Windows Server System Insights の概要

執筆者: Garrett Watumull (Program Manager, Windows Server)

このポストは、2018 年 6 月 19 日に投稿された Introducing Windows Server System Insights の翻訳です。

 

このたび、Windows Insider Program の参加者向けに Windows Server 2019 の新しいプレビュー ビルドがリリースされました。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、Windows Server 2019 は数か月前に発表され、今年中に一般提供が開始される予定となっています。リリースのたびに新機能がいくつか導入されますが、今回は System Insights についてご紹介したいと思います。

System Insights とは

IT 管理者の任務の 1 つは、システムを円滑に運用することです。ディスクの空き領域が不足していないか監視したり、Hyper-V ホストの消費メモリや消費 CPU を確認して VM の追加を計画するなど、さまざまなアクティビティやコンポーネントに目を光らせている必要があります。

System Insights は今回の Windows Server 2019 プレビューで導入された新しい機能で、Windows Server にローカルの予測分析機能がネイティブに提供されます。これらの予測機能は、それぞれ機械学習モデルを基盤としており、パフォーマンス カウンターやイベントといった Windows Server のシステム データをローカルで分析し、高精度の予測を提供します。これにより、Windows Server インスタンスの事後対応型の管理に伴う運用コストを削減できます。

これらの各機能はローカルで実行されるため、すべてのデータは Windows Server インスタンスで直接収集、保存、分析され、クラウドに接続することなく予測分析機能を使用することができます。Windows Server 2019 では、容量予測に重点を置いた機能セットが System Insights に導入され、コンピューティング、ネットワーク、ストレージの今後の使用状況を予測します。

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図 1: Windows Admin Center の System Insights ダッシュボード

上記の画像をご覧いただくとわかるとおり、System Insights は Windows Admin Center から管理できます。また、System Insights ではリッチな PowerShell インターフェイスも提供されており、強力な自動化が可能です。

現在利用可能な機能と今後の計画

現在の Windows Server 2019 プレビュー ビルドの System Insights でできることは、以下のとおりです。

  • 予測機能を参照し、機能をオンデマンドで呼び出すか、定期的に実行するように構成する。
  • 予測結果を視覚化して、容量の消費傾向を直観的に理解する。
  • カスタムの修復ジョブを設定し、特定の結果が生成された場合に自動で実行されるようにする。これにより、予測機能で検出された問題による影響を自動で緩和できます。
  • 個々の Windows Server の容量予測について、一定期間における傾向を表示し理解する。
  • リモート インスタンスに対して PowerShell を使用して、関連する Windows Server インスタンス (クラスター、アプリケーション層、ラック、データセンターなど) のグループから報告される予測結果を集計し、グループ全体におけるコンピューティング、ストレージ、ネットワークの傾向を理解する。

マイクロソフトは今後も引き続き System Insights の強化に取り組んでいきます。今後のビルドでは、オプションのクラスター化されたストレージの予測、修復用の PowerShell スクリプトの提案、Windows Admin Center のリッチなユーザー エクスペリエンスの強化、カスタムのシステム データを必要とする新しい予測機能の動的インストールといった新機能が追加される予定です。

プレビューを今すぐダウンロード

System Insights の利用を開始するには、Windows Server 2019 および Windows Admin Center (英語) のプレビューをダウンロードしてください。

Windows Server 2019 のさまざまな新機能については、Windows Server Summit (英語) をご覧ください。