DockeCon 2016: エンタープライズ企業のコンテナー イノベーションを促進


執筆者: Mark Russinovich (CTO, Microsoft Azure)

このポストは、6 月 21 日に投稿された Microsoft brings container innovation to the enterprise at DockerCon 2016 の翻訳です。

 

DockerCon 2016

ここ数年のコンテナー技術の動きは皆様もご存じかと思いますが、マイクロソフトは Docker や Mesosphere などの業界リーダーと連携して、Windows および Linux エコシステム向けにコンテナーのイノベーションを急ピッチで進め、企業がプラットフォームやツールを問わずアプリケーションをクラウドの迅速なスピードで構築、デプロイできるよう支援するコンテナー ソリューションをお届けしてきました。

マイクロソフトは昨年、お客様や業界の幅広いニーズに応えるために Hyper-V コンテナーを発表しました。これは、VM が従来持つ分離機能を備えた高密度のコンテナー エクスペリエンスを実現する業界初のイノベーションであり、実行されるコードの分離を強化したい場合に有効です。また、Docker との連携により Docker エコシステムと Windows エコシステムを Windows Server コンテナーに統合したことで初めて、多くの開発者にコンテナー技術を幅広く利用していただけるようになりました。

その後も引き続き業界リーダーと連携して、Linux エコシステムと Windows エコシステムに対する取り組みを拡大してきました。その一環として、Windows Server コンテナーと Linux コンテナーを組み合わせた初のマルチプラットフォーム アプリケーションのデモを披露したりもしました。マイクロソフト内でも、オープン ソースを全面的に採用する動きが急速に広がっており、わずか 1 年の間に、Linux を実行するマイクロソフトの Azure 仮想マシンは 4 分の 1 から約 3 分の 1 に増えました。また、クロス プラットフォームの Visual Studio Code (英語) など、各種開発ツールや拡張機能に Docker のサポートを追加し、あらゆる開発者に向けて Docker のエクスペリエンスを拡充しています。

エンタープライズ企業でコンテナー技術が導入され始めたのに伴い、Microsoft Azure はエンタープライズ向けクラウドとしてここ数か月間で利用が大幅に増加しています。コンテナーによってコスト削減やビジネスの俊敏性向上が可能になるというメリットが認識されるようになり、コンテナーの利用が「仮定」の話から「現実」へとシフトしているのです。最近 North Bridge がオープン ソース ソフトウェア (OSS) の将来に関して全世界の 1,400 社を対象に調査を実施したところ、そのうちの 76% が 2016 年中にコンテナーの利用を計画しており、40% は既に利用していることが明らかになりました。

マイクロソフトが調べたデータを見ても、コンテナーを利用しているお客様は 4 倍に増え、コンテナーの利用量は 2016 年最初の数か月だけで 2 倍に拡大しています。そのうちの 25% 以上が、金融サービス、小売、製造といったミッション クリティカルなアプリケーションが当たり前の、きわめて伝統的なエンタープライズ セクターに名を連ねる Fortune 500 企業です。

こうしたエンタープライズ企業のお客様とコンテナーの大規模な導入と管理についてお話をする際は、次のような 3 つの優先事項を軸としています。

  • オープン ソース: Forrester の調査によると、CIO の 40% は来年までに自社にオープン ソース テクノロジを導入することが必須であると認識していました。その理由は主に、コストの抑制、ベンダー ロックインの解消、俊敏性の向上です。また、前述の North Bridge の調査では、OSS を利用する企業は前年比で 65% 増加しています。
  • 選択肢: マイクロソフトは、選択肢や柔軟性を重視するお客様の声に常に耳を傾けています。そうしたお客様の考えには、「今使用しているツールやテクノロジ、プラットフォームを別のものに切り替えたくない」、「クラウドへの既存の投資やスキルを活用したい」、「現状のクラウド環境に満足している」というものがあります。
  • ハイブリッド: エンタープライズ企業は、現在もオンプレミスのインフラストラクチャに数百万ドル規模の投資をしています。クラウドが有益であることは認めつつも、多くの場合、ビジネス上の理由から自社のアプリケーションの一部はオンプレミス インフラストラクチャに保持しています。したがって、オンプレミスとクラウドのインフラストラクチャにまたがってコンテナー ベースのアプリケーションを管理できるハイブリッド クラウド ソリューションは、お客様にとって魅力的な価値となります。

