Manageability とクラウド

昨日、私が考えているプラットフォームのクラウド論について書きました。

もちろん、私がイメージしているプラットフォームのクラウド化にもまだまだ課題があります。

例えば、仮想サーバー(今のサーバーの仮想化の話ではなく、リソースの集合体としての仮想サーバー) を社内と同じように利用するには、ネットワークもネットワークセキュリティも今のままで良いとは思えません。

これからのネットワークは、物理的なネットワークとその上で制御される論理的なネットワークが存在することになるだろうと思いますし、その論理ネットワークが物理的にどこにあるか気にしなくても良い仕組みが必要になってきます。

社内にあると思って使われているサーバーがクラウドにあるかもしれないのですから。。。

※ 論理ネットワーク化の波については、Windows Server 2008 のネットワークアクセス保護(NAP) の話しをするときにも必ず言っています。

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そして、ネットワークの進化と同じくらい必要になるのが、Manageability ではないかと考えています。

場所を気にしないということは、逆に言うと、企業の管理下にない仮想サーバーが動かなくなった時に、その状況を知り、対応策を練ることができる仕組みが必要ということです。

このあたりは、以前スティーブバルマーが日本に来た時にあるMVPさんから質問のあった「SOAやSaaS 化が進めば、当然ブラックボックス化も進むはずで、ある意味怖さも秘めている。 いろいろと問題も出てくる気もするがどう思うか?」への回答にもつながるのかもしれません。

※ 質問内容ははっきり覚えていないのですが、確かこんな感じだったのではないかと。

ちなみに私は、 Manageability (運用管理性?) という点も、提供するサービスの価値の1つになるのだろうと思っています。

「要求を投げると結果が返ってくる」だけではなくて、「稼働状況を把握できる」「トラブル時に対応方法がすぐにわかる仕組みを持っている」といったことが今後サービスを選択する際の重要な要素になりうるという訳です。

もし私を信用してくれるようなら、アプリケーション開発者は Manageabilityを意識して開発をしてもらえればと思います。

と言っても、多くのアプリケーション開発者は運用管理やそれらのコードを書くのは苦手なのかもしれませんね。業務の勉強はしても、ITの運用管理に関するコーディングや勉強はしていないという方もいそうな気がしますし。。。

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で、そういう場合は、ツールに頼りませんか?

それが、開発系エバンジェリスト長沢が解説してくれている TSMMD です。
【モデリング】Management Model Designer 紹介 ~ 管理可能性を高めるモデル

【DFO】Management Model の考察 – 1

【DFO】Management Model の考察 – 2

このツールは、今のところ正式版ではなくCTP版ですが、多くの開発者にメリットがあるのではないかと思いますので、是非使ってみてください。

そうです、開発者の方も運用を意識しましょうね!!

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そう言えば、数か月前にUSから来たマーケティングのメンバーと話しをしていた時、「3~4年前、Security という言葉はある特定のメンバーのためのものでしたが、今やみんなが意識するようになってきた。 Management という言葉もいずれはSecurityと同じようにみんなが意識するものになるはずだ」と言われました。

それを聞いた時は面白いこと言うなあと思っただけでしたが、今は確信に近いものになっていますね。