベント ログが出力され続けます。

- マップされたプロパティが変更された
- ディレクトリ サービスと同期する目的で接続が使用するコンテナーを変更した
- フィルターを変更、または追加した
- 同期対象の外部コンテンツ タイプが変更された
- 接続を追加、または削除した

上記のように、プロファイル関連の設定を明確に変更している場合はイベント ログが出力された原因について思い当たると思いますが、上記のような操作を実施していないにも関わらず該当のイベント ログが出力される場合があります。
そのような時は、以下のような操作が実施されている可能性がないかをご確認ください。

- User Profile Service Application のバックアップ (共有サービスやファームのバックアップを含む)
- User Profile Synchronization Service の再起動

User Profile Service Application のバックアップを行うと内部的に User Profile Synchronization Service が再起動されるため、実質 User Profile Synchronization Service が再起動されると該当のイベント ログが出力されるということになります。
プロファイル同期関連の構成を変更した場合は、AD やプロファイル データベースなどのデータ ソースと、同期データベース間の整合性を確保するために、変更後の初回は完全同期をご実施ください。
しかしながら、User Profile Synchronization Service の再起動後については、プロファイル関連の構成は実際には更新されていないため完全同期を実施していない場合であっても問題なく同期を実施でき、イベント ログを無視することができます。

User Profile Synchronization Service の再起動しか実施していない場合はイベント ID 6127 の警告は無視することができますが、該当のイベント ログが User Profile Synchronization Service の再起動によって発生したのか、プロファイル同期関連の何らかの構成変更によって発生したのかを特定する方法がありません。
そのため、イベント ログが出力された場合は、念のため以下のいずれかの手順でプロファイルの完全同期を実施しておくことをお勧めします。

完全同期の実施手順
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1. 手動で完全同期を実施する
2. コマンドで完全同期を実施する

1. 手動で完全同期を実施する
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1) [サーバーの全体管理] にアクセスします。
2) [サービス アプリケーションの管理] をクリックします。
3) "UserProfile Service アプリケーション名" をクリックします。
4) [同期] セクション内 [プロファイルの同期の開始] をクリックします。
5) [完全同期の開始] を有効にし [OK] をクリックします。

2. コマンドで完全同期を実施する
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以下のメソッドを利用してプロファイル同期を実施します。

UserProfileConfigManager.StartSynchronization Method (Boolean)
https://msdn.microsoft.com/en-us/library/ee586065(v=office.14).aspx
※引数に $true を設定することで完全同期を実施できます。($false を指定すると増分同期が実施されます)

例として、以下の内容で保存した、拡張子 ps1 ファイルを実行することでプロファイルの完全同期が可能です。
作成した ps1 ファイルをキックするジョブを SharePoint サーバーのタスク スケジューラーなどで実行することでプロファイル完全同期をスケジュールできます。

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Add-PSSnapin Microsoft.SharePoint.PowerShell
$siteurl = "https://sharepoint/sites/mysitehost"

$site = New-Object  Microsoft.SharePoint.SPSite($siteurl);
$serviceContext = [Microsoft.SharePoint.SPServiceContext]::GetContext($site);
$configManager = New-Object Microsoft.Office.Server.UserProfiles.UserProfileConfigManager($serviceContext);
$configManager.StartSynchronization($true);
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※上記の "https://sharepoint/sites/mysitehost" は実際の個人用サイトのサイト コレクションの URL に置き換えてください。

いかがでしたでしょうか。
上記の現象については私たちサポートにも時々お問い合わせがあるため、今回ブログにて共有させて頂きました。
SharePoint サーバーのイベント ログにイベント ID 6127 が出力されている場合にはご参考くださいますと幸いです。