ユーザーに配慮した設計

Office 2010 ユーザー研究および設計

Microsoft の Office Design Group (ODG) で、ユーザー エクスペリエンス リサーチ リードを務めている Shawn Lipstein です。本日の投稿では、ちょうど良い機会なので、ODG とは何か、また、ODG の業務内容についてご紹介しようと思います。さらに、今後の投稿内容についても少しだけご紹介しようと思います。

ODG と業務内容について

ODG は、ユーザー エクスペリエンスの設計者とユーザー エクスペリエンスの研究者で構成されています。ODG の業務内容は、ソフトウェア製品のエンドユーザーの代役を務めることです。ODG は、Office 内の製品チームと共同で、ユーザーが何を必要としているかを把握し、魅力ある機能を作成しています。どのようなエンドユーザーがどのような作業を行うかを理解することを通じて、より良いソフトウェアを構築することに努めています。

ユーザーの要件を把握し、魅力的な機能を作成する方法はいくつかあります。たとえば、ユーザー エクスペリエンスの研究者は、実際に現地を訪問するなどして、製品開発サイクルの初期にユーザーの要件を把握します。現地訪問では、実際に現地のユーザーを訪問し、ソフトウェアをどのように利用して業務を行うかを観察します。また、ラボでの研究も行います (下の写真を参照)。この研究では、ユーザーに、管理されたラボ環境内でいくつかの現実的なシナリオに沿って作業を実施していただきます。それらの研究を行いながら、私たちは、製品開発サイクルの段階に従って、紙に絵を描いたものと変わらないほど原始的なプロトタイプから、実際のワーキング ビルドまでを使用します。

clip_image002

初期ワーキング ビルドで研究中のラボの様子

また、ユーザー エクスペリエンスの設計者は、設計上の難題を革新的な方法で解決することにも努めています。その 1 つとして、ワイヤー フレーミングという方法を採用しています。この方法では、設計の基本的な概念を表す青写真を描きます。また、非常に正確な図とワーキング プロトタイプまで使用して、ソリューションの試作を何度も繰り返して、対話操作、外観と印象、およびアニメーションのあらゆる可能性について綿密に検討します。

下の図は、"Office 2010 Backstage" のワーキング ビルドが基本的な概念図から作成されるまでの過程を示しています (各画像をクリックすると、拡大表示されます)。

clip_image004

clip_image006

1. 開発サイクルの初期段階では、手書きの概念図を多数作成します。

clip_image008

clip_image010

2. ワイヤー フレームにより、アイデアをさらに練り上げて、レイアウトとバランスを検討します。

3. 高精度のレンダリングを行って、最終的な外観と印象を決めたら、残りのチーム メンバーに決定事項を明確に伝えます。

 

 

clip_image012

4. 最終ビルドのスクリーンショットを見ると、高精度のレンダリングに基づいて、厳密に再現されていることがわかります。

前にも説明したように、Office Design Group は、設計者と研究者で構成されており、多くの方法を通じて、ユーザーの要件を特定し、魅力的な機能を作成しています。Office 2010 の提供が始まると、さまざまなフィードバックが寄せられると思います。皆様からのフィードバックを参考に、より直観的で使いやすいソフトウェアの作成に努めていきます。

Office Design Group (ODG) の今後の投稿予定

ODG では、今後も、"Office 2010 ユーザー研究および設計 " について、このブログにさまざまなトピックを投稿する予定です。いくつかの質問については私の同僚が回答します。

  • ODG で使用している研究ツールと技法について - Office 2010 を提供するにあたり、ODG で使用したさまざまな研究ツールと技法について説明します。
  • ODG で使用している設計ツールと技法について - Office 2010 を提供するにあたり、ODG で使用したさまざまな設計ツールと技法について説明します。
  • ビジュアル要素とブランド イメージを生むために ODG で実施したプロセス - Office 2010 のビジュアル要素とブランド イメージが生まれるまでの成功秘話を明らかにします。
  • ユーザーの使用状況を把握するために ODG で利用している方法 - ODG では、ユーザーが Office プログラムをどのように使用しているかを把握するために、カスタマー エクスペリエンス向上プログラムを利用しています。ODG がどのような方法でユーザーの使用状況を把握しているかについて納得できたら、ぜひ、プログラムに参加して、Office 2010 開発時の設計に関する意思決定にご協力ください。

コメントやこの投稿および今後の投稿について質問をお寄せください。

原文の投稿日: 2009 年 10 月 6 日 (火曜日) 午前 12:09 投稿者: OffTeam

これはローカライズされたブログ投稿です。原文の記事は、https://blogs.technet.com/office2010/archive/2009/10/06/designing-with-customers-in-mind.aspx をご覧ください。