クラウド ファースト、モバイル ファースト: マイクロソフトが完全なワイヤレス ネットワークに移行


執筆者: Mikkel Riis (Sr. Product Marketing Manager, Cloud Platform Marketing)

このポストは、8 月 17 日に投稿された Cloud-first, mobile-first: Microsoft moves to a fully wireless network の翻訳です。

 

移行するネットワークのサポート: David Lef への Q&A ブログ シリーズ

今回で 3 回目となるこのブログ シリーズでは、マイクロソフトの IT 部門でプリンシパル ネットワーク アーキテクトを務める David Lef が、従来のインフラストラクチャから完全にワイヤレスなクラウド コンピューティング プラットフォームへと移行するネットワークのサポートについてご説明します。マイクロソフトの IT 部門は、世界各地の 900 か所の拠点と 220,000 人のユーザーのサポートを担当しています。David Lef は、変化するお客様のニーズや最新のアプリケーション デザインをサポートする Azure のクラウド ベース モデルへのネットワーク トポロジの進化について、ユーザーが理解を深める手助けをしています。

今回の記事では、主な推進要因、計画に関する考慮事項、課題など、ワイヤレス ネットワーク環境への移行に関する計画やプロセスについてご説明します。

Q: ご自身の現在の役割とサポートしている環境について教えてください。

A: 私はマイクロソフトの IT 部門でプリンシパル ネットワーク アーキテクトを務めています。IT 部門は世界各地の約 900 か所のサイトとそのサイト間を接続するネットワーク コンポーネントをサポートしており、マイクロソフトの従業員と委託先のベンダーの合計 220,000 名以上がこれらのサイトを利用しています。また、マイクロソフトのネットワークでは 2,500 以上のアプリケーションやビジネス プロセスをサポートしています。IT 部門はマイクロソフトに有線、無線、リモート ネットワーク アクセスを提供し、ネットワーク境界を含むネットワーク全体にネットワーク セキュリティを実装しています。また、IP アドレスの割り当て、名前解決、トラフィック管理、スイッチング、ルーティングなど、ネットワーク機能の各要素が問題なく確実に動作するように努めています。

Figure 1. The Microsoft IT environment

Q: ワイヤレス環境への移行を推進する要因について教えてください。

A: マイクロソフトの場合、主に 2 つの要因があります。1 つ目は、従業員が業務を柔軟に進める方法を求めていることです。現在、ユーザーは業務を行うためにデスクでワークステーションを使用するだけではなく、スマートフォンやタブレット、ノート PC を使用し、場合によってはデスクトップも使用しています。環境は 1 台の生産性デバイスからデバイス エコシステムへと進化を遂げ、デバイスの多くはワイヤレスに対応しています。それどころか、ワイヤレス対応のみのデバイスも多数あります。2 つ目は、単純なコスト効率です。ワイヤレス環境をセットアップしてインストールする方が、有線のインフラストラクチャの場合よりも安価で簡単です。また、ネットワーク環境のアップグレードやデバイスの追加も簡単で安価にできます。ワイヤレス環境であれば、スイッチ スタックを追加したり、配線を行ったりといった手間が省けます。

Q: 移行の計画にはどのように着手しましたか。

A: マイクロソフトがモバイル デバイスから社内ネットワークへの接続を許可し、サポートを開始した時点で、今後ネットワークへのアクセス方法が変化することは明らかでした。当初は、有線インフラストラクチャのサポートとして、最も必要とされる拠点でワイヤレス接続を提供する予定でした。しかし、トラフィックや使用状況を分析したところ、すぐにワイヤレス ネットワークがユーザー視点で見た場合の主要なネットワーク インフラストラクチャになりつつあることが判明しました。モバイル デバイスのサポートにはワイヤレス ネットワークが必要であり、最終的にはエンド ユーザーからの接続の大半をワイヤレス ネットワークでサポートするように計画する必要がありました。そこで、さまざまな役職にあるインフォメーション ワーカーのデバイス プロファイルを確認して何が必要かを評価し、そのニーズと今後の成長に合わせたスケーリングに対応するネットワークを構築しました。

マイクロソフトには十分に活用されていない有線インフラストラクチャが現在もまだ大量に残っています。インフォメーション ワーカーのサイトには有線ポートの使用率が 10% 未満のところも数多くあり、ユーザーのサイト全体を平均しても 30% 程度です。計算してみると、不要なネットワーク インフラストラクチャに多額の投資が行われていることになります。現在、75% 以上のサイトでワイヤレス ファーストの環境への移行を進めており、ユーザーの視点を考慮しながら、有線ネットワーク インフラストラクチャの依存関係を排除しています。場合によっては、ワイヤレスにネイティブで対応していないデスクトップにワイヤレス ネットワーク アダプターを取り付けます。一方で、ワイヤレス対応のデバイスに関しては、ワイヤレス接続が構成および有効化されていることを確認します。ワイヤレスに移行したデバイスが増えるほど、既存の有線インフラストラクチャを早期に廃止し、コストを削減することができます。マイクロソフトでは、ワイヤレス ファースト戦略によってネットワーク機器を 50% 以上削減できると見積もっています。

