MS クラウド ニュースまとめ (2017/05/31)

このポストは、5 月 31 日に投稿された Cloud Platform Release Announcements for May 31, 2017 の翻訳です。

 

この記事では、クラウド プラットフォーム チームが進める一連の新しい更新をまとめてご紹介します。

マイクロソフトは、今日のモバイル ファースト、クラウド ファーストの世界で企業がクラウドの文化に足を踏み入れるために必要なテクノロジとツールを提供しています。マイクロソフトの他にはないイノベーション、包括的なモバイル ソリューション、開発者ツールによって、当社のすべてのお客様のクラウド ファースト時代における真の可能性の実現を支援します。

クラウドによる迅速なイノベーションを期待されるお客様のニーズにお応えして、マイクロソフトは幅広いクラウド プラットフォーム製品ポートフォリオを提供しています。以下は、マイクロソフトの最新のリリース情報を一覧にしたものです。詳細をご覧になりたい場合は、各セクションのリンク先をご確認ください。今回の最新情報は次のとおりです。

  • Draft の一般提供
  • BizTalk Services の提供終了
  • Operations Management Suite の Azure Backup の更新
  • Operations Management Suite の Azure リージョン間での Site Recovery の使用
  • Cloud Essentials のパブリック プレビュー
  • Power BI Desktop の一般提供
  • Power BI サービスの一般提供
  • Azure Content Delivery Network のメディアとダウンロードに最適化された配信のパブリック プレビュー

Draft の一般提供

Azure Container Service チームは、Draft の一般提供を発表しました。Draft は Kubernetes クラスターで実行されるアプリケーションの開発を合理化するためのツールで、Docker や Kubernetes に関する知識がまったくなくても、2 つのシンプルなコマンドを使用するだけでコンテナー ベースのアプリケーションの作成や変更を簡単に行うことができます。Draft は、Docker や Kubernetes がインストールされていなくても使用可能で、開発者がコードを作成してバージョン管理に変更をコミットする前のワークフローである「内部ループ」をターゲットとしています。

"draft create" コマンドを実行すると、アプリケーションで使用されている言語を Draft が検出し、簡単な dockerfile ファイルと Kubernetes Helm Chart を作成してソース ツリーに追加します。Draft は、任意の言語やフレームワーク、ランタイム環境をサポートしている構成可能な Draft パッケージを使用します。初回リリースでは、以下の言語がサポートされます。

  • Python
  • Node.js
  • Java
  • Ruby
  • PHP
  • Go

Draft は、Kubernetes で実行されるあらゆるアプリケーションやサービスの開発を合理化することを目的としたツールです。Draft パッケージは、簡単な検出スクリプト x 1、dockerfile ファイル x 1、Helm Chart  x 1 で構成されていて、簡単にカスタマイズできます。
開発者用ユーザー エクスペリエンスは、buildpack の概念に対応した PaaS システムを参考に設計されていますが、Draft は buildpack を元とする PaaS システムとは異なり、ビルドとデプロイメント構成をソース ツリーに書き込むため、コンテナーを運用環境まで届ける CI パイプラインを非常に簡単に構築できます。

Azure Container Service では、長期にわたってオープン化の取り組みが行われてきました。新たなプロジェクトにおいてもこのオープン精神を反映させることで、お客様にコンテナー オーケストレーション テクノロジをより有意義に活用していただけるようにしています。Draft はオープン ソースとしてこちらで提供されています (英語)。Azure Container Service/Kubernetes 環境で Draft をご利用いただき、ぜひご感想をお聞かせください。

BizTalk Services の提供終了

エンタープライズ統合サービスのカスタマー エクスペリエンス全般を簡素化するために、Azure BizTalk Services の機能を、より柔軟性と機能性の高い Azure Logic AppsAzure App Service のハイブリッド接続の機能に統合することにしました。この機能統合により、2017 年 5 月 31 日から Azure BizTalk Services の新規提供は停止され、既存のお客様への提供は 2018 年 5 月 31 日に終了予定です。

