2017/10/31 の Office 365 における RPC over HTTP のサポート終了に伴う MAPI over HTTP 移行の注意点


こんにちは。日本マイクロソフト Outlook サポート チームです。

以下の KB で公開されているように、2017 年 10 月 31 日をもって Office 365 の Exchange Online への Outlook for Windows からの RPC over HTTP 接続のサポートが終了されます。

Title : RPC over HTTP reaches end of support in Office 365 on October 31, 2017
URL : <https://support.microsoft.com/en-us/help/3201590/>

ここでは、MAPI over HTTP 移行にあたって必要な作業と注意点をご紹介します。


[2017/10/19 追記] 内容の変更について

KB3201590 の内容については、以前に公開していた内容からアップデートを行っており、本記事もその変更に沿って更新を行っております。
また、アップデート前に記載されていた情報から要件についても一部変更が発生しております。

当初は「Exchange Online において RPC over HTTP が廃止」 と明記をしており RPC over HTTP の場合は接続をできなくするという方針でしたが、接続を廃止することのお客様への影響が大きいことから、Exchange Online サービス側で RPC over HTTP 接続の廃止は行わないことになり、公開文書についても変更いたしました。
Exchange Online 側にて明示的に RPC over HTTP 接続に対する切断は行いませんが、サポート外の接続方式となり、接続性の保証も行っていないことから、継続して利用した場合、接続できない問題やその他予期しない問題が発生する可能性は考えられます。

・ 10月31日以降 RPC over HTTPでの接続自体を明示的に切断は行いませんが、接続性の保証は行っていません。今後、完全に接続ができない状況となる可能性も考えられます。
・ RPC over HTTP での接続できない問題や、それ以外の問題が発生した場合にも、RPC over HTTP 接続を前提とした問題解決のサポート対応は提供されないことから、まずは MAPI over HTTP に変更し、問題が解消するかご確認ください。
・ RPC over HTTP 接続時の不具合等の問題が発生しても製品/サービスの改修、修正は行いません。
※ セキュリティ脆弱性等の問題が発生した場合、その問題への対処を行わずそのままにすることはないと考えられますが、修正が行われるのか、RPC over HTTP の接続自体が明示的に切断されることになるかについては現時点では方針は決まっていません。


MAPI over HTTP  接続のために必要な作業

現在 Exchange Online へ RPC over HTTP 接続を行っているユーザーは、
2017 年 10 月 31 日 までに以下の 2 つの作業を行って  MAPI over HTTP への移行を完了する必要があります。

MAPI over HTTP 接続の必要要件を満たすバージョンに更新する
Exchange Online に MAPI over HTTP で接続するためのバージョンなどについては、こちら の新しい記事をご覧ください。

 レジストリ MapiHttpDisabled を使用して MAPI over HTTP を無効化している場合は、有効化する
以下のレジストリが作成されている場合は、MAPI over HTTP が無効化されています。
以下の値が存在するかを確認し、存在する場合は値 MapiHttpDisabled を削除するか 0 に変更することで MAPI over HTTP を有効にする必要があります。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Exchange
値の名前: MapiHttpDisabled
値の種類: REG_DWORD
値のデータ: 1


MAPI over HTTP 移行にあたっての注意点

ネットワーク障害
MAPI over HTTP は RPC over HTTP と比較して伝送効率が上がり、ダウンロードの速度がわずかながら向上します。これにより、時間当たりでダウンロードされるデータ量も微量ながら増加することが見込まれ、考慮が必要となります。ほとんどの環境では回線増強まで検討する必要はありませんが、通常からネットワークが逼迫しがちな環境などでは慎重に移行を行ったうえで、経過によっては回線増強を検討いただく必要が発生する可能性もあると考えられます。

ごく少ない事例ですが、社内のユーザーが MAPI over HTTP へ一斉に移行した際にネットワーク障害を引き起こし、MAPI over HTTP の無効化で改善したという問題がありました。この問題は一部のネットワーク機器との相性も可能性として疑われていますが調査が困難で原因特定に至っていません。また、問題が発生した環境は元々ネットワークが逼迫しがちな環境であったこともわかっています。

・ネットワーク回線に充分な余裕を持たせる
・全ユーザーを一斉に移行せず、何度かに分けて徐々に移行する

などの対応についてご検討ください。

Outlook プロファイルの破損
Outlook による接続プロトコルの切り替えにより、Outlook プロファイルが破損するという問題が発生する場合があります。破損したプロファイルでは Exchange Online への接続ができなくなったり、メールの送受信ができないなどの現象が発生します。

弊社はこの問題について更新プログラムでの修正を行っていますが、最新の更新プログラムを適用した Outlook でもごくまれにプロファイル破損が発生する可能性があります。この場合、対処方法は Outlook プロファイルの再作成のみとなります。

AD FS のクレーム ルール
AD FS のクレーム ルールによりクライアント アプリケーションの条件で制御を行っている場合、MAPI over HTTP 接続を行う Outlook 用に値を追加することが必要です。

Outlook で接続する際には、AD FS 認証で http://schemas.microsoft.com/2012/01/requestcontext/claims/x-ms-client-application に以下の値が設定されます。

Microsoft.Exchange.AutoDiscover  <- AutoDiscover 接続
Microsoft.Exchange.OfflineAddressBook  <- OAB ダウンロード
Microsoft.Exchange.WebServices  <- EWS 接続
Microsoft.Exchange.RPC  <- RPC over HTTP 接続
Microsoft.Exchange.Mapi  <- MAPI over HTTP 接続 (メールボックス)
Microsoft.Exchange.Nspi  <- MAPI over HTTP 接続 (ディレクトリ)

大文字小文字は区別されますのでご注意ください。

これを許可または拒否することで Outlook からの接続を制御できます。

MAPI over HTTP 移行後の確認
Outlook が MAPI over HTTP で Exchange Online へ接続しているかについては、以下のブログ記事でご紹介しているように Outlook の [接続状態] の画面から確認できます。

Title : MAPI/HTTP の紹介 (特徴/対応する Exchange Server と Outlook/無効にする方法)
URL : <https://blogs.technet.microsoft.com/outlooksupportjp/2016/02/25/mapihttp-exchange-server-outlook/>

これまで RPC over HTTP を使用していた環境で、クライアントが条件を満たしても、MAPI over HTTP への移行は即時実行されるわけではありません。移行は、AutoDiscover で取得した MAPI over HTTP の構成情報を元に緩やかに行われます。数日間通常通り使用して、移行が行われているかご確認ください。

移行が行われていない場合や完了しない場合、アカウント修復の操作や Outlook プロファイル再作成を実施ください。また、Outlook を起動している時間が短いユーザーや、起動したまま終了しないユーザーでは移行が行われませんのでご注意ください。

参考
MAPI over HTTP については、以下のブログ記事も参照ください。

Title : MAPI over HTTP による Outlook の接続
URL : <https://blogs.technet.microsoft.com/exchangeteamjp/2014/05/15/mapi-over-http-outlook/>


本情報の内容(添付文書、リンク先などを含む)は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。

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