Build 2016での発表: 現在と未来のクラウド開発を支える最新技術


執筆者: Scott Guthrie (Executive Vice President, Cloud and Enterprise Group)

このポストは、3 月 31 日に投稿された Build 2016: Announcing tomorrow’s cloud innovations for today’s developers の翻訳です。

 

クラウドによる変革が、あらゆる企業や業界で進んでいます。クラウドのスピード、スケール、俊敏性は向上し続けており、それに比例するようにクラウド サービスで実現可能なことも増えています。たとえば、酪農家が牛に監視用センサーを付けて生乳の生産量を増やしたり、病院で衛生状態を自動監視して安全性を向上させたり、自動車から交通状況が通知されるようにして通勤ストレスを軽減させたりといったことが、今すべて現実となっています。これを可能にしているのは、爆発的に増加を続けるデータと、そのデータを分析してビジネスに役立つ情報を引き出し、デバイスに接続するために使われる新たな手法です。

しかし、ビジネスを進化させ、次世代のクラウド コンピューティングを実現させることは、開発者にとって容易ではありません。短期間でイノベーションを実現させなければならないという重圧は、開発者の大きな負担となっています。しかも、クラウドのスピードに合わせてデータを処理、分析でき、あらゆるデバイスやプラットフォームで動作するアプリケーションを開発しなければならないのです。私が本日お伝えしたいのは 1 つだけです。それは「マイクロソフトが開発者の皆様をこうした重圧から解放する」ということです。Microsoft Azure は全世界に 30 リージョンという他にはない規模で運用されており、あらゆるデバイスや OS に対応したインテリジェントなアプリケーションを簡単に開発できる最適な環境を提供しています。

本日マイクロソフトは、無料の Visual Studio Community Edition を含むすべての Visual Studio ユーザーの皆様を対象に Xamarin を無償提供することを発表しました。これにより、あらゆるデバイスやプラットフォームへの対応がこれまでよりもずっと簡単になります。さらに、OS X でも無料の Xamarin Studio Community Edition の提供を開始します。これで、世界中の開発者の皆様がエンドツーエンドのモバイル開発ソリューションを使用してアプリを簡単に作成できるようになります。既に Slack、Pinterest、アラスカ航空といった多数のお客様にご活用いただいています。また、豊富な選択肢と柔軟性を提供するために、.NET Foundation の活動の一環として、Xamarin のランタイム、ライブラリ、コマンドライン ツールをオープン ソース化することを発表しました。MIT ライセンスにより、Xamarin SDK と Mono の両方をご利用いただくことができます。

Xamarin の機能やサービスはマイクロソフトの DevOps や企業向けの開発ツールにも追加され、モバイル開発サイクルのすべての段階に対応する包括的なソリューションとなります。

マイクロソフトは Xamarin と Azure App Service を組み合わせて高度なモバイル バックエンドを実現することで、開発者の皆様が次世代のアプリケーション開発に対応できるよう支援しています。しかし、これは支援全体のごく一部でしかありません。よりインテリジェントな予測アプリケーションを開発するためには、爆発的に増加するデータを利用するアプリを、増え続けるデバイスと確実に接続する必要があります。本日これに対応するための複数の最新技術を発表しました。

その 1 つが Azure Functions のプレビューです。Azure Functions は、市場をリードする Azure のアプリケーション プラットフォームにサーバーレス コンピューティングを提供し、イベント駆動型ソリューションを実行します。Azure Functions を使用すると、Web アプリケーションやモバイル アプリケーション、IoT、ビッグ データで一般的なイベントに応答するオンデマンドのタスクを簡単に処理できます。Azure Functions は Azure やサードパーティのサービスと連携し、JavaScript、C#、Python、PHP などのさまざまな言語で関数を作成できるほか、需要に応じて自動的にスケールアウトし、関数を実行した時間分のみの料金が請求されます。また、ランタイムはオープン ソースであるため、この機能は Azure、自社データセンター、その他のクラウド サービスなどあらゆる場所で実行することが可能で、高い柔軟性と幅広い選択肢を提供します。