BizTalk Services で提供されるメインの統合機能は Azure Logic Apps に既に統合済みです。この他にも以下のような多数のメリットが提供されます。

  • サーバーレス iPaaS システムにより、ユーザー エクスペリエンスが強化されています。また、従量課金制で使用できます。
  • クラウド アプリおよびオンプレミス アプリへの 100 以上のコネクタにアクセスできます。
  • Logic Apps の視覚的なデザイナーを使用して、ワークフローの設計や実装を簡単に行えます。
  • Machine Learning や Cognitive Services などの Azure サービスの機能をシームレスに利用できます。

Logic Apps の詳細については、製品ページおよび関連ドキュメントを参照してください。

料金の詳細については、こちらの料金ページを参照してください。

Operations Management Suite の Azure Backup の更新

Azure Backup Windows Server のサポートを強化

Azure Backup に、オンプレミスの Windows Server システムの状態を Azure にバックアップするオプションが追加されました。このオプションを使用すると、Windows Server で何らかのイベントが発生した場合に、Azure に保存されているファイルや Active Directory の設定、証明書サービスなどのシステム状態のスナップショットを Backup で取得できます。また、オンプレミスの Windows Server のシステム状態を Azure から復元することができます。加えて、Azure Backup Server がバックアップ ストレージとして使用するディスク容量が減少するため、オンプレミス ストレージのコストを削減できます。Azure Backup の機能強化の詳細については、こちらのブログ記事 (英語) を参照してください。

Operations Management Suite の Azure リージョン間での Site Recovery の使用

Azure リージョン間での Azure Site Recovery の使用のパブリック プレビューを開始

Azure 内で実行されるアプリケーションのフェールオーバーが Azure Site Recovery でサポートされました。Azure Site Recovery はオンプレミスから Azure へのレプリケーションや災害復旧に使用される機能ですが、今後は Azure リージョン間でも使用できるようになります。具体的には、Azure リージョン間での復旧計画やテスト フェールオーバーの作成、アプリケーションの他のリージョンへのレプリケーションを行うことが可能です。Azure リージョン間でのサイト復旧はわずか数分でセットアップ可能で、お客様のコンプライアンス要件にも完全に対応します。

Azure リージョン間での Azure Site Recovery の使用の詳細については、こちらのブログ記事 (英語) を参照してください。

Cloud Essentials のパブリック プレビュー

Microsoft Cloud Essentials は、クラウドへの移行をスムーズに進めるために必要なエクスペリエンス、トレーニング、サポートを提供するプログラムです。このプログラムでは必要なものがまとめて提供され、無料で参加可能です。

クラウドへの移行プロセスは、お客様によって違いがあります。開始時の状況や最終目標、優先順位は、その企業が置かれている状況や担当者の経歴も影響します。このプログラムでは、移行計画の策定や事前準備、実際の作業工程に必要なすべてのリソースを 1 つの場所から提供します。また、こちらは無料でご利用いただけます。

マイクロソフトの Cloud Essentials プログラム管理担当者である Mark Winters は次のように述べています。「クラウドへの移行に関する争点は、以前は『移行するかどうか』でしたが、今は『どのように移行するか』ということに変化してきています。企業はそれぞれ独自のロードマップを持っており、また担当者にもそれぞれ IT プロフェッショナルになるまでのロードマップがあります。Cloud Essentials では、マイクロソフトが作成したハンズオン ラボをご利用いただき、双方を 1 つの目標へと導くことができます。

