Azure Cool Blob Storage の一般提供を開始

執筆者: Sriprasad Bhat (Senior Program Manager, Azure Storage)

このポストは、4 月 28 日に投稿された Introducing Azure Cool Blob Storage の翻訳です。

 

マイクロソフトは、指数関数的に増え続けるクラウド データのストレージ料金の管理について取り組みを進めています。ストレージ料金の管理で重要なのは、アクセス頻度や保持期間などの特性に応じてデータを階層化することです。顧客データの多くは、アクセス頻度が低いが、アクセス頻度の高いデータ (Hot Data) と同等のレイテンシやパフォーマンスが要求される低アクセス データ (Cool Data) に分類されます。

このたびマイクロソフトは、アクセス頻度の低いオブジェクト データ向けの低コスト ストレージである Cool Blob Storage の一般提供を開始します。このストレージは、バックアップ、メディア コンテンツ、科学データ、コンプライアンス、アーカイブ データなどでの使用を想定しており、一般的には長期間保持され、アクセス頻度が 1 か月に 1 回以下のデータに適しています。

Blob ストレージ アカウントを新規作成する際に、オブジェクト データのアクセス パターンに応じて HotCool のアクセス階層を選択できます。この Blob ストレージ アカウントには以下のような特長があります。

  • コスト効率: アクセス頻度が低いデータはストレージ料金が安い Cool アクセス階層に格納し (1 GB あたり 0.01 ドル。ただし、リージョンによって異なります)、アクセス頻度が比較的高いデータはアクセス料金が安い Hot アクセス階層に格納することができます。リージョン別の料金については Azure Storage の料金ページでご確認ください。

 

  • 互換性: Blob ストレージ アカウントでは既存の Blob ストレージと API の互換性が完全に保たれているため、既存のアプリケーションで新規ストレージ アカウントをシームレスに使用できます。

 

  • パフォーマンス: どちらのアクセス階層でも、レイテンシやスループットのパフォーマンス プロファイルは同等です。

 

  • 可用性: Hot アクセス階層では 99.9% の高い可用性が保証されます。一方 Cool アクセス階層ではそれよりもわずかに低い 99% の可用性が保証されます。RA-GRS 冗長性オプションを使用すると、SLA で読み込みアクセスの可用性が、Hot アクセス階層では 99.99%、Cool アクセス階層では 99.9% 保証されます。

 

  • 耐久性: どちらのアクセス階層でも、Azure Storage および現在お客様が使用しているデータ レプリケーション オプションで提供されているものと同一の高い耐久性が提供されます。

 

  • スケーラビリティとセキュリティ: Blob ストレージ アカウントでは既存のサービスと同一のスケーラビリティ機能とセキュリティ機能が提供されます。

 

  • 世界中からアクセス可能 : Blob ストレージ アカウントは本日からほとんどの Azure リージョンで提供が開始され、さらに他のリージョンでも近日中に提供が開始されます。サービスが提供されるリージョンの最新のリストは、リージョン別の利用可能な Azure サービス ページでご確認ください。

 

この機能の使用開始に関する詳細については、入門ガイド (英語) を参照してください。

既存のデータ インフラストラクチャの一部として、パートナーのソリューションから Azure Storage を使用しているお客様も多いかと思います。ここからは、Cool ストレージをサポートしている各パートナーの最新情報についてお伝えします。

  • Commvault (英語): Commvault が提供する Windows/Azure 中心の "Commvault Integrated Solutions Portfolio" ソフトウェア ソリューションは、単一のソリューションで企業のデータ管理に対応します。Commvault は Azure をネイティブにサポートしているため、Azure への移行を検討しているお客様には大きなメリットとなります。また、Commvault はマイクロソフトと 17 年間以上緊密な協力関係にあり、統合や互換性の確保について連携して取り組んでいます。今回新たに Cool ストレージの提供が開始され、Azure サービスがさらに強化されました。このサービスが Commvault とマイクロソフトの両者に新たな機会をもたらす重要な要素となることが期待されます。

