インテリジェント クラウドの実現 – Build 2016 の発表内容のまとめ

執筆者: Nicole Herskowitz (Director of Product Marketing, Cloud Platform)

このポストは、3 月 31 日に投稿された Developing for the intelligent cloud at //Build の翻訳です。

Microsoft Azure は、あらゆるプラットフォームであらゆる言語を使ってアプリケーションを構築、実行するための環境を提供している開発者のための優れたソリューションです。コア インフラストラクチャ サービス、プラットフォーム サービス、開発ツールといった開発者が求める多種多様なニーズに応えることを目指しています。こうした柔軟で豊富な選択肢を提供するほかにマイクロソフトが重要なミッションとして掲げているのが、開発者の生産性向上です。最新のテクノロジをすべての開発者が簡単に利用できるようにし、短期間でアプリケーションを開発できるようにすることを目標としています。この取り組みの一環として行っている「サービスとしてのプラットフォーム (PaaS)」への投資は、業界内でも高い評価を得ています。その証拠に、Azure は先日の Magic Quadrant for Enterprise Application Platform as a Service (aPaaS) で、3 年連続で「Leader」に選ばれました。

昨今のデータとデバイスの急増に伴い、先見的な企業や開発者は、データを活用してビジネスを変革するための独自のソリューションを構築することに関心を寄せています。Azure では高度なデータ プラットフォームに加えて、分析、ビジネス インテリジェンス、機械学習といったテクノロジを提供しており、インテリジェントなアプリケーションの作成をサポートしています。

今回の //Build では、モバイル アプリ開発、モノのインターネット (IoT)、マイクロサービス、インテリジェンスといった昨今のテクノロジの主なトレンドを取り入れ、クラウドの活用を飛躍的に向上させる最新機能を発表 (英語) しました。こうした最新のシナリオをサポートできるのも、Azure プラットフォームがあらゆる用途に対応し、常に発展を続けているからにほかなりません。この記事では、Azure に関する重要な発表をまとめてご紹介します。各発表の詳細については、リンク先の関連資料をご確認ください。

Web およびモバイル開発 向けに、Azure App Service では Web プラットフォームおよび Windows、iOS、Android のネイティブ モバイル プラットフォーム向けの充実したバックエンド機能を提供しています。モバイル開発環境の充実を図るべく、マイクロソフトは先日 Xamarin を買収しました。これにより、今後はあらゆるモバイル プラットフォームで動作するモバイル アプリを短期間かつ簡単に、しかも追加コストなしで開発できるようになります。Xamarin の最新情報については、Visual Studio ブログをご確認ください。

モバイル デバイスや埋め込みデバイスが人々の普段の生活やビジネスの中で活用されていくにつれ、アプリケーションが IoT へと発展していくのは自然なことです。そしてこの流れの中で新たなビジネス モデルやサービスが生まれつつあります。Azure の IoT ソリューションを活用することで、あらゆるデバイスやデータの安全性、スケーラブルな接続、収集、分析が可能になります。開発者の皆様に Azure の IoT を今まで以上に活用していただけるように、今回以下のことを発表しました。

  • Azure IoT Starter Kit ( 英語 ) : Azure IoT Starter Kit のパートナー経由での販売が開始されました。新しいキットは 5 種類あります。いずれも Azure Certified for IoT の認定済み開発ボード、アクチュエータ、センサー、シンプルでわかりやすいチュートリアルが付属しており、Windows か Linux の開発経験があればだれでも IoT のプロトタイプをすばやく低コストで作成できます。
  • Azure IoT Hub Device Management ( 英語 ) : 第 2 四半期後半に提供が開始されます。中~大規模のグローバル企業のお客様が簡単かつコスト効率に優れた方法で、大規模な IoT デバイスをクラウド経由でリモートから保守、操作、管理することができます。
  • Azure IoT Gateway SDK のプレビュー ( 英語 ) : 第 2 四半期後半に提供が開始されます。既存のインフラストラクチャを置き換えることなく、レガシ デバイスやセンサーを Azure クラウドに接続できるようになります。