Q: このプロジェクトの主な考慮事項について教えてください。

A: このプロジェクトは、主にクラウド ファースト、モバイル ファーストという概略的な目標からスタートしたものです。ワイヤレス ネットワークはこの両方の戦略を補完するもので、大きなパズルの中の論理的かつ不可欠なパーツと考えることもできます。当然ながらマイクロソフトは企業であるため、コストと設備投資の削減が重要になります。メインのネットワーク インフラストラクチャをワイヤレスに移行することで、長期費用の回避、購入する機器の削減、メンテナンス要件の引き下げを図ることができます。

また、移行によるユーザーへの影響を最小限に抑える必要があります。そのため、現場を訪れてワイヤレスへの移行準備が整っていることを確認しています。このとき、必要に応じて、ユーザーによるワイヤレス アダプターのインストールや構成を手伝ったり、オペレーティング システムのインストールなどのタスクを他の方法で実行する手順を示したりします。また、基本的なサポートや問題解決をユーザー自身が問題なく行えるように、ネットワークの使用方法に関するトレーニングを実施することを検討しています。

Q: 移行を進めるうえで現在進行中または将来的な最大の課題は何ですか。

A: 複数の分野でいくつかの課題に直面しています。既存のコンピューターに取り付ける新しいワイヤレス アダプターや、古いワイヤレス ネットワーク ハードウェアを使用するデバイスのアクセスや認証メカニズムなど、デバイスやそのドライバーごとに特異性や異なる問題があります。また、全世界に多数のワイヤレス アクセス ポイントが存在するため、このアクセス ポイントを標準化することも課題となっています。個人所有デバイスの業務利用 (BYOD) の普及と「モノのインターネット (IoT)」の急速な発展により、社内環境ではワイヤレス ネットワーク デバイスが大幅に増加しているため、常に帯域幅が問題となっています。この流れに対応するためには、すべての IoT デバイスを社内ネットワークに追加するのではなく、社内ネットワークの機能を利用するデバイスのみを接続する必要があることを理解することが重要です。マイクロソフトでは、デバイスをサポートして伝送規格に準拠する範囲内で無線帯域幅を可能な限り広く提供していますが、使用可能な帯域幅を現在も緊密に監視し、不要なボトルネックを排除していることを確認しています。

また、プロセスや構想の変更にも対応する必要がありました。使用されている古いテクノロジがワイヤレスに対応していない場合には、他の方法でタスクを実行したり、代替手段を提案したりすることが必要となります。

Q: 移行を成功させるためのテクノロジは現在使用可能ですか。

A: はい。現在マイクロソフトでは 802.11ac のロールアウトを進めていて、ワイヤレス インフラストラクチャ全体でさらに多くの機能と帯域幅を利用できるようになります。また、既存の有線インフラストラクチャを強制的に廃止する前に 802.11ac を完全に実装するように取り組んでおり、従来の接続方法の撤廃を開始する前に、ワイヤレス ネットワークによって十分なレベルの信頼性とパフォーマンスを確実に提供することを目指しています。

社内インフラストラクチャに 802.11ac を実装するためにアップグレードや変更を頻繁にロールアウトしていますが、その際、ユーザーが使用している既存の機器がネットワークから意図せず削除されることがないように努めています。802.11ac 互換のソリューションを提供する場合でも、単純にデバイス自体を交換する場合でも、変更によるユーザーへの悪影響を軽減するために細心の注意を払っています。

Q: このプロジェクトのパイロット導入と実装に向けたロードマップについて教えてください。

A: 実装に向けた作業は既に進行中です。パイロット プロジェクトは終了し、今後 24 か月間に 660 か所のサイトでワイヤレス インフラストラクチャの更新と変更を予定しています。残りの約 200 か所のサイトでは、有線接続機能を今後も維持します。対象となるのは、データセンターやエンジニアリング センター、お客様やユーザーが引き続き有線接続を必要とするサイトなどです。計画全体の中では、エンド ユーザー向けネットワーク インフラストラクチャの 90% 以上を廃止します。必要な場所では有線ポートを引き続き提供しますが、フットプリントやそのサポートに必要な関連リソースは大幅に削減されます。

関連情報

以下はこのブログ シリーズの他の記事です。

マイクロソフトの IT 部門がどのようにネットワーク アーキテクチャを進化させているかについてはこちらを参照してください (英語)


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