マイクロソフトが次世代のオープン ソース クラウド ハードウェアを開発


執筆者: Kushagra Vaid (GM, Azure Hardware Infrastructure)

このポストは、10 月 31 日に投稿された Microsoft reimagines open source cloud hardware の翻訳です。

 

筆者は明日ロンドンで行われる DatacenterDynamics 主催のヨーロッパ デジタル インフラストラクチャ会議 Zettastructure で講演を行う予定です。このイベントでマイクロソフトは、Open Compute Project (OCP) と共に Project Olympus という次世代のハイパースケール クラウド用ハードウェアを発表します。これは OCP コミュニティと共同開発を行うオープン ソース ハードウェアの新しいモデルです。この発表は、クラウドの進化のスピードに対応するオープン ソース ハードウェア開発の新時代の幕開けを象徴しています。

マイクロソフトはこの 10 年にわたって、特に Microsoft Azure に関してオープン ソース プロジェクトを積極的に実施し、規模を拡大してきました。2014 年にはオープン ソースの視点から Azure のハードウェア刷新を開始して、OCP に参加しました。最初に手掛けたのは Azure のハイパースケール クラウドの基盤となるサーバーとデータセンターでした。その後、Azure を支えるスピードや拡張性の指針を示すソフトウェア定義ネットワーク (SDN) に着手しました。

OCP Foundation やオープン ソース コミュニティとの数年間に及ぶ緊密な共同作業から、非常に多くを学ぶことができました。特に現在のオープン ソース ハードウェアの開発は、オープン ソース ソフトウェアの開発に比べるとスピードが遅く、反復性も低いという重要な点に気付きました。現在のオープン ソース ハードウェア開発プロセスでは、運用可能な状態の設計が提案されています。設計はほぼ 100% 完成の状態で提案されるため、提案時期が遅れ、派生設計も伴って遅れることがあります。そのためコミュニティが積極的に参加できず、結果的に完成が遅れてしまうのです。

この問題を解決するために、マイクロソフトは OCP と協力してオープンな共同作業が可能なコミュニティ主導型の新しいハードウェア開発モデルを作成しました。Project Olympus では、ソフトウェア開発で既に実施されていながら物理的な要求を伴うハードウェア開発では採用されていなかったオープン ソースでの共同作業モデルが適用されています。次世代のクラウド ハードウェア開発では、従来の OCP プロジェクトの開発サイクルよりも大幅に早く、設計が約 50% 完成した段階で提案を行います。開発途中の設計を共有することで、オープン ソース ソフトウェアと同様にハードウェアの設計をダウンロードして変更やフォークの分岐を行い、コミュニティがエコシステムに参加できるようにします。

Open Compute Project Foundation でチーフ テクノロジ オフィサーを務める Bill Carter 氏は次のように述べています。「マイクロソフトはオープン ソース ハードウェア開発の新時代を切り拓きました。次世代の共同作業モデルの Project Olympus は提供方法も含め、OCP やオープン ソースのデータセンター用ハードウェアではまったく新たな試みです」。

コミュニティは早期段階から参加することで Project Olympus エコシステムの拡大で大きな役割を果たすほか、追加コンポーネントを提案して新しい共通のハードウェア設計ポートフォリオを完成させることができます。OCP ソリューション プロバイダーは製品特性を活かしてすばやくハードウェア ソリューションを構築し、広範なコミュニティが実証された基本ハードウェア設計を元に高付加価値のサービスを追加構築することができます。これにより新製品の市場投入が早まり、開発コストも削減されます。結果的に業界全体の生産性が高まり、クラウドでの新機能の配信もスピードアップするのです。

過去数年にわたってデータセンター規模で OCP ハードウェアをデプロイしてきた経験から、他にも多くのことを学びました。現在マイクロソフトが購入するサーバーの 90% 以上は OCP の仕様に基づくものです。今後もクラウドの急速な成長や新たなクラウド サービスなどの幅広いワークロードに対応し、世界中のデータセンター リージョンで簡単にスケーリングできることが求められます。

Project Olympus で取り扱われるコンポーネントは、新しいユニバーサル マザーボード、バッテリー付属の高可用性電源、1U/2U サーバー シャーシ、高密度ストレージ拡張、グローバル データセンターの相互運用に対応した新ユニバーサル ラック電力配分装置 (PDU)、および標準ラック管理カードを備えています。選択肢を広げ柔軟性を高めるために、これらのモジュール式のコンポーネントは単体で使用可能で、お客様のデータセンター構成に個々に対応します。Project Olympus は、データセンター業界の中でも最もモジュール化が進み柔軟性が高いクラウド ハードウェアです。このモデルは OCP コミュニティで開発されるハードウェア製品に準拠した広範なエコシステムの基礎となるでしょう。

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既にサーバー シャーシ インターフェイス (機械部分と電源部分)、ユニバーサル マザーボード、PDU の仕様は OCP GitHub ブランチ (英語) で公開しており、数週間以内にラック システム全体もオープン ソース化する予定です。

Project Olympus の詳細については、DatacenterDynamics の Zettastructure (英語) での基調講演や OCP ワークショップでお伝えします。また、マイクロソフトのブースでハードウェアを展示します。チーム メンバーと共に今後も OCP コミュニティと協力して次世代のオープン ソース クラウド ハードウェアの開発に取り組んでまいります。

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