Azure のアラートがより統一されたものに

執筆者: Ananth Radhakrishnan (Program Manager, Microsoft Azure)

このポストは、2019 年 4 月 2 日に投稿された Alerts in Azure are now all the more consistent! の翻訳です。

 

Azure Monitor のアラートは、メトリック、ログ、アクティビティ ログといった多様なテレメトリに豊富なアラート機能を提供します。マイクロソフトは、この 1 年をかけて UX や API といったアラート関連の利用の共通化を進め、エクスペリエンスの統一を図ってきました。しかし、ペイロードのフォーマットはばらばらのままで、テレメトリに基づくアラートの種類ごとにフォーマットが異なっていました。このため、相互の連携をいくつも構築し、メンテナンスする必要があり、ユーザーの負担となっていました。そこでマイクロソフトは、本日新たに共通アラート スキーマをリリースし、すべての種類のアラートに対応する単一の拡張フォーマットを提供しました。

共通アラート スキーマとは?

共通アラート スキーマにより、Azure Monitor で生成されたすべてのアラートのペイロードが 1 つの統一された構造になります。すべてのアラート インスタンスで、以下のセクションから成る共通のスキーマに従い、問題が生じているリソースとアラートの原因が示されます。

  • 基本情報: 全種類のアラートに共通の標準フィールド。アラートが発行されたリソースと、重大度や内容などの補足的なメタデータが格納されます。
  • アラート コンテキスト: アラートの原因の詳細情報が格納されるフィールド。アラートの種類によって異なります。たとえば、メトリック アラートでは、アラート コンテキストにメトリック名とメトリック値などのフィールドが含まれ、アクティビティ ログのアラートでは、アラートが生成されたイベントの情報が格納されます。

どんなメリットがあるか?

お客様に伺ったところ、IT 運用チームでも DevOps チームでも、サブスクリプション ID やリソース グループといったメタデータに基づいて、アラートを適切なチーム (または待機中の担当者) に送信するというワークフローが一般的だということです。共通アラート スキーマを利用すれば、アラートをルーティングするために必要な基本情報と、担当チーム (担当者) が問題を調査、修正するために必要なその他の関連情報が明確に区別されるため、このワークフローがさらに効率化されます。

個々のフィールド、バージョンの扱い、スキーマに関するさらに詳しい情報は、こちらのドキュメント (英語) をご覧ください。

どのような影響があるか?

Azure のアラートをメール、Webhook、外部ツール、その他の方式でご利用の場合は、以下をご確認ください。

  • メール: メール テンプレートが統一され、より詳細なものになります。問題の原因をひとめで特定できるほか、発端となった出来事や影響の出ているリソースの詳細へのディープリンクを通じて、速やかにインシデント対応プロセスに取り掛かれるようになります。
  • SMS: SMS テンプレートが統一されます。
  • Webhook 、Logic Apps、Azure Functions: JSON の構造が統一され、各種のアラートをより簡単に統合できるようになります。

新しいスキーマの活用で、Azure Portal と Azure モバイル アプリの両方の活用範囲がさらに広がります。この機能強化による変更の詳細については、こちらのドキュメント (英語) をご覧ください。

既存の統合環境から切り替えるべきか?

既存のスキーマで統合環境がある場合でも、切り替えるメリットは多数あります。

  • アラートの構成が統一されるため、統合作業が減り、連携部分の管理やメンテナンスのプロセスが簡素化されます。
  • 豊富な診断情報、カスタマイズ機能など、リッチなペイロードはこの新しいスキーマでしか利用できません。

新しいスキーマを入手するには

既存の統合環境を壊すことがないよう、共通アラート スキーマはオプトインもオプトアウトも可能です。

Screenshot display for adding an action group

Azure Portal でのオプトイン/オプトアウトするには、

  1. アクション グループの既存または新規のアクションを開きます。
  2. スクリーンショットのとおり、[Yes] に切り替えると、共通アラート スキーマが有効化されます。

一括でオプトインしたい場合は、アクション グループ API を使用すると、作業を自動化できます。共通アラート スキーマ用の統合環境の構築や、各アラートのアラート コンテキストの構成については、こちらのドキュメント (英語) をご覧ください。

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