Outlook が予期せずオフライン状態で起動する


こんにちは。日本マイクロソフト Outlook サポート チームです。

 

今回はキャッシュ モードが有効な Outlook が予期せずオフライン状態や切断状態で起動する現象についての記事です。

この状況に合致する場合、キャッシュ モード無効 (オンライン モード) の Outlook では起動自体が失敗する場合もあります。

 

Outlook 2016 では一部のシナリオに対して有効な動作変更が行われたバージョンが更新プログラムとしてリリース済みです。

具体的な適用方法などの詳細については後述いたします。

 

現象の概要

クライアント PC がネットワークに接続できる状態で、Exchange Server やネットワーク機器に障害が起こっていないにも関わらず Outlook が予期せずオフライン状態や切断状態で起動します。

[オフライン作業] ボタンでオンライン状態に戻すことができないか、戻すことができても Outlook 再起動後にオフライン状態が再発します。

 

キャッシュ モードが無効な (オンライン モード) の Outlook では起動自体が失敗する場合もあります。

なお、POP/IMAP アカウントなど Exchange アカウント以外のアカウントを設定した Outlook では発生しません。

Exchange Server やネットワークの障害を考慮から外すと、本現象の主な原因と対処方法には大きく分けて 2 つあります。

 

原因と対処 1. Outlook 以外のプログラムによりMAPI の共有メモリにオフライン状態の情報が書き込まれている

Outlook は MAPI アプリケーションです。

MAPI はマイクロソフトが開発した技術ですが開発者向けに技術情報を公開しており、サード パーティのアプリケーションやセキュリティ ソフトが MAPI を使用する場合があります。

マイクロソフトの製品では、Outlook の他に Skype for Business (旧称 Lync) や Windows Search が MAPI を使用します。

 

Outlook が起動するよりも前に同じクライアント PC 上で MAPI を使用するプログラムが起動し、オフライン状態の情報をメモリ上に書き込んでいる場合、Outlook が影響を受けオフライン状態でしか起動できない動作となります。

 

例えば Skype for Business が Windows の起動と共に自動起動して、MAPI のアクセスが失敗するような状態の場合に本現象が発生する可能性もあります。

このため、Outlook が予期せずオフライン状態で起動する場合、Skype for Business のプロセスを終了した状態でも現象が発生するか確認するというのは有効な切り分けの一つです

Skype for Business の終了で Outlook の問題が解消する場合は Skype for Business の動作を正常化することが恒久対処となります。

 

また、前述したように MAPI はサード パーティのプログラムも使用する場合があることから、本現象の原因が Skype for Business 以外にある場合、調査や対処は困難なものとなっていました。

そこで、Outlook 2016 では MAPI の共有メモリにオフライン状態の情報が書き込まれている場合も、影響を受けにくくする動作変更を行っています。

この動作変更が行われたバージョンは以下の通りですので、本現象でお困りの状況の際は動作変更後のバージョンのご利用をご検討ください。

(Office の更新は累積されているため、最新の更新プログラムを適用いただくことで動作変更後のバージョンがご利用いただけます。)

 

Office 365 ProPlus などクイック実行版 : バージョン 1801 (ビルド 16.0.9001.2138) 以降 各チャネルのリリース日などは こちら をご覧ください。

MSI 版 Office 2016 : 2018 年 8 月リリース Outlook のセキュリティ更新 (ビルド 16.0.4732.1000) 以降 最新の更新プログラムは こちら をご覧ください。

 

なお、Outlook 2010/2013 は動作変更が可能なフェーズが既に終了しており、本動作変更を含む更新はリリースされません。

 

 

原因と対処 2. Windows OS が接続性無しの応答を返している

Outlook 2013/2016 では、Exchange Server への接続前に Windows OS の Network List Manager (NLM) にネットワーク接続性を問い合わせる動作を行います。

これは、Windows OS のネットワーク接続の準備が完了する前に Outlook が接続を試みることで認証ダイアログが表示されるなどの動作を避けるために必要な動作です。

ここで、Windows OS からネットワーク接続性無しの応答が返ると、Outlook がオフライン状態や切断状態で起動する場合があります。

また、この状態でも Edge や Internet Explorer によるインターネット サイトのブラウジングは可能なため、ユーザーや管理者には原因がわかり辛い状態になります。

 

NLM が接続性無しの応答を返している場合は OS 観点での調査が必要になりますが、主な原因には以下のようなものがあります。

  • デフォルト ゲートウェイに到達できない (存在しない IP アドレスが設定されている、など)
  • 以下の必要なサービスが起動していない
    DHCP Client
    Network Location Awareness
    Network List Service

 

 

その他の原因

過去に こちら の記事でもご紹介したように、Office や OS のプレゼンテーション モード有効時にも類似の現象が発生する可能性があります。

詳細はリンク先の記事をご覧ください。

 

また、レアなケースでは、Wi-Fi などで従量課金接続状態と Windows OS が認識していると、Outlook はオフライン状態で起動します。

この時、Outlook 上には従量課金接続状態のためにオフライン起動する旨のメッセージが表示されるのでユーザーも理由に気づくことができますが、キャッシュ モードが無効な Outlook 2016 ではオフライン状態での起動ができず起動が失敗するためユーザーが原因に気づけなかったという事例もありました。

 

 


本情報の内容 (添付文書、リンク先などを含む) は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。

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