Backstage ビューの進化

Technical Preview ビルドの試用にご協力いただいた皆様に対して、新機能の Backstage ビューに関してこれまでにいただいたすべての貴重なフィードバックに感謝いたします。Technical Preview ビルドのリリース以降、Backstage ビューに対して行われた設計変更の紹介のご要望を多数いただいています。これらの変更の一部について、このブログで説明します。ここでお見せするスクリーンショットは、今秋リリース予定の Beta 版の暫定的なビルドから取得したもので、今後変更される可能性があることにご注意ください。ユーザビリティ ラボで得られた情報に基づいて設計の調整を続けていきます。Technical Preview を試用されている皆様からのフィードバックを引き続きお待ちしています。

[ファイル] ボタン
このリリースの開始当初から、[印刷]、[保存]、[開く] などの一般的なコマンドを Office 2007 より見つけやすくすることに取り組んできました。Office 2007 で Office メニューを作成した際に、Fitt's Law (フィッツの法則) に対して最適化しました。この法則によると、マウスを左上隅に置いておき、これらのコマンドにアクセスすると、操作が非常に容易になります。Office ボタンをすぐに発見したユーザーにとって、これは Office を使いやすくするための、小さくてもすばらしい機能でした。残念ながら、この設計は従来の形ではなく、私たちが追加した残りのリボン UI とも異なっていたため、一部のユーザーにとって Office ボタンを最初に見つけるのは簡単ではありませんでした。Office ボタンを見たユーザーの多くは、それが機能を実行するボタンではなく、ブランドを示す装飾と思われたようです。

Technical Preview ビルドでは、このフィードバックへの対応に踏み込みました。最初に、Office ボタンを他のリボン タブと同じ行に置きました。 Office ボタンの位置が、ユーザーがこれを装飾用ロゴと思ってしまう最も大きな要因だったためです。次に、形も装飾的な丸いボタンからタブに見えるようなボタンに変更しました。最後に、矢印をボタンに追加して、クリックできることに気付きやすくしました。

このような変更によって、ユーザーが最初にこのボタンをすばやく見つけることができるかという観点からのユーザビリティ テストにおいて、格段の進歩が見られるようになりました。しかし、初めて見たときの見つけやすさをさらに向上する必要があると考えています。つまり、このボタンは、アクセスできる機能を容易に見つけられるようなものでなければならないということです。ユーザビリティ ラボでは、"ファイル" のような言葉の表示こそが UI に求められているものだというご意見をユーザーの方々からいくつもいただきました。これまで長い間慣れ親しんできた [ファイル] メニューから [名前を付けて保存]、[印刷] などのコマンドを選ぶ方法は、確かに急には変えることができない習慣です。そこで、いただいた多くのご意見を取り入れて、Beta リリースではタブに "ファイル" ラベルを付けました。これによって、ユーザビリティ ラボでは大きな成果が表れ、Backstage ビューを初めて使用するときの機能の見つけやすさが大幅に向上したことが確認できました。

Technical Preview: Beta (今秋リリース予定):

[戻る] ボタンの廃止
これまで取り組んできた課題の一つに Backstage への移動とそこからの移動のナビゲーションがあります。Backstage ビューはドキュメントを対象としているので、ユーザーがドキュメントに移動して戻ることができるように [戻る] ボタンのメカニズムを作成しました。残念ながら、この設計にはそれまでにも存在した問題がありました。右上隅の "X" (閉じる) ボタンの動作と混同し、"戻る" が実際に意味すること (ブラウザーでのように動作するのか) とは違う動作が想定され、クリックするのに戸惑うことになります。

重要な変更として、Backstage ビューを操作中は、リボン タブを引き続き表示し使用できるようにしておきました。これにより、Backstage が他のリボン タブと同じように動作します。試用したユーザーは既にこの操作に慣れています。他のリボン タブに切り替えるのと同じように、ドキュメントに戻ってそれらのコマンドを使用するには、ドキュメントのサムネイルをクリックすること、Esc キーを押すこと以外に、単に他のリボン タブのいずれかをクリックすることもできます。

