Microsoft 365 で Azure 上のモダン デスクトップを実現

執筆者: Julia White (Corporate Vice President for Microsoft Azure)、Brad Anderson (Corporate Vice President for Microsoft 365)

このポストは、2018 年 9 月 24 日に投稿された Microsoft 365 adds modern desktop on Azure の翻訳です。

 

本日マイクロソフトは、Windows と Office の最も優れた仮想化エクスペリエンスを Azure 上で提供する Windows Virtual Desktop を発表しました。Windows Virtual Desktop はクラウド ベース サービスとして唯一、マルチユーザー Windows 10 エクスペリエンスを提供し、Office 365 ProPlus に最適化され、無料の Windows 7 延長セキュリティ更新プログラムを提供するサービスです。Windows Virtual Desktop を使用することで、セキュリティとコンプライアンスの機能が組み込まれた Windows と Office を数分で Azure 上にデプロイおよびスケーリングすることができます。

多くの企業のビジネス ニーズには、仮想化デスクトップ エクスペリエンスでしか満たせないものがいくつもあります。仮想化の目的はさまざまです。たとえば、金融サービスや医療といった厳しい規制が課せられる業界では、コンプライアンス要件を確実に満たし、機密データへのアクセスを安全に管理するために仮想化デスクトップ エクスペリエンスを必要としています。また、モバイル ワーカーやファーストライン ワーカーにとっては、デスクトップ仮想化によって、企業が所有するデータやアプリに対するアクセス権の管理とプロビジョニングを容易に行えるようになります。さらに、IT 管理者にとっては、特定の従業員による特定のアプリへのアクセスを許可する際などに、対応の幅が広がります。

Windows Virtual Desktop の概要

デスクトップ仮想化は多くのビジネス シナリオの実現を可能にする手法ですが、そのデプロイと管理には複雑な手間と高いコストが必要でした。これを解消するために、IT 管理者とユーザーの両方の利便性を考慮して開発されたのが Windows Virtual Desktop です。

Windows Virtual Desktop には次のようなメリットがあります。

  • マルチユーザー Windows 10 エクスペリエンスを提供する唯一のサービス: Microsoft Store や既存の Windows 基幹業務アプリとの互換性を確保し、以前はサーバー ベースの仮想化以外では得られなかったコスト メリットを提供します。
  • マルチユーザーの仮想シナリオで実行する Office 365 ProPlus の仮想化に最適なサービス: マイクロソフトは、仮想化による利用が最も多い Microsoft Office の仮想エクスペリエンス最適化に取り組んでいます。Windows Virtual Desktop サービス向けの Office 365 仮想化エクスペリエンスの取り組みについては、今後数か月間のうちに詳細を発表できる予定です。
  • Windows 7 仮想デスクトップと無料の延長セキュリティ更新プログラムを提供する唯一のサービス: Windows 10 への移行とレガシー アプリのサポートを、多様な選択肢で両立できるようになります。
  • Windows 仮想マシンのデプロイと管理に最も優れた拡張性を提供するサービス: コンピューティング、ストレージ、高度な診断、高度なネットワーク、接続ブローカー、ゲートウェイといった機能が Azure から提供されるため、これらのコンポーネントを数分でデプロイ、スケーリングできるようになり、お客様自身によるホスト、インストール、構成、管理が不要になります。
  • デスクトップもアプリも仮想化できる柔軟性に最も優れたサービス: 完全なデスクトップ エクスペリエンスをユーザーに提供するか、特定のアプリだけを配信するかを選択できます。Windows 10 エンドポイントに配信した仮想アプリは、ユーザー エクスペリエンスにシームレスに統合されます。
  • Microsoft 365 のセキュリティ機能や管理機能との緊密な統合: Microsoft 365 の条件付きアクセス、データ損失防止、統合管理がネイティブに組み込まれているため、あらゆるアプリとデータを保護および管理する最も安全かつシンプルなソリューションが提供されます。

Windows Virtual Desktop のエコシステム

Windows Virtual Desktop は包括的な仮想化ソリューションですが、さまざまなニーズを抱えるお客様に適したサービスを提供するためには、さらなる機能の多様化が必要です。そのためマイクロソフトは、Windows Virtual Desktop をパートナー様が以下のように簡単に拡張、強化できるプラットフォームとして構築しました。

  • Azure Marketplace を通じたサービスの拡張、強化: 現在、既に Citrix、CloudJumper、FSLogix、Lakeside Software、Liquidware、People Tech Group、ThinPrint といった主要パートナー様にご参加いただいていますが、今後さらに多くのパートナー様がご利用いただけるようになる予定です。
  • マイクロソフト クラウド ソリューション プロバイダーの広範なネットワークを利用: このネットワークを使ってお客様に Windows Virtual Desktop を提供し、サービス関連の付加価値を提供できるようになります。
  • Windows Virtual Desktop の機能との緊密な統合や、これらの機能をベースにした開発: 現在、Citrix などのパートナー様と協力して取り組みが進められています。

エコシステムのアプローチについては、近日詳細を発表します。

Windows Virtual Desktop を利用するには

Windows Virtual Desktop を Windows 10 Enterprise および Windows 10 Education のお客様に提供できることを嬉しく思います。Windows Virtual Desktop にサインアップ後、Azure サブスクリプションを作成するか既存のサブスクリプションを使用するだけで、仮想デスクトップや仮想アプリのデプロイと管理をすぐに開始できます。追加で発生するコストは、現在の Azure サブスクリプションで有効化される仮想マシン自体のストレージおよびコンピューティングの利用分だけです。また、Azure Virtual Machine Reserved Instances (RI) を始めとする既存の Azure コンピューティングのコミットメントを利用できます。

現在、年内のパブリック プレビュー提供に向けて、最後の仕上げ作業を進めているところです。パブリック プレビューへの参加をご希望の場合は、今すぐご登録いただけます。パブリック プレビュー開始までの情報につきましては、Windows Virtual Desktop の Web サイトで確認するか、マイクロソフト アカウント チームまたはマイクロソフト パートナーにお問い合わせいただきますようお願い申し上げます。