Network Performance Monitor の Service Connectivity Monitor の一般提供を開始

執筆者: Abhave Sharma (Program Manager, Azure Networking)

このポストは、2018 年 6 月 25 日に投稿された Network Performance Monitor’s Service Connectivity Monitor is now generally available の翻訳です。

 

Network Performance Monitor (NPM) の Service Connectivity Monitor は、これまで Service Endpoint Monitor という名称でプレビューが提供されていましたが、このたび一般提供が開始され、それと同時に新たな名称に変更されました。Service Connectivity Monitor では、アプリケーション、URI、VM、ネットワーク デバイスなどのサービスへの接続を監視できるほか、パス内のインフラストラクチャやネットワークのボトルネックが発生している場所を特定することができます。

サービスやユーザーが、クラウド、ブランチ オフィス、遠隔地に分散することに伴い、サービス停止やパフォーマンス低下の原因を特定することがますます困難になってきました。その要因としては、アプリケーション、スタック、クラスターの問題や、クラウド、通信事業者のネットワーク、ファースト ワンマイルのネットワークの問題があることが考えられます。Service Connectivity Monitor は、社内でホストされたサービスやクラウド サービスのパフォーマンス、およびエンドツーエンドのネットワーク パフォーマンスを監視、視覚化するための機能を統合したもので、ネットワーク内の主要ポイントからサービスへの接続テストを作成することで、問題の原因がネットワークにあるかアプリケーションにあるかを判断できます。ネットワーク トポロジ マップでは、パケット損失率やレイテンシの高いリンクやインターフェイスを確認し、社内外の問題のあるネットワーク セグメントを特定することができます。

アプリケーションの問題かネットワークの問題かを判断する

アプリケーションの応答時間とネットワーク レイテンシの相関関係を確認することで、アプリケーションの接続に関する問題の原因がアプリケーションにあるかネットワークにあるかを判断できます。

以下の画像の例では、アプリケーションの応答時間の急増に伴い、ネットワーク レイテンシも急増しています。このことから、アプリケーションのパフォーマンス低下はネットワーク レイテンシの増加によるものであり、問題の原因はアプリケーションではなく、基盤となるネットワークにあると判断できます。

Application or network problem

以下の例では、アプリケーションの応答時間が急増しているものの、ネットワーク レイテンシは一定です。このことから、パフォーマンス低下の発生時にネットワークは安定した状態にあり、問題の原因はアプリケーション側にあると判断できます。

Scenario 1

ネットワークのボトルネックを特定する

NPM のインタラクティブなトポロジ マップには、オンプレミスとアプリケーション エンドポイント間のすべてのパスとインターフェイスが表示されます。ノードからアプリケーションへのエンドツーエンドのネットワークが視覚化されるだけでなく、各インターフェイスで発生しているレイテンシも表示されるため、問題のあるネットワーク セグメントを特定することができます。以下に示す画像では、四角で囲んだネットワーク インターフェイスで最大のレイテンシが発生していることを特定できます。

Network bottlenecks

単一のビューで複数のバンテージ ポイントからサービスへの接続を監視する

ブランチ オフィス、データセンター、オフィス サイト、クラウド インフラストラクチャなどからサービスへの接続を単一のビューで監視することができます。企業のネットワーク境界内のバンテージ ポイントに NPM エージェントをインストールすることで、ユーザーがアプリケーションにアクセスしている場所からのパフォーマンスが視覚化されます。

以下の画像の例では、複数のソース ノードから www.msn.com へのネットワーク トポロジを単一のビューで確認できます。正常でないパスが赤で表示され、接続に関する問題のあるノードを特定できます。

Service endpoints

サービスへのエンドツーエンドの接続を監視する

企業のネットワーク境界内のソース ノードと使用しているサービス (Web サイト、SaaS、PaaS、Azure サービス、ファイル サーバー、SQL サーバーなど) 間の合計応答時間、ネットワーク レイテンシ、パケット損失を監視できます。いずれかのブランチ オフィスからの応答時間、パケット損失、レイテンシがしきい値を超えた場合に、プロアクティブに通知されるようにアラートを設定できます。パフォーマンス データのほぼリアルタイムの値と時系列的な推移を表示する以外に、ネットワーク状態レコーダー (英語) を使用すると、特定のネットワークの過去の状態を表示して、把握しにくい一時的な問題を調査することができます。

Tech nodes for Bing

Microsoft Office 365 と Dynamics 365 の組み込みテストを使用してマイクロソフトのサービスへの接続を監視する

Service Connectivity Monitor には、組み込みテストが用意されています。このテストはワンクリックで簡単にセットアップできるため、事前設定なしで Microsoft Office 365 および Dynamics 365 サービスへの接続を監視できます。この機能には、これらのサービスに関連付けられたエンドポイントの一覧が保持されるため、各サービスに関連付けられている各種エンドポイントを入力する必要はありません。

Monitoring

カスタムのクエリやビューを作成する

NPM の GUI に表示されるデータはすべて、Log Analytics の検索機能でもネイティブに使用できます。リポジトリ内のデータに対してインタラクティブな分析を実行して、各種ソースからのデータの相関関係を確認し、カスタムのアラートやビューを作成して、Excel、Power BI、共有リンクにデータをエクスポートすることができます。

使用を開始する

NPM の Service Connectivity Monitor を設定する詳細な手順についてはこちらを、NPM のその他の機能の詳細についてはこちらをご確認ください。

フィードバックのお願い

フィードバックをお寄せいただくには、以下の方法があります。

  • UserVoice の利用: Network Performance Monitor の新機能に関するご提案は UserVoice ページ (英語) までお寄せください。
  • コミュニティに参加: マイクロソフトでは、新機能を早期に利用し、今後の NPM の機能強化にご協力いただけるお客様を随時募集しています。コミュニティへの参加にご興味があるお客様は、こちらの簡単なアンケート (英語) にご回答ください。