Microsoft Office Backstage (パート 3 - [情報] タブ)

こんにちは。私は Office User Experience チームでプログラム マネージャーを務める Marina です。これまでのブログ投稿で、新しい Backstage ビューについてご説明し、この機能が印刷エクスペリエンスの向上にどのように役立つかについて、お読みいただきました。今回は、Backstage ビューを開いたときに表示される既定のタブ、[情報] タブについてご紹介したいと思います。

ドキュメントの作業を行うときはいつでも、ドキュメントの現在の状態に関して利用できる大量の情報があります。残念ながら、この情報を実際にすべて表示するのはあまり簡単なことではありません。また、表示される場所も、ダイアログ、タイトル バー、ステータス バー、プロパティ ダイアログ、さらには Windows エクスプローラーに至るまで、アプリケーションのさまざまな部分に散らばっています。
常に表示される情報 (ステータス バーに表示される文字カウントなど) がある一方で、探す方法を知っていなければ表示できない情報もあります (ファイルのプロパティで表示されない個人情報はありませんか)。さらに、Office アプリケーション内からアクセスできない情報さえあります (ファイルへのフル パスはおわかりですか)。

ユーザーのドキュメントの情報は、製品内のさまざまな場所で見つけることができます。

ドキュメントの情報を表示する各種のダイアログ

Office 2010 では、ユーザーのドキュメントに関して利用できるすべての情報を 1 つの便利な場所で確認する方法を提供しています。それに止まらず、この情報をすぐに利用できるようにしているので、ユーザーが自分自身で探し回る必要はありません。作成したファイルを就職の応募先に送信する前にいくつもの機能を実行する手順を覚えておく必要はなくなりました。また、自分のドキュメントの状態が不明な場合、ドキュメントをパブリック共有に保存する際にそのことを通知できるようになりました。

Backstage ビューの [情報] タブは、次のすべての情報が整理される場所です。

Office 2010 [情報] タブの例

ドキュメントの作業を便利にすることに役立つ [情報] タブには多くの機能が表示されますが、私のお気に入りの機能をいくつかご紹介します。

ドキュメントの最も基本的なプロパティをいくつか覚えておくと、操作を決定するのに役立つことがあります。[情報] タブを使用すると、 ドキュメントがいつ最後に変更されたかだれが変更したか をひとめで確認することができるようになりました。ドキュメントの ファイル サイズ についても、いったんアプリケーションから離れて Windows エクスプローラーで検索しなくても確認できます。

ドキュメントのプロパティの例

これまで Office アプリケーション内から実行することが容易ではなかった他の操作の 1 つに、 作業中のドキュメントのフル パス を取得することがあります。このパスが [情報] タブに表示されるようになったので、必要なときにいつでもコピーして貼り付けることができます。

[情報] タブに表示されるようになった作業中のドキュメントのパス

ドキュメントが誤って変更されないように保護しながら、必要な場合に編集できるようにするには、[ 最終版にする ] 機能を使用します。[情報] タブでそのドキュメントを最終版にすることを示すためのラジオ ボタンをクリックするだけです。

[情報] タブのアクセス許可の編集

ドキュメントが読み取り専用になり、このドキュメントが最終版としてマークされていることをだれでも確認できます。他のユーザーはファイル内の何かを変更したい場合に、この状態を変更する方法を容易に理解することもできます。

自分のドキュメントの状態を確認できることの価値

Backstage の設計に際して、私たちが意識していたことの 1 つは、ドキュメントのその状態を提供する 機能説明 を提示するのではなく、 ドキュメント現在の状態 に関する情報を提示することが大切だということです。

"暗号化を追加してドキュメントのセキュリティを高める" ことについて、その機能を使用するかどうか (または既に適用済みかどうか) をユーザーに判断してもらうことではなく、"だれでもドキュメントのどの部分でも開いたり、コピーしたり、変更したりできる" ということに重点を置いています。ドキュメントの現在の状態を確認できると、その状態を変更するために使用できるある特定の機能を使用するかどうかの決定が容易になります。

Office 2007 の Office メニューでは、"ドキュメントの配布を準備する" ために使用できる機能の一覧が表示されます。

Office 2007 の Office メニューの配布準備ツール

Office 2010 の Backstage ビューでは、単に使用できる機能の一覧を示すのではなく、ドキュメントの現在の状態を提示します。その際、最初にユーザーが自分で機能を実行する必要はありません。

一般的な [情報] タブの機能

もちろん、ドキュメントが既定以外の状態であれば、ドキュメントの最新の状態を提示するために情報が更新され、特別なことが行われていることを示すために、その状態が 強調表示 されます。

強調表示された [情報] タブのアクセス許可

ドキュメントの状態を示すことが有用な別の例として、 ドキュメント検査 機能があります。この機能は、ドキュメント内全体をスキャンし、他の人に見せたくない、個人情報 (作成者名など) や非表示のコンテンツ (非表示のシートやコメントなど) を検索します。

残念ながら、これまでのバージョンでは、そのコンテンツがドキュメント内にあるかどうかを確認するには、自分でその機能の実行方法を覚えておく必要がありました。Office 2010 では、自分でそうした機能を実行しなくても情報を表示できます。

[情報] タブの共有の準備

Backstage ビューの [情報] タブ内のこのセクションをざっと眺めると、存在を忘れていたり削除することが必要なコメントや非表示のワークシートがドキュメントに含まれていた場合に、容易に発見できます。

コンテキスト情報

すべてのドキュメントに付随する情報 (ドキュメントのプロパティ、アクセス許可の情報、非表示の情報の存在など) のほかに、ユーザーのドキュメントが特殊な状態にある場合は、そのことを確認する情報を提示します。このコンテキスト情報を常に表示する必要があるとは限りません。常に表示されるようにした場合、ドキュメントの取りうるすべての状態について頻繁に情報が表示されることになります。そこで、ドキュメントが特殊な状態にあり、結果に対処するアクションがある場合にのみ、表示するようにできます。

たとえば、ユーザーのワークブックに 無効になっているマクロ があり、そのマクロはファイルが正しく機能するために必要であるにもかかわらず、コンピューターが攻撃されることを防止するためにブロックされているとします。この場合、[情報] タブにはこのコンテキスト情報が表示され、マクロを有効にすることができるようになります。

[情報] タブのセキュリティの警告

表示されるコンテキスト情報のもう 1 つの例として、以前のバージョンの Office で作成されたファイルで作業している場合があります。この場合には、ドキュメントは 互換モード で開かれており、豊富な新機能の一部は無効になっています。この状態は [情報] タブに反映されているので、最新バージョンの機能を使用する場合は、ファイルを最新バージョンに変換できます。

[情報] タブの互換モードの情報

また、ユーザーのドキュメントが SharePoint サイト に置かれており、共同編集、ワークフロー、チェックアウト、ポリシーなどの機能をユーザーが使用する場合、[情報] タブには、そのドキュメントに対してどのような操作が行われているかが常に表示されます。 たとえば、ユーザーにワークフロー タスクが割り当てられている場合、[情報] タブに次の情報が表示されます。

[情報] タブのワークフローの情報

お読みいただき、ありがとうございました。この情報を活用して、ドキュメントの操作を楽にすることにお役立ていただければ幸いです。ご意見をお待ちしています。

-Marina

Posted: Tuesday, August 11, 2009 2:42 PM by OffTeam

Filed under: Backstage

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