IoT でスマート シティを実現: Azure Maps と Azure Digital Twins の新しいパートナーシップ


執筆者: Chris Pendleton (Principal PM Manager, Azure Maps)

このポストは、2018 11 6 日に投稿された IoT for Smart Cities: New partnerships for Azure Maps and Azure Digital Twins の翻訳です。

 

今回は、Azure IoT 担当シニア プログラム マネージャーを務める Julie Seto と共同で執筆した記事をご紹介します。

スマート シティ分野では、ここ数年、デジタル トランスフォーメーションが特に活発に進められています。都市化が急速に進む地域では、安全で利用しやすい街作りのために、経済の強化、環境資源の管理、公害の軽減などが必須の課題となっています。最先端の大都市が持続可能でインクルーシブな社会の繁栄を目指すには、クラウド、AIIoT などのテクノロジを活用したデジタル トランスフォーメーションが不可欠です。リアルタイムのインテリジェンスを利用することで、交通渋滞や洪水からインフラの最適化や整備まで、都市イベントの監視、予測、管理を行うことができます。

今年初めに、マイクロソフトは今後 4 年間で IoT 分野に 50 億ドルの投資を行うことを発表しました。そして、この 1 年間だけで IoT ポートフォリオに多くの新ソリューションを追加してきました。Azure Maps Azure Digital Twins は、モビリティ ソリューションやスマート インフラストラクチャ ソリューションの開発といった複雑な課題に対応する都市を支援するプラットフォームです。ちょうど 1 年前に発表した Azure Maps (英語) は、マップ、ナビゲーション、交通状況、地理空間サービスなどを含む Azure の位置情報インテリジェンス ポートフォリオです。また、先日 Ignite で発表した Azure Digital Twins は、人、デバイス、周囲の環境の関係をモデル化して、空間インテリジェンスを得ることができるサービスです。この 2 つのサービスを組み合わせることで、空間インテリジェンス、詳細な地理情報、位置ベースのサービスから詳細なインサイトを引き出せるようになります。

 

このたび、さらなるスマート シティ化を推進するために、マイクロソフトは Azure IoT パートナーが開発したプラットフォームおよびソリューションに関する戦略的パートナーシップを発表しました。

昨年、AutoMobility LA にてパブリック プレビュー版 Azure Maps ( Azure Location Based Services) を発表したとき、Azure IoT 担当ディレクター Sam George スマート シティにおけるマップの重要性 (英語) について次のように述べました。「Azure Maps には製造から小売、自動車、それに関連するあらゆる業界の変革できる地理データが含まれており、これがスマート シティ、インフラストラクチャ、IoT ソリューションを強く結びつけるのです」。マイクロソフトは、これをより強化するために Moovit Inc. と新たにパートナーシップを結びました。

Moovit は、Azure Maps を利用した Public Transportation Routing サービス (別名 Transit Routing) Microsoft Azure でネイティブに提供します。これが統合されれば、Azure のお客様は、スマート シティ、交通機関、自動車、フィールド サービス、小売などのさまざまなアプリケーションで移動ルートを検索できるようになります。IoT におけるメリットは、公共交通機関の利用者数、交通機関/ライドシェア/運転/自転車のコスト効率、新たな交通手段導入の正当性、道路や駐車への追加課税などに関するインサイトを引き出せるようになることです。Moovit のサービスは Azure Maps にネイティブであるため、自動車 (交通状況、HOV レーン、有料道路の回避など)、徒歩、タクシー、オートバイなどのユーザーの通常の移動手段を補完する目的で利用することができます。

郊外へ移住する人が増加する中、多くの人は中心部までの通勤距離が長くなっても公共交通機関を利用したいと考えています。自動車の利用という観点から言えば、多様な交通手段を提供する目的で公共交通機関の情報を自動車へ統合することで、ライドシェア センターや乗り継ぎ駅まで自動車で通勤し、市内では電車やバスを利用するといったことが可能になります。これにより、渋滞の緩和に加え、燃料費や駐車料金を節約できるようになります。さらに、郊外に駐車することで、市内の二酸化炭素排出量や騒音公害の抑制にもつながります。国際公共交通連合 (英語) の統計によると、2017 年には全世界の 178 の地下鉄の年間利用者数は合計 530 億人に到達しました。この 6 年間で 87 億人 (19.5%) も増加しています。Moovit とのパートナーシップにより、Azure は、社内アプリケーションやインサイトを利用する企業のお客様と、公共交通機関を利用する個人のお客様のどちらのニーズにも応えるサービスを提供できるようになります。

Moovit をパートナー企業として迎えられたことはとても光栄です。同社は、位置情報分野で高く評価されている革新的な企業であり、その豊富な位置データとサービスは Azure にもお客様にも大きな影響力をもたらすでしょう。

