Azure App Service で Windows コンテナーのサポートのパブリック プレビューを開始

執筆者: Andrew Westgarth (Program Manager, Azure App Service)

このポストは、2018 年 8 月 8 日に投稿された Announcing the public preview of Windows Container Support in Azure App Service の翻訳です。

 

Web Apps で Windows Server コンテナーのサポートのパブリック プレビューが開始されました。コンテナー ベースの Web アプリをサポートする Web App for Containers は、コンテナーにインストールしたものをより細かく制御したいと考える開発者向けのサービスです。

Azure App Service で Windows コンテナーがサポートされたことにより、アプリケーションを刷新する新たな機会がもたらされます。

  • PaaS へのリフト & シフト: .NET Framework アプリケーションや .NET Core アプリケーションをそのまま Azure の PaaS サービスに移行して、App Service プラットフォームの多数の生産性機能を活用することができます。
  • 依存関係を持つアプリケーション: Windows コンテナーにアプリをデプロイすることで、カスタムの依存関係をインストールできます。たとえば、カスタムのフォントやコンポーネント ライブラリをグローバル アセンブリ キャッシュ (GAC) にインストールする必要があるといった場合に便利です。
  • セキュリティ上の制約の緩和: コンテナー化されたアプリケーションをデプロイする場合は、Windows コンテナーが分離およびセキュリティの境界となります。そのため、通常は Azure App Service によってブロックされるライブラリへの呼び出しでも、Windows コンテナーで実行する場合には成功します。たとえば、PDF 生成ライブラリの多くはグラフィックス デバイス インターフェイス (GDI) API を呼び出します。Windows コンテナーを使用すると、それらの呼び出しが成功します。
  • サードパーティ製アプリケーションの移行: お客様が使用しているビジネス クリティカルなアプリケーションは、既に関係が終了したサードパーティによって開発されたものだというケースが多々あります。そのようなアプリケーションをコンテナー化すれば、Azure App Service に移行できるようになります。

Windows コンテナー向けの新しい SKU

Windows コンテナーのサポート開始に伴い、App Service プランに新たに 3 種類の Premium SKU を追加しました。これらは、Windows コンテナーを使用してデプロイしたアプリケーションをホストするための専用の SKU です。新しい SKU はいずれも Dv3 シリーズの機能を提供するもので、お客様のアプリケーションにとって選択肢の幅が広がります。Premium Container レベルでは、コンテナーを実行するために以下の 3 種類のオプションが提供されます。

  • Small (CPU 仮想コア 2、メモリ 8 GB)
  • Medium (CPU 仮想コア 4、メモリ 16 GB)
  • Large (CPU 仮想コア 8、メモリ 32 GB)

Pricing tiers

Windows コンテナーを Azure App Service でホストするサービスを検討、評価していただくために、8 月中は 3 種類の新しい SKU の無料プレビューを実施します。通常のプレビュー料金は、2018 年 9 月 13 日より適用されます。

サポート対象の基本イメージ

Windows コンテナーは常に Windows の基本イメージから作成されます。これは、Azure App Service にデプロイされる Windows コンテナーにも該当します。サービスの一部として、マイクロソフトのインフラストラクチャ上の複数の基本イメージをキャッシュして提供しています。アプリケーションの起動時間を短縮するために、それらをコンテナーの基本イメージとして使用することを推奨します。また、お客様が独自の基本イメージを使用することも可能ですが、サービス外の基本イメージを使用すると、アプリケーションの起動に時間がかかります。

.NET Framework アプリケーションをデプロイしているお客様は、Windows Server Core 2016 の Long Term Servicing Channel リリースの基本イメージを選択する必要があります。.NET Core アプリケーションをデプロイしているお客様は、Windows Server Nano 2016 の Long Term Servicing Channel リリースの基本イメージを選択する必要があります。現時点では、Windows Server 1709 リリースの基本イメージを使用したコンテナーへのアプリケーションのデプロイメントは、Azure App Service ではサポートされていません。

キャッシュされた基本イメージは以下のとおりです。

  • microsoft/iis:windowsservercore-ltsc2016, latest
  • microsoft/iis:nanoserver-sac2016
  • microsoft/aspnet:4.7.2-windowsservercore-ltsc2016, 4.7.2, latest
  • microsoft/dotnet:2.1-aspnetcore-runtime
  • microsoft/dotnet:2.1-sdk

パブリック プレビューの機能

  • Docker Hub、Azure Container Registry、プライベート レジストリのいずれかからコンテナー化されたアプリケーションをデプロイ
  • デプロイメント スロットとスロット スワップにより、アプリを運用環境に段階的にデプロイ
  • オートスケールにより自動的にスケールアウト
  • アプリケーション ログを有効化し、App Service のログ ストリーミング機能を使用してアプリケーションのログを表示
  • PowerShell や WinRM を使用して、コンテナーに直接リモート接続

appservice_windows_containers_winrm (002)

使用を開始するには、こちらのクイック スタート (英語) をご参照ください。

ご意見をお寄せください

Azure App Service での Windows コンテナーのサポートにより、Windows プラットフォームで実行されるエンタープライズ クラスの Web アプリケーションや API アプリケーションを構築、移行、デプロイ、スケーリングする選択肢がさらに増えました。パブリック プレビュー期間中には、さらなる機能を追加する予定です。一般提供に向けて、ぜひフィードバック (英語) をお寄せください。