Microsoft Azure Stack: クラウド インフラストラクチャを統合システムとして提供

執筆者: Mike Neil (Corporate Vice President, Enterprise Cloud, Microsoft Corporation)

このポストは、7 月 12 日に投稿された Microsoft Azure Stack: Delivering cloud infrastructure as Integrated Systems の翻訳です。

 

Microsoft Azure Stack テクニカル プレビュー 1 (TP1) はリリース後から多大な関心を集め、多くの企業の皆様に早期採用されています。Azure と完全な整合性を持つ Azure Stack のエクスペリエンスとパワーをさらに活用していただくことを目標に、TP1 では、ハイブリッド クラウド プラットフォームが提供できるイノベーションがどのようなものであるか、皆様がより具体的に思い描きやすいものになるように更新を行っています。ここでは、Azure Stack の提供方法についてより詳しくお伝えしたいと思います。

マイクロソフトがこの数か月にわたってよく耳にしたのは、Azure と Azure Stack が提供する独自のハイブリッド機能は、お客様やサービス プロバイダーのビジネスにとって大きな価値になるという声です。また、インフラストラクチャに関してよく聞かれる課題についても耳にしました。それは、複雑になることが多いデプロイメントや運用への対処に時間をとられるのではなく、アプリケーションやイノベーションの活用にもっと集中したいというものです。この課題はアナリストの調査でも常に浮上するもので、お客様は市場に出回る既存製品を使ってこの課題に取り組んでいます。

マイクロソフトはこれを踏まえて、グローバル規模の Azure インフラストラクチャを企業環境規模に設計し直すにあたって、Azure Stack の管理を容易にすることが不可欠であると考えました。お客様から寄せられた主な要望は以下のとおりです。

  • Azure の最新技術をすぐに活用したい。 お客様は Azure と整合性のあるサービスをリリース後にすぐに導入し、Azure の最新技術を最新のまま利用したいと考えています。また、インフラストラクチャをカスタマイズすることよりも、価値提供までの期間を短縮することを優先したいとも考えています。

 

  • 品質とシステムの信頼性を確保したい。 マイクロソフトは、お客様が品質と信頼性を重視していることをしっかりと把握しています。お客様はデプロイメントのときだけでなく、更新版の導入時にも「問題なく動作する」エンドツーエンドのソリューションを求めています。

 

このようなご要望にできるだけお応えするために、Azure Stack の初回の一般提供 (GA) リリースでは、ソフトウェア、ハードウェア、サポート、サービスを 1 つのソリューションにまとめ、すぐに使用可能な形の統合システムとしてお届けしようと考えています。そして、マイクロソフトはクラウド環境とエンタープライズ データセンター環境の両方で得たさまざまな経験をユーザー エクスペリエンスの最適化に活かしています。マイクロソフトではシステム インフラストラクチャの予測可能性により、Azure から Azure Stack に迅速に最新技術を配信することができます。また、Microsoft Cloud Platform System (CPS、英語) のエクスペリエンスを基盤としているため、注文から運用までの期間が従来よりも大幅に短縮されています。さらに、マイクロソフトとパートナー様がスタック全体向けの専用の管理機能を使用することで、ライフサイクル全体 (デプロイメント、新しい機能やサービスの追加、更新、ビジネス継続性、可用性) にわたって従来以上の品質とシステムの信頼性を確保することができます。システムは事前検証済みで、ユーザーの運用エクスペリエンスが簡素化されているため、このソリューションでビジネス クリティカルなサービスの提供を早めることができます。

マイクロソフトはお客様とパートナー様にハードウェアを選ぶ柔軟性を提供することに取り組んでおり、これに向けて Dell、HPE、Lenovo をはじめとする最大手のシステム ベンダーと緊密に協力し、運用環境用の統合システムを共同開発しています。Azure Stack は、パートナー様と共同開発した統合システムを通じて、2017 年中盤に一般提供開始を予定しています。その後、お客様のフィードバックに基づいて段階的にサポート対象のシステムのエコシステムと実装方法を充実させ、それぞれのお客様が持つ独自のニーズのすべてに対応することを目指しています。最終的な目標は、クラウド モデルをできる限り多様な用途に対応させ、幅広く普及させることです。

今回の更新により、お客様はハイブリッド クラウド戦略を次のように段階を経ながら進めていくことができます。

  • 自社アプリの開発に Azure サービスを使用できます。Azure Stack と Azure は整合性のある API を使用した統合アプリケーション モデルを共有しているため、Azure で開発した成果物は一般提供開始時に Azure Stack でも使用することができます。

 

  • 今後のテクニカル プレビューや一般提供版でも Azure Stack TP1 と同じ単一のノード エクスペリエンスが提供されるため、Azure Stack をいち早く使用して、学習や開発を行うことができます。次のテクニカル プレビューのリリースは年内後半を予定しています。

 

  • Azure Stack を自社環境に展開する準備を進めているお客様には、Microsoft Cloud Platform Solution (CPS、英語) のご購入をお勧めします。これは Azure Stack で CPS のリソースを管理できるためで、CPS への投資を維持できます。

 

  • Azure Stack でホスト仮想化テクノロジとして使用される Windows Server 2016 や Hyper-V の展開についてご確認ください。

 

最後になりますが、マイクロソフトでは皆様のご意見やご感想をお待ちしています。Azure Stack の使用方法についても UserVoice (英語) でお聞かせいただければ幸いです。いただいたフィードバックは今後の開発に役立たせていただきます。