SCVMM が新しくなる前に (その15) ~ P2V: Windows 2000 Server~

今回は、「物理サーバーの環境を仮想サーバーに変換する P2V (Physical to Virtual) 機能 Windows 2000 Server 編」について書いてみます。

その14にて Windows Server 2003 の P2V について書きましたが、Windows 2000 Server はちょっと工夫が必要です。

細かな話しに行く前に、Windows 2000 Server の P2V の流れを見てみましょう。

  1. 物理サーバーの変換ウィザードを起動
  2. 変換する物理サーバーを指定
  3. 物理サーバーにアクセスして物理マシンの情報を取得
    (OSの種類、ハードディスク構成や容量、ネットワークドライバ情報)
  4. 新しく作る VHD ファイルの容量などの設定
  5. 仮想マシンをホストする物理サーバー(Virtual Server)を指定
  6. 処理実行
    ~~ここまでの手順は Windows Server 2003 も同様~~
  7. Windows 2000 Server にWinPEを送り込み、WinPEで物理マシンを再起動
  8. DHCP からIPアドレスを取得し、ネットワークへ接続
  9. C ドライブの情報を VHD に変換し、ホストされる物理サーバー(Virtual Server) に配置
  10. P2V の処理が完了したら物理マシンをシャットダウンし、Cドライブから起動しなおす

いかがでしょうか?

Windows Server 2003 と違い、起動中の Windows 2000 Server では使用中の OS ファイルなどはロックされ、すべてのファイルをスナップショットが取れないので、一旦 WinPE を送り込んで別OSから起動した状態を作り(Cドライブを浮かした状態)、変換作業に入ります。

そのため、Windows 2000 Server の P2V を実行するには、SCVMM のマシンに Windows 自動インストールキット WAIK をインストールしておく必要があります。WAIK はインストールさえしていれば OK で、特に設定の必要はありません。

(WAIK:https://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?familyid=94BB6E34-D890-4932-81A5-5B50C657DE08&displaylang=ja)

また、起動した WinPE がネットワーク上で処理するのにIPアドレスが必要なので、DHCPサーバーを用意します。WinPEが起動した後でIP設定ができるかもしれませんが、DHCPが立っていれば勝手に処理をしてくれますので便利です。

Windows Server 2003 に比べるとちょっと面倒ですが、勝手に WinPEで再起動して変換がおこなわれる様子を見ているのはとても面白いです。

※ Hyper-V には究極の P2V 機能? が付いてますので、それは追って書きたいと思います。

マイクロソフト 高添