SCVMM が新しくなる前に (その12) ~ セルフサービスポータルとポリシー~

今回は、「SCVMM の管理者以外のメンバーに仮想サーバーの作成や管理を委ねることができる セルフサービスポータルとポリシー」について書いてみます。

おそらく、企業内にはサーバーがたくさんあって、データセンターで管理されているサーバーだけなら良いですが、各部門で購入した部門専用マシンなども存在するのではないでしょうか。

企業として IT を管理するという命題に立ち向かうには、このようなサーバーの存在を無くすか、せめてIT部門の管理化に置きたいはずです。

これは、あくまでも建て前の話し。。。

だって、「すべてを委ねてくれ」という言葉と共に多くの要望と作業が IT 部門に降ってくるわけですから。。。

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このような課題に対して仮想環境では何か変わるのでしょうか?

答えはYesです。

仮想マシンはリモートから接続すれば普通のサーバーですから、「サーバーを用意してくれ」という要望を正式なプロセスで受け取った後、 5分で出来る Windows Server 2003 を用意してあげればよいのです。

※ ハードウェア要件が厳しいもの(例えば、特殊なハードウェア機器を接続して利用しなければならないシステムなど)をのぞけば、仮想化でいけることも多いでしょう。しかも、仮想マシンであれば設置場所はサーバールームだし、管理者の意思でサーバーを止めたりすることも可能ですから、集中管理の仕組みを守ることも可能です。

でも、もし仮想化依存度が増して、何でもかんでもサーバーを用意しろという話しになった時にどうするか・・・

SCVMM の仮想マシンにはプロパティ設定が可能だと「フィルタの投稿」で書きましたが、標準のプロパティの中には「コストセンター」という項目があります。企業内で、各部門がコードを持っている場合、部門専用に割り当てた仮想マシンのプロパティに部門コードを設定しておき、部門コードに紐づく仮想マシンの使用率に応じて部門間でチャージするなんてことを考えてみても良いでしょう。

仮想マシンを仮想化することによってサービスとして提供するという訳ですね。ここまで来ると、ネットワーク次第では仮想マシンを提供する部分をアウトソースすることもできますし、まさにクラウドの世界に向かっていくシナリオとなっていきます。

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ちょっと話しがそれてきてしまったので元に戻しましょう。

仮想マシンを利用するとユーザー部門の要求にこたえることもできるのですが、SCVMM ならば次の段階に話しを進めることができます。

それは、専用のポータルを用意して、権限を与えたユーザーが自分で仮想サーバーを立ち上げたり止めたりできるようにするというものです。

こちらが専用ポータルの画面です。

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権限委任によって、IT部門の管理負荷を減らすと同時に、ユーザー部門が思っているであろう「自分でやれる部分はやりたい」という要望にまで答えることができ、迅速なシステム環境構築や部門の都合に合わせたサーバーの利用を促すことができるわけです。

もちろん、先ほど書いたとおり、物理マシンはサーバールームにあり、すべてIT部門の管理下にあるので、いざとなればサービスを止めることもネットワーク制御によってアクセスを制限させることも可能なわけです。

※ サーバーの仮想化のタイミングで、ネットワークの仮想化も可能になります。これについてはいずれ触れることにしましょう。

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ちなみに、このセルフサービスポータルを一般ユーザーに利用させるためには、事前に管理者がポリシーを設定しておく必要があります。

誰にどのような作業を任せるか、そのユーザーが管理できるサーバーの数をいくつにするかといった設定が可能なので、是非試してみてください。

※ この設定、事前にプロファイルを作っておかなければならなかったりするので面倒でもありますが、いろいろ設定を見ていくと「あっ、こんなこともできるんだ~」等、気づく事も多いです。

マイクロソフト 高添