モデリングでサイジング: System Center Capacity Planner 2007 も RTM

現場のエンジニアさんにとって「適切なサイジング」は課題なので、情報を出してほしいという要望をいただくことも多いです。

ただ、分散システム化によるシステムの柔軟性によって、1つの製品であっても複数台のマシンを使ってさまざまな構成をとることができ、ハードウェアも様々、利用シナリオも様々となれば、サイジング情報の提供は難しいものでありました。

そんな中、マイクロソフトが開発しているのが、System Center Capacity Planner (SCCP) です。

このツールを Exchange Server 2007 のキャパシティプランニングをベースに簡単に説明すると、以下のような流れで使用します。

  1. モデル化ツールを使って Exchange Server 2007 を複数のサイト設計や各サイトのユーザー数、ハードウェア・ネットワークスペックなどを設計
  2. マイクロソフトが収集した情報を整備して作られたベストプラクティスモデルとの整合性検証 (シュミレーション)
  3. 設計ミスやハードウェアスペック不足などを可視化
  4. 指摘された情報を元に再設計 → シュミレーションの繰り返し

そうなんです。 「経験知」がツール化されたわけです。

このようなツールによってサイジングやキャパシティプランニングの負荷とミスを減らせるということは、提案書のレベル向上、全体設計の共有(エンジニア間の共有もあれば、お客様とエンジニア、営業とエンジニアとの共有もあるでしょう) 。

私は、このツールによって、結果的に設計の標準化にもつながり、トラブルの軽減にもなっていくことを願っています。

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現在このツールが対応しているのは、

ですが、もう少ししたら Microsoft System Center Operations Manager 2007 対応のものが出てくる予定です。

※ 前のバージョンは TechNet Subscription で提供されてましたが、今回のバージョンはダウンロードサイトからダウンロードできるようになっています!!

そして他にも・・・

  • モデル化した図を Visioにエクスポート
  • シュミレーション結果をExcelにエクスポート

といった機能が付いているので、提案書や報告書への添付資料として、情報共有のためドキュメント作成ツールとしても利用できるはずです。

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さて、私がイベントで話しをしている Dynamic IT は「モデル駆動」がカギになります。誰かがモデルを作ると、後はそのモデルをIT が読み込んで自動的にシステムが出来上がるという夢のようなシナリオです。

でも、本当に夢なのでしょうか・・・

私は、夢の世界がどんどん現実味を帯びてきていると感じてます。

例えば、今後の展開を頭の中で想像すると・・・・ (あくまでも私の頭の中での想像ですが、DSI というシナリオについては結構当たっていることも多い)

System Center Capacity Planner はプランニングのツールですが、「モデル化のタイミングで定義した情報」をうまく活用して無人インストール用の定義ファイルを作るツールになってくれれば、例えば3連休の初日にスケジュールされたスクリプトが動き出し、OSの展開や設定、アプリケーションのインストールへとつながるかもしれません。

OSを含むいくつかの製品が無人インストールの形態が取れる形で提供されていることを考えると、ちょっとした工夫で面白いことができそうです。

つぎは、ストレージやネットワークといったハードウェア構成の自動化をどこまでやれるかがポイントでしょう。そこまで考えるとマイクロソフトだけですべてができるわけではありませんから、仮想化によるハードウェア依存度の低減をしつつも、ハードメーカー様との協業は欠かせません。

ま、それが Service Modeling Language (SML)とお考えいただければきれいかと。
https://www.microsoft.com/business/dsi/serviceml.mspx

セミナーの準備をしなければならないのですが、このツールも System Center なので放っておけませんでした。

もし現場で使っていただける方がいたら、IT Pro 道場の懇親会の時にでも感想をお聞かせ下さい。