SCVMM が新しくなる前に (その11) ~チェックポイント~

今回は、「仮想サーバーをある時点に戻すためのチェックポイント機能」について書いてみます。

仮想サーバーは基本的にファイルですから・・・ちょっとくどいですね(^_^;)

仮想サーバーが稼働する=サーバー環境は変化する=ファイルに書き込まれる

と言えます。

今回の投稿で説明しようとしているチェックポイントとは、ファイルに書き込まれるデータの途中・途中にチェックポイントを設けて、ある時点に戻せるようにしておくという機能です。

テスト環境などでは特にそうだと思いますが、

  • あの設定をしたらどうなるだろう?
  • こっちをこう変えたらどうなるんだろう?

という疑問は結構あります。でも、設定を変更してしまうのが怖い。。。なんてことも。

仮想化はこのような場合に非常に便利で、仮想サーバーを単なるファイルとして考えればよいわけですから、何かをしようとする度にコピー・コピー・またコピー。そう、事前にコピーをしておけばよいと思うのは最初の頃だけです。

だって、いろんな環境を試したいエンジニアさんにとって、これでは ハードディスクの容量がいくらあっても足りませんからね。

仮想化のメリットを知った人の多くが一番最初に行きつくのが「ディスクがほしい」「もっと容量が・・・」ですが、まさに仮想化の柔軟性をうまく活用しようとするが故の悩みでもあるわけです。しかも、コピーするのに時間もかかり、コピーして取っておいたファイルを新しい環境用にコピーするのにまた時間がかかるので、思いのほか時間がかかる作業だったりします。

そこで、チェックポイントの出番です!!

作業はいたって簡単で、SCVMM の管理画面で仮想マシンを右クリックした後、「新しいチェックポイント」を選択するだけです。

チェックポイントを作る際にわかりやすい情報を付加しておくと、以下のようなリストになります。

image

そう、チェックポイントを利用することによって、数ギガもあるサーバー環境をいくつもコピーすることなく、必要に応じてある時点に戻すことも可能になりました。

これも非常に便利な機能ですから覚えておいてください。

*****
ちなみに、「Virtual Server が持つ差分ディスク機能」と「SCVMM のチェックポイント機能」には互換性がないので、Virual Server の管理ツールで差分ディスクを有効にしてあると、SCVMM 側から管理ができません。事前に無効にしておくか、SCVMM の管理画面で「差分ディスクを無効にする」という設定を行った上でSCVMM管理下の仮想サーバーとしてご利用いただくことになります。そこだけは注意をお願いします。

※ さらに、Hyper-V が持っているスナップショットの機能は、Virtual Server の差分ディスクや現行SCVMMのチェックポイントよりも高機能です。それはいずれ解説しようと思います。

マイクロソフト 高添