リアルタイム プレビューの貼り付け - 強化された貼り付けオプション

Office ユーザー エクスペリエンス チームのプログラム マネージャー、Mirko Mandic です。 今日の投稿は、Office のコマンドの中で最もよく使用される "貼り付け" の、Office 2010 での改善点に関するものです。

"貼り付け" は便利なコマンドですが、期待したように動作してくれないことがあります。 ユーザーからのフィードバックと、使用状況のデータ ("貼り付け" は、最もよく元に戻される動作です) から、貼り付けられた部分が期待したとおりにならないことがよくあるのがわかります。 そのままで貼り付けられた部分の書式を正しい状態に変更するのには、時間がかかる場合があります。 "貼り付け" を元に戻したり、やり直したりすることは、面倒で、仕事の流れを妨げます。 美しいドキュメントを完成させるためのちょっとした寄り道のはずが、(あるユーザーの言葉を借りれば) 追加の "修繕費" が必要になるような、複雑なタスクになってしまう場合があります。

 Word の表を表の中に貼り付けたときに起こり得る結果の比較。例では、ネストされた表と、結合された行が使用された表とを対比して示しています。Offie 2010 ではどちらもすぐに実現できます。

Office アプリケーションに貼り付けを行うときに望ましい結果になるように、独創的な方法を見つけていた Office ユーザーもいます。 たとえば、一部のユーザーによると、書式設定を外すために、Office アプリケーションに貼り付けを行う前にメモ帳を "経由する" とのことでした。

Office の以前のバージョンには高性能な貼り付けツールがありましたが、十分に利用されていませんでした。 [形式を選択して貼り付け] ダイアログで、特定の貼り付けの形式 (数式や書式設定のみの貼り付けなど) を選択することによって、目的とする結果を実現できました。 残念ながら、これらのツールを見つけたユーザーはわずかでした。 また、ツールを利用する場合にもいくつか課題がありました。貼り付けの形式の名前が、結果を示す十分な説明になっていないことが多く、このダイアログを経由しての貼り付けには、クリックが何度か必要で、マウスの移動が多く必要でした。

Excel の [形式を選択して貼り付け] ダイアログ

Office の "貼り付け回復" の機能で、貼り付けが行われた後に、別の貼り付けオプションを使用できるようにすることによって、貼り付けがうまくいかなかったものの修正を支援するようになっていました。 Word では、[オプション] ダイアログで、既定の貼り付けの形式を変更できます。 一部のユーザーからはこれらの機能の便利さをご評価いただきましたが、[形式を選択して貼り付け] ダイアログと同様に、見つけやすさと効率の問題で、幅広くは利用されていないようです。

Word 2007 の貼り付け回復

Office 2010 では、[形式を選択して貼り付け] ダイアログと貼り付け回復の機能の豊富な機能が、新しい貼り付けオプションのギャラリーに組み合わされています。 貼り付けオプションのギャラリーにはリアルタイム プレビューの機能があります。貼り付ける各アイテムをポイントすることによって、実際の書式設定で貼り付けをプレビューできます。 新しい貼り付けオプションのギャラリーは、1 回の操作で適切な結果を得るのに役立ちます。また、貼り付けを行って、元に戻して、再度試すという繰り返しのプロセスをなくすことによって、コピーとドキュメントへの貼り付けのタスクを迅速かつ容易にします。

貼り付けオプションのギャラリーが表示される場所は、リボン、右クリックのコンテキスト メニュー、および、ドキュメント内で貼り付けを行った部分の近くに表示される貼り付け回復オンオブジェクト UI (OOUI) の 3 つです。

 リボン、コンテキスト メニュー、および OOUI の 3 つの UI の場所に表示される貼り付けオプション

貼り付けオプションのギャラリーには、状況に応じた内容が表示されます。 コピーしたものと、貼り付けが行われようとしている場所に応じて変化します。 たとえば、Excel からデータをコピーした場合は、Word からテキストをコピーした場合とは異なる貼り付けの選択肢のセットが表示されます。