また、モノのインターネット (IoT) を活用してデータとデバイスを接続し、さらなるイノベーションを実現するためのソリューションも発表されました。その 1 つが、Azure IoT Starter Kits の販売開始です。このキットには、開発ボード、アクチュエータ、センサー、チュートリアルが含まれており、Windows や Linux の開発経験があれば、学生、発明家、デバイス メーカー、一般ユーザー、開発者などだれでも IoT のプロトタイプを低コストですばやく作成できます。プロトタイプを運用規模でデプロイする準備が完了したら、ユーザーは既に市場で提供されている Azure の包括的な IoT サービスのすべてを活用できます。このほか、Azure IoT Gateway SDK および Azure IoT Hub のデバイス管理機能も発表されました。既存のインフラストラクチャを置き換えることなく、レガシ デバイスやセンサーをインターネットに接続し、それらの大規模なデバイスを標準に基づく手法で管理することにより、IoT の実現がさらに容易になります。たとえば Schneider Electric では、Azure IoT テクノロジを活用して今年だけで 300 万台以上のデバイスを接続しており、これをきっかけに伝統的な電機メーカーからネットワーク型の最先端企業へと進化を果たし、持続可能なエネルギー管理業界の世界的リーダーへと成長しました。

IoT を活用してデバイスとデータを接続することはとても重要ですが、それと同様に、データの取得、保存、処理、分析も重要です。顧客がデータを分析して情報を引き出せるようにすることを目指す開発者の皆様に向けて、マイクロソフトは Power BI Embedded のプレビューを発表しました。Power BI Embedded では、あらゆるデバイスのあらゆる顧客向けアプリケーションに完全にインタラクティブなレポートや視覚化機能を埋め込むことができます。あらかじめ用意された多種多様な Power BI のデータ視覚化機能の中から選択することも、独自のアプリケーション用にカスタムの視覚化機能を容易に作成することもできます。この他にも、豊富な選択肢と最大限の柔軟性を提供しながらスケーリングも行えるように、アプリケーションがスケーラブルな NoSQL サービスである DocumentDB と通信できるようにしました。これは既存の Apache License MongoDB API とドライバーを使用することによって可能であり、DocumentDB の利用範囲が広がります。たとえば、ゲーム メーカーの NextGames は、マルチプレイヤー ゲームの Walking Dead を Azure で運用し、このサービスを利用して 1 日に 750 億回の要求を処理しています。

俊敏性に優れた常時稼働のスケーラブルなアプリに対する需要は大幅に増加しています。この現状を踏まえ、マイクロソフトは開発者の皆様がクラウド ファーストの世界で新しいアプリケーション モデルを活用できるように優先的に取り組んでいます。24 時間 365 日体制の運用が求められる今、メンテナンスのためにアプリを停止することは許されません。このようなビジネス要件に対応するために、独立したコンポーネントが連携してアプリケーション全体の機能を提供するマイクロサービスに着目する開発者が増加しています。

本日マイクロソフトは、マイクロサービス アプリケーション プラットフォームである Azure Service Fabric の一般提供開始を発表しました。これにより開発者の皆様は常時稼働の可用性とスケールを併せ持つアプリやサービスを設計することが可能になります。Azure Service Fabric は、Azure SQL Database、Azure Document DB、Cortana、Skype for Business をはじめとするマイクロソフト クラウド サービスの基盤として長期にわたって使用され、最前線での使用に耐えてきた確固たる実績があります。また、正常性に応じた自動アップグレードやロールバック、ステートフル/ステートレスなマイクロサービスのサポート、Visual Studio との高度な統合といった機能を備えた魅力的な選択肢となっています。また、オンプレミスや他のクラウド サービスへのデプロイを可能にする Service Fabric for Windows Server のほか、Service Fabric for Linux、Java API も発表され、あらゆる開発者の皆様が優れたスケーラビリティ、可用性、俊敏性を実現できるようになっています。

インテリジェントなデータや機械学習の発展から、IoT の最新技術やマイクロサービスにいたるまで、マイクロソフトはクラウドの現状と将来的な進化の両方に対応するアプリケーションの開発を支援します。これは、コア インフラストラクチャ サービスからプラットフォーム サービス、ツール、SaaS といったさまざまなサービスを展開し、多様な言語やプラットフォームによる柔軟なアプリケーション開発を実現し、あらゆる企業や開発者の皆様を支援する唯一のクラウド プロバイダーであるマイクロソフトだからこそできるご提案です。本日の Build は、マイクロソフトから開発者の皆様に最新技術を発表し、それに対するフィードバックを直接いただくことができるたいへん貴重な機会です。今後も皆様の生産性向上に貢献できるように、製品やサービスの開発、提供、改良に継続的に取り組むと共に、次世代のクラウドをお客様と一緒に実現していけることを心から願っています。 

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