System Center 2016 プレビューと Operations Management Suite でハイブリッド環境の管理がさらに簡単に

執筆者: Mike Neil (Corporate Vice President, Enterprise Cloud)

このポストは、4 月 27 日に投稿された Microsoft simplifies hybrid management with new System Center 2016 Preview and Operations Management Suite の翻訳です。

 

今回は、マイクロソフトのエンタープライズ クラウド担当コーポレート バイス プレジデントを務める Mike Neil の記事をご紹介します。

今日ハイブリッド クラウドは実用的な IT ソリューションとして地位を確立しており、ほとんどの企業が SaaS アプリケーションの利用やパブリック クラウドへの大規模な移行などでクラウド リソースを活用しています。その結果、IT 運用における新たな課題として、企業では従来から利用している既存のインフラストラクチャと新しいクラウド リソースの両方を管理することが必要とされています。本日マイクロソフトは、以前から取り組んでいるハイブリッド クラウド管理製品の開発成果の 1 つとして、System Center 2016 Technical Preview 5 のリリースを発表しました。System Center 2016 はこれまでのバージョンの開発で得られた経験と知識をベースに構築されており、データセンターの制御性を強化し、データセンターとクラウドの両方のリソース管理をシンプルにするための新機能が追加されています。

 

IT 運用に関する新たなニーズ

最初にリリースされた IT インフラストラクチャ管理ツールは、非常に基本的な問題に対応することのみを考えて開発されていました。しかし、企業が使用するサーバー数が増え、すべての従業員が PC を使用するようになるにつれて、従来のように少数のサーバーやデスクトップ PC ごとに手動で操作するのは非効率であることが明らかになりました。System Center の最初のバージョンがリリースされたのはもう 10 年以上前のことですが、これによって企業はより大規模な IT 運用に対応できるようになり、さらに多くのビジネス価値を得られるようになりました。そして、本日リリースした System Center 2016 プレビューでは、クラウド環境における課題に対応するさまざまな新機能が追加されました。イノベーションの速度が増すにつれて、IT 運用における課題も多様化し、それぞれの課題に対応する個々の特別なツールが必要になっています。複数のツールを使用するというのは、各デスクをまわって個々の PC を更新するのと同じくらい面倒であり、これでは大規模な管理にはつながりません。

 

ハイブリッド クラウドの制御が可能に

このようにクラウド環境におけるニーズは複雑ですが、マイクロソフトはオンプレミス環境とクラウド環境をまとめて管理するためのツールとして、System Center と Microsoft Operations Management Suite を提供しています。System Center はオンプレミス データセンターの迅速な管理を可能にする製品です。一方 Operations Management Suite は、クラウド ベースの管理を簡素化するものであり、既存の System Center への投資価値を拡張して、複数のクラウドを利用するという新たなオプションを提供してくれます。System Center と Operations Management Suite は、オンプレミス インフラストラクチャの管理や既存アプリケーションに対応しながら、同時にクラウド向けに設計された新しい分散型のマイクロサービスを基盤とするアプリケーションの管理にも対応しています。System Center 2016 は Operations Management Suite と統合されており、お客様が必要としている制御機能を提供し、イノベーションをさらに促進します。

 

System Center 2016 Technical Preview 5 の新機能

System Center は世界中の企業でミッション クリティカルなインフラストラクチャの管理に使用されています。最新リリースでは、高度に仮想化されたソフトウェア定義インフラストラクチャの管理を簡素化する新機能が追加されています。System Center 2016 ではデータセンターの高度な制御や Linux 環境の詳細な予測管理に対応したほか、Windows Server 2016 で導入された一部の高度な機能を使用できます。ここでは、System Center 2016 の特長をいくつか紹介します。

  • Nano Server のホストおよび仮想マシンのライフサイクル管理、新しい Windows Server 2016 のソフトウェア定義ネットワーク コンポーネントのデプロイメントの簡素化、Storage Spaces Direct および複製されたストレージ ボリュームのサポートなど、ソフトウェア定義データセンターの高度なサポートを提供します。
  • データ駆動型のアラート管理により、不要な情報を削減してトラブルシューティングを迅速化したり、メンテナンス時間のスケジュールを設定することが可能です。また、監視可能な UNIX サーバーや Linux サーバーの規模が拡大されたり、管理パックへのアクセスが合理化されるなど、IT 運用の監視範囲を拡大すると共にさまざまな負荷を軽減します。
  • インプレース アップグレード、パッケージやプロファイルのプロビジョニング、Windows 10 の新機能のサポート、新しいサービス ダッシュボードの導入、Microsoft Intune との接続によるモバイル デバイスやモバイル アプリケーションの管理機能の改良などにより、Windows の管理をさらに柔軟に行うことができます。

今回のリリースの詳細については、Microsoft Mechanics の「System Center 2016 の新機能 (英語)」をご覧ください。この番組では新機能の実際の使い方が紹介されています。また、エンジニアリング チームが書いた System Center 2016 に関するブログ記事 (英語) も併せてお読みください。

 

Windows Server 2016 Technical Preview 5 を発表

今回、同時に Windows Server 2016 Technical Preview 5 もリリースされました。新バージョンの Windows Server には最新の高度なサイバー攻撃を阻止する新しいセキュリティ階層が導入されており、特権アクセスの制御、仮想マシンの防御、サーバー環境の保護により新しい脅威からお客様の安全を確保します。また、このリリースで提供される新機能では、ソフトウェア定義のコンピューティング、ストレージ、ネットワーク仮想化テクノロジを使用して、より柔軟でコスト効率が高いデータセンターを作成できます。さらに、新たに導入された軽量の Nano Server をデプロイできるほか、Windows Server や Hyper-V コンテナーなどのアプリケーションの構築や実行を支援するなど、革新的な機能が搭載されています。詳細については、Jeffrey Snover によるブログ記事 (英語) をご覧ください。この記事は「Windows Server 2016 の 10 の魅力」というブログ シリーズの 1 つですので、その他もぜひご覧ください。

Windows Server と System Center 2016 は現在マイクロソフトが特に力を入れて開発に取り組んでいる製品群の 1 つで、ハイブリッド クラウド環境の管理における問題を解消するオプションの拡張や柔軟性の向上を目指しています。マイクロソフトは今回新たなバージョンをリリースできたことをたいへん嬉しく思っています。ぜひ System Center 2016 Technical Preview 5Windows Server 2016 Technical Preview 5 をダウンロードして、パワーアップした機能の数々をお試しください。フィードバックもお待ちしております。