 2 つのパターンの貼り付けオプションのセット。Excel のセルの場合と、テキストおよびテーマの選択肢の場合。

[テキストのみ保持] は、さまざまな状況で役に立つ貼り付けの形式です。 貼り付けオプションのギャラリーに含まれている場合は、見つけやすく、選択しやすいように、必ずギャラリー内で最後の項目として表示されます。 同様に、ギャラリー内の最初のオプションは、ほとんどの場合、既定の貼り付けオプションで、以前のバージョンで Ctrl キーを押しながら V キーを押して貼り付けを行うときに使用されていた形式です。

右クリックして表示された貼り付けオプションのギャラリーでオプションをポイントすると、リアルタイム プレビューに加えて、次の 2 つの動作が発生します。

- 他の UI は "邪魔にならないように" 透明になります。 このため、リアルタイム プレビューで見える範囲が効果的に広がり、結果のプレビューと適切な貼り付けオプションの選択に役立ちます。

- ヒントが表示され、オプションの名前とアクセス キーの情報が示されます。 ヒントは、ギャラリーから正しいオプションを選択できるように、リアルタイム プレビューを補足するものです。また、この機能の新しいグラフィック表示に慣れるための移行期間にユーザーをサポートするものとしても重要です。

 プレビュー中に透明なコンテキスト メニューを表示する、リアルタイム プレビューの貼り付け

Ctrl キーを押しながら V キーを押すショートカット キーを使用して貼り付けを行うユーザーはたくさんいます。 貼り付けオプションのギャラリーが、そのユーザーにとっても同様に役に立つようにしています。 貼り付け回復 OOUI は、以前のバージョン (Alt + Shift + F10 で、貼り付け回復 OOUI を表示できることはほとんど知られていませんでした) よりも非常に簡単に、キーボードを使用してアクセスできるようになりました。 Office 2010 では、Ctrl キーを押しながら V キーを押すショートカットを使用した後に、Ctrl キーをもう 1 回押すだけで、新しい貼り付けオプションのギャラリーが表示され、別の貼り付けオプションに変更できます。 マウスでポイントした場合の動作と同様に、ギャラリー内のオプションにキーボード フォーカスが移動されると、オプションの名前とアクセス キーの情報がヒントで表示されます。

 貼り付けを行った後に Crtl キーを使用して表示できる貼り付けオプションのギャラリー

貼り付けオプションを UI の上位のレベルで表示することで、キーボードを使用するユーザーに対してもマウスを使用するユーザーに対しても同様に、ドキュメントに貼り付けを行うタスクが改善されることを目的として、このタスクがより効率的になるようにしています。 以前は ([形式を選択して貼り付け] または貼り付け回復 OOUI から) キーボード操作を多数必要としていた貼り付けのタスクは、キーボードを 2 回押すだけで完了できるようになりました。コンテキスト メニューを表示するためにコンテキスト メニュー キーを押し、続いて目的とする貼り付けオプションのアクセス キーを押すだけです。 マウスを使用する場合は、何回ものマウスのクリック (および、マウスの多くの移動) が必要でしたが、2 回クリックするだけになりました。コンテキスト メニューを表示するために右クリックして、貼り付けオプションのギャラリーで目的とする貼り付けオプションをクリックするだけです。

Office 2010 Technical Preview の貼り付けオプションのギャラリーよって、以前よりも少ないクリックで、より短時間に、見栄えのよいコンテンツが簡単に作成できるようになっていたら幸いです。また、引き続き、この件についてのフィードバックをお待ちしています。

Posted: Thursday, September 10, 2009 12:56 AM by OffTeam

Filed under: 貼り付け

これはローカライズされたブログ投稿です。原文の記事は、https://blogs.technet.com/office2010/archive/2009/09/10/live-preview-paste-get-the-results-you-want-quickly.aspx をご覧ください。