Mobile World Congress 2016 で印象に残った 3 つのこと

執筆者: Jeff Marcoux (CMO Lead, Azure Mobile Engagement)

このポストは、3 月 14 日に投稿された Top three takeaways from #MWC16 の翻訳です。

  

スペインのバルセロナで開催された今年の Mobile World Congress は、これまでにない大規模なものとなりました。長時間のフライトや山盛りのタパス、タクシーでの珍事件など、会場までの移動は大変でしたが、このイベント自体はとても実りが多いものでした。今回の記事では、その中でも特に印象に残ったことやテーマについてお伝えしたいと思います。

1. バーチャル リアリティと 4D

Mobile World Congress の会場を回っていると、バーチャル リアリティ (VR) に関する展示がいくつもあり、デモには 2 時間待ちの行列も見られました。展示されていた VR アプリケーションは、未来都市でのサイバー セキュリティ マーケティングやジェットコースター体験、水中体験など多岐にわたるものでした。中でも特に注目したのは、ヘッドセット単体を使用するのではなく、4D エクスペリエンスに進化させる技術です。これらの 4D エクスペリエンスは VR と音声と座席の動きを組み合わせたもので、人間の感覚を欺く完全没入型のエクスペリエンスを実現させていました。順番を待っている間にこれを体験している人を目の前で見ていましたが、いざ自分がヘッドセットを装着すると、まったく新しい世界へと引きこまれました。エンターテイメント業界における VR の将来性を感じさせてくれる素晴らしいデモでした。今後は空気や温度、においまで再現されるように 4D の感覚エクスペリエンスが進化するのではないかと予感させてくれました。このテクノロジがどのように活用されていくのか、今後も注目していきたいと思います。

2. 5G への期待

4G がまだ世界に普及し始めたばかりであるにもかかわらず、この会場は 5G の話題で持ち切りでした。テレビ番組が数秒でダウンロードできるようになるというのも魅力的ですが、それよりも重要なのは、5G がモノのインターネット (IoT) の将来的な可能性を切り拓く鍵となるということです。アナリストたちの予測では、腕時計や電化製品、自動車、医療機器システムなどのさまざまなデバイスがネットワークに接続され、2020 年までに 250 億台を超えるモノがつながるようになるとされています。デバイスの数やデータの量が増加するに伴い、この新たなスピード感は IoT の可能性を広げるうえで欠かせないものとなります。しかし、世界における 4G の普及はまだ始まったばかりであり、4G テクノロジの醸成に加え、5G の経済性も重要な点です。

3. モノのインターネット (IoT)

会場ではさまざまな接続型デバイスのアイデアが展示されていました。自動車、スマート自転車、ドアロック、デジタル アート ディスプレイ、企業向けアプリケーションなど幅広いものです。IoT の用途は徐々に明確になってきてはいますが、まだ断片的にしか具体化されていません。しかし、IoT の進化は、マイクロソフト、Intel、Open Connectivity Foundation (英語) 参加企業などの連携によって着実に進められており、ソフトウェア プロバイダーと IoT のつながりが構築されつつあります。

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