 

  • Veritas (英語): Veritas NetBackup™ は、あらゆるワークロード、あらゆるストレージ デバイス、あらゆる場所にある企業データを、管理とパフォーマンスの両面でグローバルに保護する市場最先端のソリューションです。NetBackup のこの実績あるグローバル企業向け機能は、オンプレミスとオフプレミスの両方のあらゆる用途をカバーするスケーラブルなクラウド対応データ保護ソリューションとなっています。マイクロソフトの Azure Cool ストレージの発表に合わせて、 Veritas NetBackup 8.0 Beta に統合された Azure Cloud Connector のベータ版の提供開始を発表しました。これにより、Azure Storage を企業のハイブリッド クラウド データ保護戦略の主要コンポーネントとして使用したときの使いやすさや管理性、パフォーマンスをテストしたり実際に体験することが簡単になります。ベータ版 NetBackup 8.0 の登録とダウンロードは、こちらのページ (英語) から可能です。

 

  • SoftNAS (英語): SoftNAS™® では近日中に Azure Cool ストレージのサポートが開始されます。SoftNAS Cloud® NAS ユーザーは、NFS や CFS/SMB、iSCSI などの標準的なファイル プロトコルを必要とするアプリケーションやワークロードで、ほぼ無限のストレージ プールを使用できるようになります。2016 年夏までに、増え続けるストレージ料金を抑制する選択肢として、SoftNAS Cloud NAS で Azure Cool ストレージを使用できるようになります。 SoftNAS ではアプリケーションを変更せずにそのままクラウドへ移行することが可能で、また重複除去や圧縮、ディレクトリ統合、暗号化、スナップショット作成、その他の多数の企業向け NAS 機能を使用できます。SoftNAS StorageCenter™ コンソールでは、集約的なコンソール、つまりブロックをバックとする Hot と BLOB オブジェクトをバックとする Cool から適切なファイル ストレージを選択し、データのライフサイクルの中で合理的な場所にコンテンツを移動することができます。

 

  • Cohesity (英語): Cohesity は、世界初となる企業データ向け大規模集約型ストレージ システムを提供しています。Cohesity ではセカンダリ ストレージ内の断片化された非効率的な記憶領域を、オンプレミスとパブリック クラウドの両方で実行可能で無限の拡張性を持つ無制限のストレージ プラットフォームに集約できます。Cohesity は最新の Web スケール分散システム テクノロジで設計されており、統合化された即座にアクセス可能なストレージ プールを作成すると、既存のバックアップやファイル共有、オブジェクト、開発/テスト用のストレージの障壁に関する問題を大幅に簡素化できます。Cohesity プラットフォームは、データの長期保持やアーカイブ、アクセス頻度の低いデータのクラウドへの階層化、災害復旧機能用のレプリケーションという主に 3 つの用途において、Azure Cool ストレージとシームレスに連携します。 Azure Cool ストレージは Cohesity のポリシー ベースの管理ポータルから簡単に登録することが可能で、Cohesity プラットフォームで実行されている任意のデータ保護ワークロードに適用できます。

 

  • CloudBerry Lab (英語): Microsoft Azure 用の CloudBerry Backup は、Microsoft Azure クラウド ストレージへのデータ バックアップの自動化を目的として設計されています。この製品は、ユーザーが制御するパスワードを使用して、データがコンピューターから送信される前に圧縮と暗号化を行い、その後、スケジュール設定に従うかまたはリアルタイムで安全にクラウドへデータを送信します。また、CloudBerry Backup ではファイル システムおよびイメージに基づいたバックアップ、SQL Server および MS Exchange のサポート、柔軟な保持ポリシー、差分バックアップがサポートされています。CloudBerry Backup では、バックアップ データの格納先として Azure Blob Storage が新たにサポートされました。

 

Cool ストレージは今後数か月以内にさらに多くのパートナーに統合される予定です。

いつものお願いではありますが、皆様からのフィードバックやご提案をお待ちしています。

ではまた!

Azure Storage チーム