クラウド、AIIoT などのテクノロジは、施設やインフラストラクチャの管理の強化に加えて、エネルギー効率、空間利用率、利用者の満足度の向上にも利用できます。このビジネス チャンスを活かすために、マイクロソフトは 9 月に Azure Digital Twins のパブリック プレビューを発表しました。これは、あらゆる物理環境に適用できる空間認識対応ソリューションを構築するための包括的なデジタル モデルを使用したプラットフォームです。Azure IoT 担当パートナー グループ プログラム マネージャーを務める Bert Van Hoof は次のように述べています。「本当のスマート シティを実現するためには、クロス ドメイン ソリューションを相互に接続してデータを共有する必要があります。Azure IoT の空間インテリジェンスを利用することで、その価値はさらに広がり、持続可能でインクルーシブかつ快適な空間を生み出すことができます」。

 

Azure Maps Azure Digital Twins はどちらも IoT ポートフォリオに追加されたばかりですが、既に複数のパートナー企業が安全なスマート シティの実現に向けた取り組みにこれらのプラットフォームを利用しています。たとえば、LTI (英語) は、Azure Maps を活用し Advanced Operations Center で都市全体のイベントを一元管理しています。また、LTTS Azure Digital Twins でコネクテッド キャンパス全体の設備管理を強化しています。

都市インフラストラクチャの管理はコストがかさむうえに、市庁舎、図書館、コミュニティ センターなど、さまざまな施設を都市ごとに効率的に運営していく必要があります。この課題を解決するために、人を中心とした効率的な施設作りの方法を見出したパートナー企業があります。View (英語) では、自然光を取り込み、頭痛、眼精疲労、眠気を大幅に軽減して、精神的、身体的な健康を推進する新世代のダイナミック窓ガラス「View Dynamic Glass」を製造しています。さらに、このガラスは眩しさを緩和して熱を遮断し、建物のエネルギー効率を最大 20% 向上させます。Azure Digital Twins とその他の Azure IoT プラットフォーム コンポーネントを組み合わせることで、View は専門知識を活かして利用者の満足度とエネルギー効率の向上につながるスマート ビルディングを作り出すことができました。

LTI は、Azure Maps Azure Digital Twins を統合したスマート シティ ソリューションの開発に成功したパートナー企業です。地域や都市の管理チームの課題は、交通状況や公共交通機関から犯罪や事故、環境に関するアラートといった街のあらゆる出来事を把握して、適切なリソースを適切な順序で配備し、責任を持って都市運営を管理することです。LTI はこれに応えるために、都市運営と対応管理を追跡、管理する包括的でインテリジェントな Advanced Operations Center ソリューションを開発しました。管理担当者は、使いやすいインターフェイス上で都市全体のさまざまなイベントをリアルタイムに把握および管理することができます。

Advanced Operations Center では、Azure Maps など複数の Azure サービスを活用して、市内の各種センサーのリアルタイム テレメトリを取得します。単一のインターフェイスを使用して各種イベントの状況をリアルタイムで把握できるほか、GIS ツールを使用して詳細な分析、対応管理の最適化、過去の傾向追跡、近隣都市との協力などを行うこともできます。ダッシュボードでは、衛星画像、グレースケール マップ、標準の Azure Maps のいずれかの基本マップを選択して、シームレスにカスタマイズ (画像 1) することができます。

City Operators can configure the base map, choosing from a range of different imagery styles

画像 1: 複数の画像形式から基本マップを選択して構成します。

また、Azure Maps の交通状況サービスを利用して、リアルタイムの交通量とインシデント データを表示することもできます。ズームのレベルに合わせて詳細が動的に変更されます (画像 23)Advanced Operations Center では、イベントごとに設定されている標準運用手順を実行して、さまざまな状況に効果的に対応することができます。イベント通知を使用すると、イベントをすばやく追跡して共有することができます (画像 4)

Single pane in Azure Maps

Multiple categories of city events in Azure Maps

画像 23: 単一のウィンドウで複数のカテゴリの都市イベントを視覚化および管理します。

Measurements and alerts relating to different city events in Azure Maps

画像 4: さまざまな都市イベントに関連する最新の測定値やアラートを追跡します。

SCE Streetlight

画像 5: 上のスクリーンショットの街灯など、マップ上の各種センサーにカーソルを合わせると、そのデバイスに関連するステータスの最新情報をすばやく取得できます。

 

Smart City Expo World Congress

マイクロソフトはデジタル トランスフォーメーションを推進する都市とさらにつながるために、業界最大手の都市化イベント「Smart City Expo World Congress」に参加し、スマート シティ実現に向けたテクノロジやパートナー企業を紹介します。マイクロソフトのブース (Gran ViaHall P2Stand 213) にぜひお立ち寄りください。SCEWC 2018 カンファレンスの詳細についてはこちらのページ (英語) をご確認ください。また、ブースで開催される以下のシアター セッションにもご参加ください。

  • Julie Seto、シニア プログラム マネージャー: 11 13 () 午後 2:30
  • Chris Pendleton、主任 PM: 11 14 () 午後 3:00

 

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