Technical Preview:
Technical Preview の [戻る] ボタン

Beta:
Beta 版の Backstage ビュー上部

ビジュアル要素の更新
Backstage ビューの最終的なビジュアル要素の実装にも取り組んでいます。デザイナーが、Backstage が参照しやすいように、またドキュメントと Backstage 間の移動がスムーズに感じられるようにするための、ビジュアル要素の開発を進めています。

Word Beta 版のビジュアル要素

PowerPoint Beta 版のビジュアル要素

ナビゲーション コマンドの整理
Backstage ビューの左側にある "クイック コマンド" の効率性を高めることも行いました。[上書き保存]、[名前を付けて保存]、[開く]、[閉じる] などのコマンドは [情報] タブの下には表示されなくなり、実際には、以前のバージョンにあった場所より [ファイル] ボタンに近くなっています。[オプション] と [終了] も最後のタブには関連付けられなくなりました。このタブに配置されるコマンドを反映するように、このタブの名前は [ヘルプ] に変更されました ([ヘルプ] タブは Office 2003 の [ヘルプ] メニューにあったコマンドの置き換えと見なすことができます)。

Technical Preview: Beta 版:

最近使用したドキュメント
最近使用したドキュメントに効率的にアクセスできることが重視される場合があります。この操作にはいくつかの方法があります。まず、[最近使用したファイルを開く] コマンドをクイック アクセス ツール バー (QAT) に追加する方法があります。QAT の右側部分のクイック カスタム メニューにドロップするだけです。

クイック カスタム メニュー

QAT の [最近使用したファイルを開く] ボタンをクリックすると、Backstage ビューの [最近使用したファイル] タブが直接開きます。

[最近使用したファイルを開く] ボタン

複数の最近使用したドキュメントを直接ナビゲーション ウィンドウ (Backstage ビューの左側部分) に追加することも選択できます。[最近使用したファイル] タブの下部には、複数の最近使用したドキュメントをウィンドウに表示することを選択できる新機能があります。

この機能は、次の図のチェックボックスをオンにして有効にできます。

[最近使用したブック] のチェック ボックス

選択した複数のドキュメントは、Backstage ナビゲーション ウィンドウの上部にある他の "クイック コマンド" と一緒に表示されます。

ナビゲーション ウィンドウの MRU 項目

この機能を有効にすると、この機能の操作にキーボード ストロークの組み合わせを使用できるようになります。Alt + F + 1 (2、3、...) を押すと、最も最近使用したファイル (2 番目に最近使用したファイル、3 番目に最近使用したファイル、以下同様) が開きます。最近使用したドキュメントの一覧の固定表示を使用する (お気に入りのドキュメントが一覧の上部に表示されます) ユーザーの場合は、最近使用したかどうかにかかわりなく、Alt + F + 1 (2、3、...) のキーボード ストロークを使用してお気に入りのドキュメントにアクセスできます。

固定表示されたドキュメントおよび最近表示したドキュメントに、キーボードを使用してアクセスできるようになりました。

ナビゲーション ウィンドウの MRU 項目のキーボートによるアクセス

これまでにいただいた貴重なフィードバックすべてに対して感謝いたします。また、ここでご紹介した変更が、新しい Backstage ビューを使用した作業の生産性の向上に役立つことを願っています。変更に関するご意見をぜひお聞かせください。Office 2010 に関するフィードバックを引き続きお待ちしています。ベータ版のリリースが今秋に予定されていますので、どうぞご期待ください。

Marina、Office User Experience チーム プログラム マネージャー

Posted: Monday, August 17, 2009 10:29 PM by OffTeam

Filed under: Backstage

これはローカライズされたブログ投稿です。原文の記事は、https://blogs.technet.com/office2010/archive/2009/08/17/evolving-the-backstage-view.aspx をご覧ください。