エンタープライズ企業にとってのこれらの優先事項の意味を踏まえながら、本日私は DockerCon にて、コンテナーをクラウドで実行、管理する新機能のデモを行いました。デモでは次のような内容をお伝えしました。

    • Docker Datacenter Azure Marketplace で公開されました。運用環境で利用できる Docker 対応のプラットフォームにより、コンテナーの管理サービスとデプロイメント サービスをエンタープライズ企業でも利用できるようになります。このプラットフォームはファイアウォールの内側でローカルにホストされます。あらかじめ定義された ARM (Azure Resource Manager) テンプレートを使用してデプロイできるため Azure Marketplace からのデプロイメントは簡単で、Docker Datacenter の構成や利用をすばやく開始できます。
  • Docker Datacenter では、Azure に散在するハイブリッドのコンテナー ベース アプリケーションを管理できます。また、初めて Azure Stack のオンプレミス環境にも対応しています。Azure Stack は、一貫性と接続性を実現しながら「Azure の機能をお客様のデータセンターに」提供するマイクロソフト独自のサービスです。Docker Datacenter がパブリックとプライベートにまたがる Azure クラウドを真のハイブリッド方式で管理し、Azure のコンポーネントと Azure Stack のオンプレミス コンポーネントと共にハイブリッド アプリケーションを管理するしくみを今後ご紹介したいと思います。

 

Azure Stack_DockerCon 2016

  • Operations Management Suite (OMS) では、Azure Azure Stack のオンプレミス環境に散在するコンテナーを管理できます。Operations Management Suite (OMS) は、Azure、AWS、Windows Server、Linux、VMWare、OpenStack といった、あらゆるハイブリッド クラウド環境を管理できるクラウド IT 管理ソリューションです。

 

  • Azure Container Service プレビューに Windows Server コンテナーのサポートを追加しました。Docker Swarm を使用することで、複数の Docker ホストを単一の仮想ホストに変換できるネイティブのクラスタリング機能を提供します。Azure Container Service は、Docker Swarm などのオープン ソースのオーケストレーション テクノロジを選べるように設計されており、テンプレートを使用して数クリックで簡単に構成とデプロイメントを行うことが可能です。これにより Azure Container Service は Linux と Windows Server をサポートし、開発者がターゲットとするオペレーティング システムの種類にかかわらずサービスを利用できるようになっています。
  • Linux で実行される SQL Server Docker コンテナーにデプロイできます。3 月に発表された Linux 版 SQL Server (英語) は現在、プライベート プレビューとして提供されています。今回プライベート プレビュー (英語) の参加者が、Ubuntu で動作する Linux 版 SQL Server を Docker イメージとして実行できるようになりました。エンタープライズ企業が運用環境のワークロードにコンテナーを活用して収益性や俊敏性を最大限に高めるためには、SQL Server など業界標準のワークロードもコンテナーで実行することが必要になります。コンテナーの利用は急速に増え続けています。特にオンプレミスやクラウドのデータにアクセスするうえで、SQL Server のミッション クリティカルなパフォーマンスや、業界をリードする TCO、Stretch Database などのハイブリッド クラウド技術を考慮すると、これは重要なことです。

エンタープライズ企業でのコンテナーの導入はますます広がっています。企業がコンテナーを活用して複雑化するシナリオに対応したりコンテナーを大規模に管理するのに合わせて、マイクロソフトは高度なハイブリッド クラウド機能や柔軟性の向上、オープン化への取り組みを行い、これを通じて独自にエンタープライズ企業を支援しています。マイクロソフトのコンテナー戦略と Azure 戦略はいずれも、オープン ソース テクノロジへの熱心な取り組みにおいて他社とは一線を画しており、お客様の優先事項と投資に合った幅広い選択肢を提供しています。

今後も Docker をはじめとする業界リーダーとの連携を引き続き拡大しながら、お客様に最大限の選択肢を提供することを基本方針としていきます。それによりお客様が最先端のイノベーションを利用できるようになり、最終的にクラウドならではのスピード感と規模でビジネスを進化させるイノベーションを活用できるようになることを目指します。

私の基調講演やその他セッションのライブ ストリームを見逃した方は、DockerCon の Web サイト (英語) で視聴可能になる予定ですのでぜひチェックしてください。

 

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