SQL Server 2016 Analysis Services のご紹介

この記事は、2016 年 5 月 16 日 に Data Platform Tech Sales Team Blog にて公開された内容です。

 

Microsoft Japan Data Platform Tech Sales Team

高木 充弘

みなさんこんにちは。SQL Server の機能の一つに、Analysis Servicesがあるのをご存知でしょうか?最初は多次元データベースとして OLAP Services が登場し、SQL Server 2012 で列ストア型インメモリDBである表形式モードが追加されました。

ここでは Analysis Services の目的、機能、開発・管理・運用方法、分析方法についてご説明致します。

Analysis Services の目的

多くの場合、BI ツールから直接データベースへ接続して検索するケースが多いと思います。利用者の方から、パフォーマンスをもっと早くしてほしい、他のデータとつなげて分析したいなどの要求に応じて、データベース設計を見直したり、データマートを個別に作成したりして大変な思いをしたご経験はありませんか?

Analysis Services では利用者のさらなる高速化の要望に応えるために、「事前集計による多次元データベース」に加えて、「インメモリアクセス」による高速化機能を実装しています。また複数のデータソースからなるデータモデリング、アクセス権限の管理機能も備えています。このビックデータ時代に蓄積される莫大な量のデータ分析に対応するため、データソースに直接クエリする機能も、SQL Server 2016 から大幅に性能が改善されました。

 

Analysis Services の3つ機能

1) 多次元モード(SQL Server 7.0 からの機能)

分析データを階層構造(日付:年>期>月>週>日、地域:地方>県>市など)にて事前集計することで、集計処理を高速化することができます。

2) 表形式モード(SQL Server 2012 にリリースした機能)

分析データのインメモリ化(列単位でデータを圧縮しメモリ上に全データを展開)により、集計処理を高速化することができます。

3) 直接参照方式(多次元モードでは「ROLAP ストレージモード」としてSQL Server 2005 から、表形式モードでは「DirectQuery モード」として SQL Server 2012 から提供している機能)

多次元モード(ROLAP)、表形式モード(Direct Query)ともに Analysis Services にデータを格納せず、分析の度にデータソースへ直接クエリすることで、データソースのリアルタイムな分析ができます。データソースの処理負荷の増大や、クエリのレスポンスはデータソースのパフォーマンスに依存することなど、十分な考慮が必要となります。

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Analysis Services の開発・管理・運用に必用なツール

1) SQL Server Data Tools (開発)

データベースの接続、リレーション設定、パーティション設定、階層作成、データ取込など、Analysis Services の開発を行うことができます。

2) SQL Server Management Studio(管理)

オブジェクトの処理、参照、クエリの作成、セキュリティ管理など、Analysis Services の管理を行うことができます。

3) SQL Server Integration Services (運用)

データベースの更新処理 (ETL) と組合せて、Analysis Services の更新処理を連携することができます。

4) PowerPivot for Excel(開発)

表形式モードの場合、PowerPivot for Excel でモデル開発を行うことが出来ます。

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Analysis Services を利用した可視化・分析方法

1) Reporting Services から接続

SQL Server Reporting Services でレポートを作成することが出来ます。

2) Power BI Service から接続

Azure で提供するクラウドベースの BI プラットフォームから接続することが出来ます。

3) Power BI Desktop から接続

Analysis Services のデータをインポートしたり、ライブ接続したりすることが出来ます。

どなたでも無償でダウンロードしてお使いいただくことができます。ダウンロードは こちら から。

4) Microsoft Excel から接続

皆さんが日々お使いいただいている Excel のピボットテーブル/ピボットで、Excel 単体では扱うことの出来ない大量データを使い、高速なデータ分析を行うことができます。

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Analysis Services のライセンス

SQL Server のライセンスに含まれておりますので、すでに SQL Server をご購入の皆様はすぐにお使い頂くことが可能です。

また SQL Server 2016 の評価版は、以下のサイトより 180 日無償でご利用頂けます。

ダウンロードは こちら から。

 

de:code2016 のご案内

日本マイクロソフトの方向性や最新情報をはじめ、クラウドやモバイルを最大限に活かせるテクノロジーを紹介するITエンジニア向けイベント 「de:code 2016」 を、5月24日~25日の2日間、ザ・プリンス パークタワー東京(東京都港区)で開催いたします。SQL Server 2016 Analysis Services に関するセッションがございますので是非ご参加ください。

セッションのご案内は こちら から。