開発者の皆様にクラウドのメリットを存分に活用していただくために、アプリケーション モデルは常に進化しています。そうした中で生まれた マイクロサービス は、俊敏性と 24 時間 365 日の可用性を実現するスケーラビリティに優れたアプリケーションを開発できる新たなアプローチです。クラウド ネイティブなアプリケーションの開発を支援するために、今回以下の発表を行いました。

  • Azure Service Fabric の一般提供開始 ( 英語 ) : Service Fabric は、常時利用可能なクラウド規模のアプリケーションおよびサービスを構築するためのマイクロサービス アプリケーション プラットフォームで、Azure SQL Database、Cortana、Skype for Business といったマイクロソフトのクラウド サービスの基盤として使用されており、シームレスなアプリケーション ライフサイクル管理が可能です。また、Service Fabric for Windows ServerService Fabric for Linux のプレビューも発表されました。前者ではオンプレミスおよび他のクラウド サービスへのデプロイがサポートされ、後者では Java API を使用することでより多くの開発者が Service Fabric を利用できるようになり、アプリケーションの移植性が向上します。
  • Azure Functions のプレビュー ( 英語 ) : Azure Functions は市場をリードする Azure のアプリケーション プラットフォームにサーバーレス コンピューティングを提供するもので、Web およびモバイルのアプリケーション、IoT、ビッグ データ ソリューションで一般的なイベント駆動型のアプローチを実現します。Azure Functions は従量課金制のサービスで、Azure およびサード パーティのサービスと連動し、ニーズに応じて自動的にスケールアウトされます。

Microsoft Azure のデータ プラットフォームおよび予測分析機能を使用すると、社内のデータを最大限に活用して インテリジェント なアプリケーションを開発できます。今回の //Build では、データとインテリジェンスを活用するための以下の最新技術が発表されました。

  • Cortana Intelligence Suite ( 英語 ) (旧称 Cortana Analytics Suite): インテリジェントなソリューションやエージェントを構築するための新機能が追加され、これまでにない画期的な方法で組織の能力を拡張できるようになりました。
    • Microsoft Bot Framework ( 英語 ) : インテリジェントなエージェント (ボット) を作成するための機能で、テキスト、SMS、Office 365 メール、Skype、Slack、Twitter などを通じて、ユーザーがコンテキストに沿った自然な方法でインテリジェントなソリューションとやり取りを行えるようになります。
    • Microsoft Cognitive Services のプレビュー ( 英語 ) : 周囲の状況を見聞きして、解釈、理解することのできるインテリジェントなソリューションを構築するための機能です。このプレビューでは、画像、音声、テキスト、顔の認識といった既存の知覚的なインテリジェンス機能に加えて、感情の認知やカスタマイズされた言語認識などがサポートされます。
  • Power BI Embedded のプレビュー ( 英語 ) : 時間と費用をかけて一から構築しなくても、優れたインタラクティブ レポートや視覚化機能を顧客向けアプリに埋め込むことができます。あらかじめ用意された構成済みのデータ視覚化機能を選択するか、アプリケーション固有のニーズに合ったカスタムの視覚化機能を構成することができます。
  • DocumentDB プロトコルによる MongoDB のサポートのプレビュー ( 英語 ) : コミュニティによってサポートされる既存の Apache License MongoDB API とドライバーを使用して、アプリケーションと DocumentDB との通信を簡単かつ透過的に実行できます。

Microsoft Azure はクラウドの発展と共に進化しています。マイクロソフトは以下のとおり、全般的なサービスの向上にも努めています。

マイクロソフトはマイクロサービスから IoT、インテリジェンスまで、開発者の皆様が常に最新のクラウド テクノロジを活用できるよう日々努めています。その中で、最先端のクラウド テクノロジの提供を通じて、BMW、Schneider Electric、AccuWeather、Milliman をはじめとする多くのお客様がテクノロジ環境の進化に対応できるよう支援しています。マイクロソフトはクラウドに包括的にアプローチすることで、あらゆるお客様にご満足いただけるサービスを提供することを目指しています。お客様がそれぞれのペースでクラウド ファーストへの取り組みを進め、より優れた成果を上げることができるようこれからも支援させていただきます。

基調講演やセッション、イベントの最新情報については、Build 2016 の Web サイト (英語) をご覧ください。