通販から学ぶプライベートクラウド

私が「プライベートクラウド」という言葉をプレゼンテーションスライドに使い始めたのはいつだったのだろう?

そう思って、これまでに作ってきたスライドがたまっているフォルダを見ていると、どうやら今年の3月頃だったらしいです。

あれから8か月経ち、私の頭の中にあるプライベートクラウドは大きく進化を遂げました。

そして、頭の中にある1つの形が「通販」。

利用者がほしいと思った時にほしいものを購入する。そして、その裏(サービス提供者)側では涙ぐましいコスト削減努力が行われている。

そう、通販には表と裏があるわけです。

これはプライベートクラウドでも同じ。

現時点では、仮想化リソースをサービスとして提供するというシンプルな形態が多く、それだけでも、膠着した IT インフラ利用の最適化を進めることはできるでしょう。

しかし、そこはクラウド。

利用者目線、サービス志向なくして成り立たない。

なぜかというと、予算を持っている各部門は、自社の IT 部門が提供するサービスを不要と思えば外部のサービスを利用できる環境が整いつつあるのだから。

だからこそ、表と裏がある事を認め、表と裏の両立を意識したクラウドサービスを作っていかないといけないはずです。

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でも、なぜ通販に注目したか?

それは、通販がお客様目線で物を売っているというだけではなく、売りたいものに価値を感じてもらえるようなメッセージや付加価値をつけ、利用者が納得して購入するというパターンを作り上げているから。

企業の IT 部門の方が、仮想化や自動化を使ったコスト削減という裏の姿を見せずに、いかに表の顔(サービス)にこだわり、それを常に進化させていくことができるか、これがプライベートクラウド成功のカギではないかと思うのです。

また、正しくターゲティングできている(と思われる)点も大きいです。

TV通販やラジオ通販なら番組提供の時間枠における視聴者(購買)層を考えている事でしょう。

1年365日、社員全員に画一的なサービスを提供するのではなく、社内にいるxxな人にはこういうサービスを、○○な人にはああいうサービスを、△△な人がこういう状況の時には別のサービスを提供するという、サービスとターゲティングがとっても重要になってくるはずです。

ちなみにITのクラウドには、通販にはない柔軟さがあります。

それは、期間で提供できるという点です。

「自宅に通販で買った数々のダイエット器具がある。。。」なんて私のような状況は、 IT のクラウドサービスでは起きないはずなので(^_^;)

そう、この期間で提供できるということから、ITがリソースだということにもあらためて気づくはずです。

これも、プライベートクラウド化を推進する際に必要となる考え方でしょう。

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余談ですが、こんな事を考えるきっかけを与えてくれたのは、私がセミナーでお話をしている SSP 2.0 です。

SSP 2.0 が完璧なプライベートクラウドだとは思っていません。

ただ、仮想化とクラウドの違いを理解するヒントをくれたという点で、私はその有効性を信じているし、とても面白い無償ツールだと思っています。

マイクロソフト 高添

P.S.
なんだか変な投稿になってしまいましたが、次からはちゃんとマイクロソフト製品を含むプライベートクラウドの現実と、私が注目しているプライベートクラウドにおける4つの要素について書いていこうと思います(笑)