40Gbps Ethernet(Mellanoxさん) + 100~200万IOPS Storage(Violin Memoryさん) + Windows Server というストレージOSとHyper-V ~Interopで私を本気にさせた2つのシナリオ②

InteropのMellanoxさんのブースにて15分のミニセッションを担当させていただきました。

そして、ちょうど私の後にお話をされていた Violin Memoryさんと共にこれからの3社の可能性について考えることができました。

シナリオとして簡単に解説しておきましょう。

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  1. データセンター基盤としての Windows Server
  1. あれっと思われるかもしれませんが、Windows Server は Azure のために進化したクラウド用のプラットフォームとなりました
  2. Windows Server も Hyper-V も、データセンター利用に十分な機能と性能を発揮します
    Microsoft の Datacenter の規模感を知りたい方はこちらをご覧ください。
    https://www.youtube.com/watch?v=8Kyoj3bKepY
  3. 操作性も、ドライバー入手の容易さも抜群ですし、PowerShell は自動化のための大きな武器となりました
  1. Windows は WMI という API を持っているのでプログラムからの制御も可能です
    https://www.facebook.com/groups/749187091776055/
  • ネットワークは Mellanox ConnextX-3 Pro
  1. 40Gbps Ethernet 化でネットワークボトルネックを回避します
  1. Windows Server の運用で必要となる複数ネットワークは、ConnextX-3 Pro の最新ドライバーの機能で論理分割可能です
  2. 分割した論理ネットワークは QoS で帯域制御可能です
    https://technet.microsoft.com/en-us/library/jj735302.aspx#bkmk_2
  • 仮想マシン用のネットワークは Windows Server の NVGRE オーバーレイネットワークを使ってソフトウェア的に分離です
    1. いわゆる SDN を Windows Server と System Center で実現可能です
    2. NVGRE のカプセル化処理などは ConnextX-3 Pro の機能にオフロードし、物理サーバーのCPUリソースを有効活用可能です
      https://www.mellanox.co.jp/news/press20140110_MLNX_NVGRE_HW_Offload.html
  • ストレージには Violin Memory の Windows Storage Server ベース アプライアンス
    1. 超高速なストレージによりストレージボトルネックを完全回避します
    2. ストレージ運用を Windows Server の管理ツールや System Center などのツールで統合して、エンジニアスキルの敷居も下げつつ、システム全体の統合管理基盤を構築できます
      https://www.violin-memory.com/jp/windows-flash-array/
    3. 内部的には、Windows Server 2012 R2 の機能を使って、プール化・シンプロビジョニング・重複除去の実行できます
    4. マルチヘッド化は、Windows Server 2012 R2 のスケールアウトファイルサーバーの機能で実現します ~8ノードまで可能
  • Hyper-V から Violin Memory ストレージにアクセスするのは Mellanox ConnextX-3 Pro を使った SMB Direct
  1. Hyper-V からは \\サーバー名¥共有名 でストレージへアクセスします
  1. ファイバーチャネルや iSCSI のような、マウントやアタッチという考え方が不要なストレージアクセス環境の整備が可能です
  2. Azure のようにハイパーバイザーとストレージを完全に分離することで、システム設計と運用をシンプルにします
  1. ハイパーバイザー層は、仮想マシンに対する CPU や Memory のキャパシティプランニングと、日々の仮想化運用を行います
  2. ストレージ層は、Hyper-V に対してのサービスが提供できていることを前提に、ストレージ側のキャパシティプランニングと日々の運用を行います
  • ストレージアクセス用の通信は 40Gpbs Ethernet による RoCE (RDMA over Converged Ethernet)
    1. SMB 3.0 の安定性に加えて、SMB Direct により低遅延かつサーバーCPUを介さない処理の実現します
    2. Mellanox の ConnextX-3 Pro が Hyper-V 側、ストレージ側両方で RoCE を処理してくれます
      https://jp.mellanox.com/page/file_storage
    3. QoS はハードウェアもしくは Windows Server 2012 R2 の Datacenter Bridging & SMBBandwidthLimit 機能にて実現できます

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40 Gpbs とか 200万 IPOS とか、少し現実離れした感じを持たれる方がいるかもしれませんが、高速化に加えてオフロード処理などがちりばめられていて、非常に有用なソリューションに仕上がりつつあります。

また、クラウドデータセンターの効率的な自動運転を考えていくと、これまでの

  • 細かな設計・設定・日々の制御作業によってデータセンターを事細かく管理/運用していくことを前提に、それらの作業がしやすい機材やツールを選定し、それらを実行するための複数の人材を配置していく

という考え方から、

  • 利用者に対するサービスが止まらないことを前提に、Software Defined 化を進めつつ、極力細かな設計・設定・日々の制御作業を減らせるようなキャパシティ設計と投資を行い、それに見合った機材やツールを選定していく

という考え方に変えていく必要が出てきます。

そして、自動化や標準化に加えて、運用そのものをシンプルにすることで運用管理コストを徹底的に抑えつつ、複雑なシステム設計からくる柔軟さの欠如や人的な作業ミスの増大を防ぐこともできる可能性があります。

どのような規模であれ、データセンターをお持ちなら、上記ソリューションの価値を一度考えてみていただければと思っています。

日本マイクロソフト 高添