SQL Server 2017 リリースのお知らせ

本日は本年 10 月にリリースいたしました、SQL Server 2017 についてご紹介させていただきます。

 

■ DATA ESTATE ビジョン

Microsoft の SQL Server は、1989 年に最初のバージョンをリリースして以来、お客様の大切なデータを預かるプラットフォームとして長年ご愛顧いただいてまいりました。その製品コンセプトは、様々あるデータソースをまとめ、管理し、その活用までをも一貫して「ビルトイン」で提供することにあります。

昨今の ICT 活用シーンを振り返るまでもなく、クラウドの活用は近年ますます広がりを見せています。この一つのトレンドのようなクラウド活用もひとたび現実に還ってビジネスを遂行するための一貫したシステムとして考慮してみれば、それぞれの個体としてのシステムが、機能的、非機能的な要件、さらには経済的な理由によってクラウドとオンプレミスの適材適所に配置される、ハイブリッドな構成になっていることが多くなっています。

このような現実を見た時、データの活用基盤はどうあるべきでしょうか。データを保管する基盤ではなくて、活用するための基盤です。

その一つのご提案が、マイクロソフトが掲げる Modern Data Estate ビジョンです。

マイクロソフトのクラウドサービスである Azure は、ハイパースケールのデータセンター群を持ち、クラウドならではの先進的な技術をいち早く実装するとともに、マネージドサービスとしてデータ活用基盤を提供します。

もちろん、オンプレミスにはマイクロソフトが長年お客様、パートナー様と培ってきた、機能やノウハウ、エンジニアのスキルなど、ミッションクリティカルシステムを支えてきた実績とエコシステムがあります。

これらを、データを活用する方がそのスキルをそのままにデータ基盤をご利用いただきたい。それが、マイクロソフトのハイブリッドクラウドシステムのコンセプトです。

このコンセプトに従い、クラウドサービスである Azure は日進月歩その機能を進化させているのですが、オンプレミスを支えるメインプロダクトの SQL Server も同様に継続的に開発、サポートを続けており、この度その最新版である SQL Server 2017 を 2017 年 10 月にリリースいたしました。

 

■ SQL Server 2017

SQL Server は多くのシステムでご利用いただいている実績があります。そのため、「そうそう、こんな機能が欲しかった!」という運用の経験があるからこその細かな機能改善、拡張など多々あるのですが、ここでは 3 つに絞ってご紹介したいと思います。

リアルタイムインテリジェンス

このバージョンでは、データベースの中で R/Python がサポートされるようになりました。これは AI 技術を使ったデータの活用を、DBMS の中で行うことができるということです。つまり、データの活用を DBMS の中で隠蔽して、利用者はストアドプロシージャを呼ぶだけでアプリケーションに組み込むことができるのです。そしてそれを、高速に実行することができるのがこの SQL Server 2017 の特徴です。

脆弱性が最も少ないデータベース

セキュリティは ICT システムでの重要なテーマです。データのセキュリティはその中で最も関心の高い分野の一つであり、それを管理するデータベースの脆弱性はセキュリティ強度を測る一つの指標となるでしょう。SQL Server は NIST の評価で最も脆弱性が少ないデータベースとして評価され、7 年連続でそれを続けています。

プラットフォーム制限からの解放/あらゆるデータ形式に対応/使い慣れた言語を利用可能

マイクロソフトは OSS に大きなコミットをしています。今回のバージョンでは、お客様が最適と考えるプラットフォームやデータ形式、言語を使って SQL Server にアクセスできるようになりました。その最たる例が、Linux 版のリリースです。そしてこの Linux 版は単なるポーティングではなく、使える DBMS として、データベースのパフォーマンスを示す一つの指標である TPC-H 1,000GB Non-Clustered では、No.1 となっています。(2017  年 10 月 26 日現在)

 

■ 導入のご支援

アプライアンスのご提供

SQL Server 2017 を安心してご導入いただくために、アプライアンス形式のご提供をパートナー様のご協力をいただきまして継続します。

さらに今回、AI 機能の導入をハードウェアの面からサポートいただくモデルもパートナー様にご用意いただきました。SQL Server 2017 に含まれる AI 機能の活用ではぜひご検討ください。

ライセンスプロモーション

Linux 版につきましては、下記の内容のライセンスプロモーションを期間限定で実施いたします。

  • サブスクリプションは、SCE、EA、および EAS の各プログラムで利用可能
  • プロモーション期間は 2017 年 10 月~ 2018 年 6 月
  • サブスクリプションの料金は SQL Server SA と同じ。
    コア単位の Standard Edition と Enterprise Edition で利用可能

 

ご支援施策

マイクロソフトでは、これまでの各種ご支援施策を継続してまいります。

 

お問合せ

SQL Server に関する各種お問い合わせは、専用コールセンター “SQL Direct” にご連絡ださい。

SQL Direct (URL: https://aka.ms/sqldirect/)

 

今後も続々と、日本独自の自習書や他社 DB からの移行ガイド、Linux や AI 特化型のセミナーなど、お客様、パートナー様の導入を支援するプログラムをご提供してまいりますので、ぜひ実際にマイクロソフトの新しいデータベース活用基盤である SQL Server 2017 をお試しください。

 

製品サイト:https://www.microsoft.com/ja-jp/sql-server/sql-server-2017

 

執筆者: 岡本 剛和(日本マイクロソフト株式会社 クラウド&エンタープライズビジネス本部 データ& AI プラットフォームマーケティング部 エグゼクティブプロダクトマネージャー)