Outlook を Exchange Online 環境などに接続して使用している場合、アカウント設定、起動、予定表の参照に時間がかかる問題の対処方法


こんにちは。日本マイクロソフト Outlook サポート チームです。

主に Exchange Online 環境で多いお問合せとなりますが、Outlook を使用しているときに、以下のような現象が発生する場合があります。
今回はそうした場合に有効な対処方法をご紹介いたします。

 

現象

・ Outlook の電子メール アカウントの設定に時間がかかる
・ Outlook の起動に時間がかかる
・ Outlook で他人の予定表を表示するのに時間がかかる
・ 予定表の共有依頼の操作で Outlook がハング・応答なしになる

 

原因

お客様環境のネットワークなどの構成に起因して Outlook による AutoDiscover において、一部の URL への接続試行が失敗するまでに時間がかかるために発生します。

上記の例以外にも、Outlook は内部的に様々な状況で AutoDiscover を実行するので、AutoDiscover に時間がかかる構成下では Outlook のパフォーマンスが低下する原因になる可能性があります。

 

Outlook AutoDiscover によるアクセスは、Outlook のバージョンや更新プログラムの適用状況による追加の機能における差異もありますが、基本となる動作としては以下の順番で実行され、成功するとその時点で処理は終了します。

  1. サービス接続ポイント (ドメイン参加している場合に AD より URL を取得する。)
  2. HTTPS Root domain         ) https://contoso.com/autodiscover/autodiscover.xml
  3. HTTPS AutoDiscover domain ) https://autodiscover.contoso.com/autodiscover/autodiscover.xml
  4. Local XML (追加の設定が必要であり、通常はスキップされます。)
  5. HTTP リダイレクト ) http://autodiscover.contoso.com/autodiscover/autodiscover.xml
  6. SRV レコード ) _autodiscover._tcp.contoso.com

    ※ URL 内のドメイン部分の文字列は SMTP アドレスの @ マーク以降の文字列から決定されます。

         上記の例においては、user01@contoso.com のアドレスのメールボックスへの AutoDiscover を想定して記載しています。

Exchange Online 環境では通常上記の 5. HTTP リダイレクトが使用されることが想定されます。
お問い合わせの原因の多くは、上記の 2. 3. への接続が失敗するまでに時間がかかり、なかなか 5. に進まないために、
結果的に AutoDiscover 自体が完了するまでに時間を要してしまい、上述した現象のような様々な問題が発生するという内容になります。
どの URL へのアクセスが失敗するまでに時間がかかっているかの切り分けには、こちらの記事でご紹介している AutoDiscover のテストが有効です。

 

回避策

ネットワーク構成などの見直しにより、AutoDiscover で失敗するまでに時間がかかる URL の応答を、すぐに失敗するように変更するなどの対処を行うことも一つの方法です。

しかし、そうした対処が難しい場合は、クライアント PC に以下のレジストリを追加することにより、Outlook による AutoDiscover での接続試行をスキップするように制御が可能です。

 

レジストリキーの場所
HKEY_CURRENT_USER\Software\Policies\Microsoft\Office\xx.0\Outlook\AutoDiscover
または
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\xx.0\Outlook\AutoDiscover

xx.0 の箇所は以下のように Outlook のバージョンに合わせて変更する必要があります。

Outlook 2007 : 12.0
Outlook 2010 : 14.0
Outlook 2013 : 15.0
Outlook 2016 : 16.0

制御のために追加するレジストリの名前
ExcludeScpLookup                               (1. サービス接続ポイントの接続を停止するレジストリ)
ExcludeHttpsRootDomain                   (2. HTTPS Root domain の接続を停止するレジストリ)
ExcludeHttpsAutoDiscoverDomain     (3. HTTPS AutoDiscover domain の接続を停止するレジストリ)
ExcludeHttpRedirect                            (5. HTTP リダイレクトの接続を停止するレジストリ)
ExcludeSrvRecord                                 (6. SRV レコードの接続を停止するレジストリ)

種類
REG_DWORD

データ
0x00000001 (10 進数 : 1)

 

まずは問題になりやすい 2. HTTPS Root domain への接続を停止する ExcludeHttpsRootDomain の設定をお試しください。

例: Outlook 2016 で HTTPS Root domain の接続を停止する場合

      レジストリキー: HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Outlook\AutoDiscover
      種類 : REG_DWORD
      名前: ExcludeHttpsRootDomain
      データ : 0x00000001 (10 進数 : 1)

問題が改善しない場合、次に問題になりやすい 3. HTTPS AutoDiscover domain への接続を停止する ExcludeHttpsAutoDiscoverDomain の設定をお試しください。

 

レジストリ設定後、Outlook の動作へ反映させるためには Outlook の再起動が必要となります。
切り戻しの際は、追加したレジストリを削除します。

 

備考

AutoDiscover が成功する URL を計画して決定するのは最終的にお客様のシステム管理者であり、マイクロソフトではありません。

このため、AutoDiscover による各接続先への動作を停止することによる影響を予測するには、お客様側の AutoDiscover がどのように構成されているかを把握する必要があります。

Exchange Server への接続で 2. HTTPS Root Domain が使用される状況は想定されませんが、それ以外の AutoDiscover を停止する際は当該環境の AutoDiscover 構成を計画したシステム管理者とご相談ください。

 

本情報の内容 (添付文書、リンク先などを含む) は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。

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