Cloud Essentials には、クラウドへの移行をスムーズに進めるために必要な以下のコンポーネントがすべて揃っています。

  • 製品エクスペリエンス: 必要なエクスペリエンスを使用できます。クラウド製品やツールの無料試用版も提供されます。ハンズオン ラボでは、常に進化を続けるテクノロジに対応できるように、必要なスキルを習得するためのガイドが提供されます。
  • ソリューションのトレーニング: Pluralsight の無料コースを受講したり、マイクロソフト認定プロフェッショナル (MCP) プログラムによるプロフェッショナル認定を受けることができます。
  • キャリア開発: お客様のクラウド キャリア パス、および成長に必要なスキル開発についてのガイドを提供します。必要性が高いスキルを柔軟に選択しながら、ご自分のペースで学習カリキュラムを進められます。
  • サポート: Cloud Essentials による支援、Azure および Cloud Accelerator による技術サポート、マイクロソフトのエキスパートやコミュニティによる支援などを受けられます。

Power BI Desktop の一般提供

ビジネス アナリストの皆様からご要望の多かった以下の Power BI Desktop の新機能がリリースされました。

  • レポート ビュー: 相対日付スライサー (プレビュー)、新しいテーブルの視覚化 (プレビュー)、複合グラフのデータ ラベルの強化、テーブルや行列での URL のサポート強化、テキストボックス内での mailto リンクの使用への対応などが実装されています。
  • 分析: Analysis Services と表形式モデル、および Power BI サービスのデータセットへのライブ接続に使用されるレポート レベルのメジャーが提供されます。また、"Total for category + Rolling average" および "Bin by count" という 2 つの新しいクイック メジャーのプレビューが開始されます。
  • データ接続: "Dynamics 365 for Customer Insights" というコネクタが新たに追加されます。また、ファイルの結合で、ファイルの例として "First File" を参照できるようになります。
  • クエリの編集: 「区切り文字の前/後/間のテキストの抽出」、「選択された列のみのピボット解除」の 2 つの変換が新たに追加されています。

最新の Power BI Desktop をダウンロードして今すぐ新機能をご利用ください。今回ご紹介した新機能やその他の機能の詳細については Power BI ブログ (英語) をご覧ください。

Power BI サービスの一般提供

エンド ユーザーおよびビジネス アナリストの皆様からご要望の多かった以下の Power BI の新機能がリリースされました。

  • プレビュー版 Power BI アプリ: 目的別のダッシュボードやレポートのセットを多数のビジネス ユーザー向けに容易にデプロイできます。これによりビジネス ユーザーは意思決定の際にさらに有効なデータを利用できます。企業全体に展開する、一部のユーザーに展開する、グループに展開するなど、展開の範囲を選択できます。
  • 新しいコンテンツ パック: 各サービスにすばやく接続したり、カスタムのレポートを瞬時に取得したり、表示するデータに適合したダッシュボードを使用することができます。今回リリースされた新しいコンテンツ パックには、Microsoft Dynamics 365 — Social Engagement、Microsoft Azure Consumption Insights、TyGraph for Yammer 3.0、Easy Projects、Microsoft Dynamics 365 For Financials、Webtrends for SharePoint、Transit IQ などが含まれています。
  • Office 365 導入コンテンツ パック プレビュー: 使用状況レポートのデータと Power BI のインタラクティブな分析機能を組み合わせて、使用や導入の状況に関するさまざまな情報を提供します。こうした情報を利用することで、管理者はより適切なユーザー トレーニングやコミュニケーションを促進できるようになり、組織内コミュニケーションや共同作業の改革に役立てることができます。

powerbi.microsoft.com にサインインして、今すぐ新機能をお試しください。これらの新機能やその他の機能の詳細については Power BI ブログ (英語) をご覧ください。

Azure Content Delivery Network のメディアとダウンロードに最適化された配信のパブリック プレビュー

全世界のユーザーに向けて大規模にコンテンツを配信する際には、ビデオや Web コンテンツの配信を最適化することが欠かせません。メディア ストリーミングでは時間に関する制約が厳しく、クライアントへのパケット配信が遅れるとビデオ コンテンツのバッファー処理が頻繁に発生するなど、視聴エクスペリエンスの質が低下する原因となります。今回の機能強化によって、配信時のレイテンシの低減、およびソフトウェアやファームウェアなどの大容量ファイル配信への最適化が実現されました。